能登半島地震【第21報】

皆様
栗田です。お疲れ様です。浦野より穴水町災害対策ボランティア現地本部での活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.4.17現在)
○本日の活動
■ボランティア受付
・電話でのニーズ依頼件数はほとんどなし。
・家屋調査に関する依頼や調査結果の問い合わせなどが若干あり。
■ボランティア連絡協議会「能登半島地震」緊急会議
・13:00縲鰀15:00までの予定が大幅に延長し16:00ちかくまで議論が続いた。
・参加団体:約20+穴水町健康福祉課課長
〔会議の内容〕
1.挨拶
・町長の挨拶
・社会福祉協議会会長の挨拶
・ボランティア連絡協議会会長の挨拶
○穴水町災害対策ボランティア現地本部長(社協事務局長)より会議の目的の確認
?3月25日(日)9時42分に発生した能登半島地震において、穴水町災害対策ボランティア本部が活動してきた経緯の報告
?被災された方々の今の様子についての情報の共有
?同じ地域に住む住民同士「困った時はお互い様」という視点に立って、支えを必要とする方の小さな声に耳を傾けながら、どのような応援ができるのかを考えていく。
2.報告
?穴水町災害対策ボランティア本部の活動についての報告(町社協職員)
・自分からは「助けて欲しい」となかなか言い出せない、被災された方の『小さな声』になるべく耳を傾けようという姿勢も持ち、必要なこと考えながら活動を続けてきた。
〔活動状況〕
○3月25日
・地震発生
・民生児童委員を通じ、要援護者の状況把握を依頼
○3月26日
・穴水町災害対策ボランティア現地本部を設置
○3月28日
・避難所の訪問活動を開始(現在継続中)、訪問活動によって挙げられた個別の要望
への対応(現在継続中)
○3月29日
・避難所の環境整備(布団・洋式便座搬入、清掃)
・婦人会・健康づくり推進委員、民生委員などが野菜不足解消のための炊き出し実施
(4月1日まで)
○4月1日縲鰀3日
・ボラ連による在宅にいる被災者への声かけ隊活動(断続的に継続)
○4月9日
・県外からの被災地お見舞いパック「うるうるパック子ども版(鉛筆、ノートなど新学期応援グッズ)」配布(町内小学校5箇所全校児童415名に配布)、在宅被災者向け「家の相談会」の開催
○4月10日
・「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)」「日本民家再生リサイクル協会」による家屋調査の実施(4月10日・11日・12日)
・民生児童委員を通じ一人暮らし高齢者被害状況調査、県外からの被災地お見舞いパック「うるうるパック大人版(タオル、うがいぐずり、石鹸、マスクなど)」配布。
・避難所の被災者向け「家の相談会」の開催
・被災者から上げられた声に関する報告会実施


○4月12日
・声かけ隊、民生児童委員による調査結果、木耐協から上がった被災者の現状・要望をまとめて行政に報告
?避難所訪問活動の報告(活動の中心を担った地元ボラより報告)
○活動を通じて上げられた被災者の声
・子どもが怖がっている。寝てばっかりいる。→毎日訪問し、見守りを継続。
・洋式のトイレがない→行政に声を上げ、設置後すぐにお通じあり。
・洗濯や更衣室、敷布団の搬入の必要性→行政に声を上げ、設置。とても喜ばれた。
・日が経つにつれ、明日からの生活どうしよう、という不安が増長、涙を流される人もいた。 など。
○活動を続けてきた自分たちの想い
・できることは小さなこと一つひとつだった。
・専門家ではないけれど、少しでも笑顔になってもらえるような活動を心がけた。
?在宅訪問活動の報告(活動の中心を担った地元ボラより報告)
○活動を通じて上がった被災者の声
・片付けで疲れて元気がでない。眠れない。
・家を建て直しても、この後生活を維持していけるのか、将来のことが心配。
・義捐金の使い道、赤紙や黄紙などの色によって金額がどう変わるのか? など。
○活動を続けてきた自分たちの想い
・最初はこんな時期に訪問することで、被災者に興味本位なのではないかと捉えられるかもしれないと不安を持ち、躊躇していた。でも「顔を見せるだけで心強く思ったり、元気になる人達がいる」と発言された人の言葉をきっかけに、活動をやっていこう!気持ちが変わった。
・活動の目的は、?声をかけることで元気になってもらおう?被災された方が何を望んでいるのかをつかんでこよう、の2点。
・こちらから尋ねて行かなければ見えてこなかった困りごとが多くあった。
・これからは、心の支えを必要としている人に寄り添う人の存在が必要だと思う。
3.グループ討議
