DCセントラルキッチン

今日は、今回の研修プログラムの目玉のひとつ、『DCセントラルキッチン』へボランティアに行ってきました。
これが、DCセントラルキッチンの専用車両。
この車両がDCや隣接する州の一部を走りまわり、毎日食材を集めたり食事を運んでいます。
DCCK.JPG
この団体はホームレスの食料支援を主な活動目的としており、その他にも食のリサイクルやホームレスの若者の就業支援などにも力を入れています。
ここでは、ボランティアを毎日午前9時~12時、午後5時~20時の時間帯で募集しており、4500食の食事を提供しています。
私の場合、午前中は学校、夜の時間帯は暗くて危険という状況から、当面、土曜日の午前中を固定日にしてお手伝いさせて頂くことになりました。
前もって、オフィスを直接訪問してボランティア希望の旨をコーディネーターに伝えました。その後、コーディネーターより、集合場所・時間・服装・諸注意などが書かれたメールが送付されてきました。
今日は指示通りに8:45頃オフィスに到着し、その後ボランティアミーティング室に案内されました。申し込み用紙にサインをし、時間になるまでしばらく待機。50代~60代の方、20代の若者、子連れのお父さん、引率の先生と一緒の小学生から高校生ぐらいまでの子どもたちが続々と現れ、総勢30名がそろいました。
オリエンテーションでは、団体の歴史や日々の活動の様子、食材のほとんどが寄付で賄われていることや諸注意などが15分程度で説明されました。
その後、二人のボランティアコーディネーターがその場でチーム分けをし、仕事を割り当てていきます。この仕組みは被災地でのコーディネーション業務とよく似ています。
今日の私の仕事は人参の皮むきとカッティングでした。
10人がこの仕事に割り当てられました。
5人がピーラーでひたすら皮をむき、5人がひたすらイチョウ切りをします。
開始時間は9:30頃、終了はブレイクタイムを15分程度挟んで11:50でした。
私たちが人参と格闘している傍らで、キッチンの調理スタッフがおいしいそうな食事を仕上げていきます。今日のメニューは、いもとインゲンのボイル、魚のソテー、パスタ、ビーフの薄切り、チキンなど、手が込んでいて見た目もゴージャス。
ちょっと味見したい・・・と思いつつも、私は自分の仕事に励みます。
ここの調理は、調理師免許のある(あるいは見習い中の)ホームレスの若者が担当しています。ヒップホップやポップミュージックが流れる中、時には大きな声で笑い合いながら、明るく楽しい雰囲気で作業が進んでいきました。
ボランティア一人一人にも気さくに声をかけてくれ、「また手伝いたいな」と思えるような対応でした。また、食べ物を取り扱っていることから、衛生管理にはとても厳しく、手洗いはもちろん、使い捨ての手袋、エプロン、キャップが各自に支給されました。
ボランティアの顔ぶれも様々で、いちげんさんもいれば、継続的に関わっている方もおり、どんな人でも参加しやすい雰囲気でした。
ボランティアコーディネーションの手法やそのための準備、雰囲気づくりの工夫など、学べる点が多々あると感じます。特に、目的が「ホームレスの人々への食の提供」とはっきりしており、作業内容も簡単なので、子どもも大人もその場にやれることがある、成果が見えやすくやる気になりやすいというのが、一番の関わりやすさなのではないかと思います。言葉の不自由な私でも、それを後ろめたく思うことなくしっかりお手伝いができました。
このような、なんでもウェルカム!と言った雰囲気はどうしたら作れるのか?
そして、これだけの作業を沢山のボランティアを集めて毎日とりまわしていくための工夫やドネーションの構造、どうして多くの人々がこの団体に関心を持ち、ボランティアとして集まってくるのか?など、知りたいことは山積みです。