東北地方太平洋沖地震について【第5報】

皆さま
13日より現地入りしているスタッフ・関口からの現地レポートをお伝えします。
◇3月14日(月)
【塩竈(しおがま)市】
 被災地の状況把握のため、被災規模の見えない石巻(いしのまき)市を目指し、14日未明に山形県庁を出発。地元の日赤ボランティアSさんの車に同乗させていただいた。
 緊急車両として高速に乗り、仙台方面へ。ところどころ陥没箇所を工事していたが、早朝で他の車もなかったため、ほぼ支障なく走り抜けられた。
しかし太平洋側を通る「仙台東部道路」の先は通行不可。道路の下には津波で流された瓦礫や車が手付かずのままたまっていた。下道におりるとガソリンを求める車の列が開店前のガソリンスタンドにずらりと並んでいた。
停電が続いていて信号も灯らない仙台の街をおそるおそる北上した。道路はところどころ冠水したままで、水しぶきをあげながらも何とか先へ進めるが、塩竈市に入って異様な光景が広がった。車という車がひっくり返り、電柱や民家にめり込んでいる。狭い路地に数台の車が重なり合って壁のように行く手をふさぐ。港に面した遊覧船乗り場の近くでは、車と船が絡み合うように転がっていた。人通りもほとんどないゴーストタウン。国道の冠水も普通車では先に進めないレベルとなり、石巻行きはあきらめざるを得なかった。
【七ヶ浜(しちがはま)町】
 目的地を変え、塩竈市のすぐ東に位置する七ヶ浜町へ。ここは代表理事の栗田が5年ほど前に講演会に呼ばれた町だと聞いていた。半島状に海に突き出した町は中央が高台となっていて、町役場やスポーツセンターなどの施設が集中する。役場に行くと災害対策本部が2階にできていて、1階で職員がパンやおにぎりを仕分けしていた。
 七ヶ浜町は人口約2万1,000人。その名の通り「7つの浜」があり、観光や漁業で成り立っている。しかし今回の地震津波で海浜部の集落に被害が集中。現場は何があった場所かわからないほどの更地になってしまっている。現在のところ、死者25人、行方不明者152人。自衛隊も入った捜索は14日から始まったばかりだという。
 役場から500mほど離れた社会福祉協議会は、一応「ボランティア受付」をしている。ただし外部の人は原則まだ受け入れず、地元の人中心に 「給水作業の手伝い」・「交通整理」の2つの役割を主に割り振っていた。
給水は町が独自に行っており、給水ポイントのグラウンドにはポリタンクを持った数百人の町民が行列をつくっていた。
 避難所は町内28カ所にできているが、海浜部で生き残った住民と隣接する多賀城市の火力発電所の火災で退避させられている地区の住民が役場に近い中央公民館と「国際村」という施設の2カ所に押し寄せ、あふれかえっている。
 職員は「水や食糧が圧倒的に足りない。何かを伝えようにも電気がないのでコピーも取れず、無駄な動きが多い。ボラセンの開設も検討しているが、まずコーディネーター的なボランティアに来てほしい」と訴える。
 その後、避難所の様子を詳しく見ようと思いましたが、「大船渡沖で自衛隊が5mの潮位変化を観測」というデマが流れ、住民が一斉に高台に避難。われわれも撤退せざるを得なかった。
そのまま仙台でガソリン探しに奔走。ガソリン不足は深刻な問題になっている。明日は宮城南部を回る予定。
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
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