※浦野より報告者の方の発言のまとめと、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震での仮設の様子の分かる写真提供や、今度課題となりそうな事柄(建物に関すること、生活に関すること、孤独死や引きこもりなどの恐れ)について、パワーポイントで説明。
※その後、3つのグループに分かれて、下記のテーマに沿って、簡易KJ法を用いて意見交換を行った。
〔テーマ〕
報告を通じて見えてきた、今被災されている方の抱える下記の問題に対して、同じ地域に住む住民同士「困った時はお互い様」という視点に立って、どのような応援ができるのかを一緒に考えていきましょう。
?心細さ、不安、心のよりどころがない
?健康の維持ができない(運動不足など)
?気持ちが楽しめるもの、元気になれることがない
?仮設住宅での新生活に対する不安
〔参加者から出された今後の活動への提案〕
■寄り添い・見守り活動
・声かけ運動(在宅にいる方、仮設の方)による不安の拾い出しの継続
・高齢者などの聴覚障害者への手話通訳者の同行
■お楽しみ・元気になれる活動
・子どもとの交流会
・野菜、花づくり活動(子どもと一緒に)
・外部団体の協力を得てのイベント開催
・ボランティア感謝デーの実施(今まで協力してくれた県内外のボランティアを招待したい)
・お話会の実施
・手作り工作
・手遊びの会
・季節の行事の実施(いちご狩り、豆まきなど)
・ふれあいスペースの設置(仮設の中に)
・歌、おどり、太鼓などの演奏
・プランターのお花づくり
■健康づくり活動
・野外散策を楽しむ会
・お散歩会
・中学校の校庭を使ってスポーツイベント
・健康体操教室
・定期的な血圧測定
・朝のラジオ体操の実施
・仮設の風呂は小さいので、町営の銭湯へお連れする
■仮設住宅応援活動
・入所前の行政による説明会
・仮設住宅に入る人の要望の聞き取り→声を行政につなぐ
・お買い物付き添い、代行
・勤労者会館を利用したお茶会の実施
・入居時に知り合いを隣同士にする配慮の要望を行政に上げる
・仮設だよりの発行
・引越しお手伝い
・お話相手
・仮設での要望が投函できる目安箱(のようなもの?)の設置
〔今後の具体的な活動予定〕
?避難所の元気付けイベント(4月21日土曜日実施予定)
★メニュー
・少年少女合唱団の合奏
・子どもとの交流
・仮設住宅への不安を拾う活動
担当/地域推進チーム、育児サークルいいおかお、グループ325
?在宅の被災者の訪問(実施時期は4月中で調整)
★メニュー
・穴水高校の学生が応援メッセージカード作り、在宅の被災者に届ける
・学生を数名のチームに分け、付き添いやニーズの聞き取りをボラ連が行う
担当/いき工房、穴水セーフティドライバーズクラブ
?仮設住宅応援企画(仮設の設置時期にあわせて実施)
・引越しの手伝い→実施決定
・仮設での新生活応援パックの配布(つめきり、シャンプー、歯ブラシ、タオルなど新生活に必要なグッズを検討。町内で寄付を募り配布する)→実施可能かこれから検討
担当/NTT穴水、穴水高校、住吉交通安全指導ボラ
?ボラセンター当番(今週末より実施)
★外部社協からの応援体制が縮小されるため、地元ボラで業務の引継ぎができないか検討。とりあえずローテーションを組み、実施してみることになった。
担当/フィッシングクラブ、グループ325
※現在、ボランティアの受付業務とボランティア待機所となっている2つのプレハブの一方を、ボランティア連絡協議会の活動拠点として整備していくことで合意。明日から環境づくりを行う予定。
■浦野感想
・「小さな声に耳を傾ける」ことにこだわって活動をされてきた、数人の地元ボランティアの方から、被災された方の声が多くの人に届けられたことで、「小さなことからでもできる限り協力していこう」というボラ連全体の意識の芽生えにつながった。
・地元の方々は、今まで何かしたいのだけど、具体的に何ができるのかわからないというところで留まっている感じだった。しかし、グループワークでは、上記のような意見が活発に出された。
・穴水町の地元のボランティアの方には、被災された方の具体的な声を聞き、過去の被災地での活動の様子の報告や、見たこともない仮設住宅がイメージできるような情報提供などをすることで、自分たちの町の特性やペースを大事にしながら、何をすべきかを自ら考えていこうとする前向きな気持ちを持ち、活動を生み出していく力が十分にあると感じた。私たちは、「自分たちにもできることがあったら、何かしたい」という住民の方々の気持ちを後押ししたり、形にできるようなお手伝いをこれからも続けていければと思う。