能登半島地震【第4報】

栗田です。お疲れ様です。
現地に派遣しています浦野からの現地報告が届きましたのでお知らせいたします。
■穴水町の現地の様子
○被害の様子(3月26日夕刻)
・能登有料道路を柳田インターチェンジでおり、七尾市を経由し能登島を右手に見ながら穴水に入った。
・内浦沿いを通って穴水入りするも、町内でも震源地より遠い場所に位置しているために、瓦屋根が落ち、ブルーシートがかぶせてある家が1件、蔵の土壁の一部崩落が2件程度みられが、倒壊・一部損壊家屋などは見られなかった。しかし、家の中の被害がどの程度かは不明。
・また、地震のゆれで瓦が少しずれ、瓦と瓦の間から土が吹き上げ、屋根が黄色くみえる家屋が多く見られた。生活などへの影響は少なく被害も軽微のように見えるが、今後修理などは必要だとみられる。
・しかし、駅近くの川島地区と大町地区に全壊家屋や一部損壊家屋が目立つ。すでに家の片付けが終了しているところと、手付かずのところに差が出てきているようだ。
【被災者の声】
・70代ご夫婦
・現在の居住(1ヶ月前に引越し)は被害はほとんどでなかったが、徒歩1分の場所にある築90年ほどの別宅が注意判定(黄紙)を受けた。
・家の中の家具はほとんど倒れ、台所などの家財道具の全て散乱している状況。
・ボランティアの手伝いを申し出にも、「自分たちでつまつま(少しずつ)やるから、大丈夫」とおっしゃる。また、「知らない人が家に入るのは抵抗があるし」とのこと。さらに、注意判定が出てしまったので、ボランティアが来て怪我をしたら申し訳ないと気兼ねしている。
・作業としては、ご夫婦だけで作業をするとなると数ヶ月はかかるのではと感じた。
・相互扶助については、「今は自分の家がみんな大変だから、助け合って片付けるという感じではない。個別で頑張っている感じ」(しかし比較的若い人がいる地域では、みんなで手伝いあった、という報告もある。地域により差があり)
・行政が災害ゴミの収集を4月2日ごろまで実施しているようだが、「捨てるものや残すものの判別に時間がかかったり、その日期限までにモノが出せるかも分からない。」とのこと。
・隣接する建物を美容院の貸し店舗にしているが、その建物が危険判定(赤紙)が出てしまった。もう経営継続は難しいと考えている。店長は涙ながらに「30年続いた店を閉めるのはとてもつらい。でもしょうがない」とご夫婦のこぼしていたとのこと。
○災害ボランティアセンターの様子
・3月25日(日)災害ボランティアセンター設置
・場所:穴水町社会福祉協議会内(穴水町川島夕38/0768-52-0378)
・県のマニュアルに沿って立ち上げ。
・センター長:社協会長、本部長:社協事務局長、副本部長:ボラ連会長、総務班、
ニーズ調査・受付班、ボランティア受付班、ボランティア派遣班、移動・移送班、救護・衛生班を設置。
・27日はボラ連と社協で被害のひどかった地区の町内会長にセンター設置のチラシを配布。ニーズ収集の一歩を踏み出す予定。
・町社協が行っている地域包括支援センターにて、電話で一人ぐらし高齢者の安否確認を行う。確認が取れない場合はスタッフが直接訪問で対応。今のところ特に目立ったニーズは上がってきていいないとのこと。
・震災当日は民生委員が午前・午後と2回高齢者宅などを訪問し、ニーズ確認を実施。この時点で上がってきたのは10件未満。内容は家の片付け、屋根にブルーシート張ってほしい、隣の家が倒れてきそうだが何とかして欲しい、というものだった。
・センター側としては、ボランティアでやれることと行政対応が必要なことの見極め・振り分けが適切にできるかに不安を抱えている。
○今後について
・民生委員などは積極的に動き、社協にも協力的なようだ。しかし、ボランティアセンターが何をしてくれる場所なのか、どこまでのことを頼めるのかについては、十分に理解されていないように感じる。
・余震なども続いているため、精神的にも身体的にも疲れが出るころなので、今後は社協を地区で活動するボランティアさんや、民生、町内会長さんなどの協力と理解を図り、さらにニーズ把握の体制づくりを行いたい。
・本日浦野、後手・北脇(金沢市社協)がセンターに入り、センターサポートを行う予定。
■輪島市旧門前町
○被害のようす
・全壊・半壊・一部損壊家屋が目立つ。危険度判定で赤紙や黄紙の家が多くみられた。
・道路のひび割れ、陥没、マンホールの隆起などの被害も見られ、ボランティアセンターが開設された際の交通渋滞が心配される。
・家々では、片付けや掃除などが個別で進められている様子で、道路脇に災害ゴミの小さな山が少しずつみられる。
・危険度判定と罹災証明の発行作業が進められているも、旧門前町全ての処理が終わるまには3日以上かかるのではないかと予測される。これらの作業が終わらない限りはボランティアは絶対に手をつけないで欲しいという県の意向があるとのこと。
・しかし、住民サイドはこれらの発行を待たずに独自で片付けなどの作業を始めている人もいるらしい。
○災害ボランティアセンターの様子
・門前災害ボランティアセンター
・場所:輪島市立門前東小学校
・電話:0768-42-1945(9:00縲鰀16:00受付)
・開設日時:27日13:00より
・活動期間:3月28日縲鰀4月4日
※本日の朝刊にてプレス発表。
・石川県災害ボランティアコーディネーター協力会のメンバーや福井・静岡・新潟からの災害ボランティア関係者が支援体制づくりを行っている。七尾氏(輪島市社会福祉協議会事務局長)をセンター長とする予定。
・26日は避難所へのセンター設置のお知らせのビラはりと口頭での説明を炊き出しの時間に合わせて実施予定。
・明日以降は、JCなどと連携をしつつ、ニーズ把握とセンター設置の準備を行う。
○輪島市災害ボランティアセンター(サテライト)
・被害がひどかったのは、門前町と市社協がある河井町周辺で、両町の距離は車で30分かかる。そのため、河井町にサテライトを設置することを検討中。
・市社協から300m離れたいこいの広場にテントを2つ設置し、センターの機能をつくる。駐車場スペースが非常に広い。
・市社協は避難所として開放しているため、施設使用は難しい様子。
・避難所には幼児を抱える母親の姿が目立つ。よる10時過ぎまでうろうろする姿や、寝つかれない高齢者の姿がみられた。被災者の方にもそろそろ疲れが出てくるころだと感じる。
・サテライト開設は28日頃を検討。
・本日はJC関係者2名、社協スタッフなどが入り、準備を行う予定。