【第15報】8月28日からの大雨洪水について(名古屋市)

皆様
栗田です。お世話になります。
「まだどこかで困っている方がいるのではないか」と昨日まで主だった被災地を練り歩いてきました。そして今日(9月7日)は原点に返り、市内で最も被害が多く、水害翌日に一度支援に入った地域を再度訪問しました。目的は2つです。一つは、先週は畳や家財の「搬出」でしたが、今回は「搬入」のお手伝い。畳や家具の配置といった具体的作業のほか、「また来てくれたの」という、うれしいふれあいもあり、直接会話する意義はやっぱり大きいと感じました。
もう一つは、新たなニーズの発掘です。丁寧に声かけしたところ、やっぱりありました。まだ手付かずのお宅が。長屋の借家です。「どうしようもないから自分らでする」と一旦は断られましたが、強烈な臭いがします。今回の行政対応策で、2ヶ月は市営住宅に無償で入居できる制度がありますが、そのことはもちろん「罹災証明」のこともご存知ありません。これではボランティアの対応だけでは限界があると思い、区担当者と区社協とともに再度訪問し、手続きの説明をしてもらいました。そして、市営住宅に移るにしても、このままではいけないので引越しするつもりで片づけをしましょうと説得し、本日この地域の作業に参加していた総勢30名ほどのボランティアで作業を行いました。
室内は濡れた畳の重さのせいか床が抜け落ちており、水が染み込んでくるのを防いだのか、畳の上にコンパネやカーペット、ビニールシートが敷かれていました。その上の布団も湿っていました。聞けば床上30~40cmほど浸水したということです。とてもつらかったことと思います。
この1週間、町内の組長さんや大家さんも何度も訪問したそうです。ボランティアも初日に訪問しています。しかし拒まれ続けたそうです。それは、地域が近すぎるので返って遠慮したのかもしれません。すべてが見えてしまいますから。またボランティアの声かけも、どこまで介入できるかは本当に難しいことです。
しかし、たまたまこの借家の隣が空き家になっていて、大家さんの配慮で清掃後の荷物を一時移すことができました。また先週支援した別のアパートで、同じ区空き家の濡れていない畳が余っていることを覚えていて、事情を説明しましたら、二つ返事で6畳分譲ってくれました。だってこの家族は、今日は市営住宅に移れないので、生活空間は必要です。
こうして、大方の作業を済ませ、本日の作業は終了しました。明日も引き続きこのお宅の片づけを手伝うことにしています。また、別の地域で少し気になる世帯が数箇所上がっていますので、いましばらく丁寧に対応していくことにしています。そして、このような方がまだいるのかどうか。市や社協も含めて色々な対応策を実践していますが、悩み続けています。