山と川を結ぶ「粗朶(そだ)づくり」第2弾です

 皆さま
 お世話になっております。スタッフの関口です。
 山と川、森と水のつながりから防災を考える本年度のRSY(セブン-イレブンみどりの基金助成)事業「防災の森づくり 川づくり」、先月の粗朶(そだ)づくりに引き続き今月も岐阜県内で講習を行いました。
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 前回と同じ関市の里山に入り、初めての参加者に実際の粗朶を見てもらった後、約1時間かけて西の本巣市に移動。ここに60年以上前から本社を構える井納木材(株)を訪れ、粗朶を河川の整備工事に使う過程の作業を見させてもらいました。
 一堂が驚いたのは、本社から少し離れた敷地内にあった粗朶の山。平屋の家が一軒ぎっしり埋まってしまうだろうという量の粗朶の山が3つ並んでいます。積み上げられているのは前回見たように農家のおじいさんたちが束ねた粗朶で、全体で約1万束だとか! それでも「今年は需要が少なく、例年なら3万束ほどがストックされています」と同社の井納英昭社長。これだけの仕事が地域で毎年維持されてきたという歴史とスケール感に圧倒されました。
 さて、この日の主な講習は粗朶をつなぎ合わせる「連柴(れんさい)」づくりの作業です。
 粗朶は山で束ねられた時点ではだいたい2~3mの長さですが、実際の河川工事で使うにはさらに長くして、きちんと規格に合うようそろえなければなりません。今回は2束の粗朶を合わせて5mにそろえる作業。専用の木枠の台に粗朶を置き、「締め金」と呼ばれる輪っか状の金具で締め付けながら、30cmおきにまずは針金で縛っていきます。2人がかりの作業ですが、かなり力がいるようで、井納さんも「最後までやると息が上がります」と話していました。
 続いて針金の間に縄を縛っていきます。つまり15cmおきに針金と縄が交互に現れるということ。こうした規格は各地の行政によって定められ、災害の復旧工事に粗朶を使う場合にも、要綱などで明記されているそうです。
 今回は、その縄の縛り方をビニルパイプの”練習台”を使って体験させてもらいました。参加者は同社の社員である職人さんの手元を見ながら同じように挑戦してみますが、縄を前に回したり後ろに引っ張ったりと複雑でなかなかうまくできません。一つ一つの動きをぐいぐいっと力強く、素早くこなす職人の技に感心しきりでした。
 こうした連柴が川に運ばれ、護岸工事の基礎などに使われる様子を、来年1月に見学する予定でいます。できれば名古屋市内の河川で実験的に粗朶の工事を行い、多くのかたに見てもらうことができないか、調整中です。決まり次第、またご案内いたしますので、ご期待ください。