宮城県七ヶ浜町報告【第17報】仮設住宅入居者説明会の開催

皆さま
5月6日(金)10:00より、第1次募集で入居される115世帯に対し、仮設住宅入居者説明会が開催されました。
この説明会は、町・七ヶ浜町災害ボランティアセンター・ボランティアきずな館の連携のもとに実現されました。3者で行った事前打ち合わせの際、「初めての仮設住宅の住まい方や心の持ち方について、不安を感じていらっしゃる方がいると思う。過去の被災地での体験者の話を直接聞くことで、少しでも今後の先の見通しを持ったり、安心材料に繋がるのでは」と提案したところ、「必要だと思うので、ぜひに」とのことで、町・災害ボランティアセンターもすぐに同意して下さいました。
今回は、2004年新潟県中越地震の被災地である川口町田麦山地区より3名、2007年能登半島地震の被災地である穴水町より1名の方がおいで下さいました。この2つの地域は、RSYが発災直後から支援に入らせて頂いたところで、現在も住民の皆さんとの深い交流が続いています。「七ヶ浜の皆さんのためにぜひ力を貸して欲しい」とお伝えしたところ、「私たちで役に立てるならぜひ」と二つ返事で了承して下さいました。
6日(金)10:00頃、入居対象となる115世帯の方が来場しました。
ライフラインの申し込みや入居手続きに関する事務連絡の後、社会福祉協議会より、引っ越しボランティアの申し込みについて説明がありました。
今回は自衛隊が車両や梱包、運搬のサポートをしてくれることになっており、ボランティアセンターも自衛隊と連携しながら住民の皆さんをサポートしていくことをお話されました。また、申し込みが無かった場合でも、入居開始から約1週間は、毎日10名程度のボランティアを仮設住宅集会場に派遣し、急に人手が欲しくなった時や相談等、随時受け付けられる環境を整えることになりました。
その後、町より「ボランティアきずな館」やRSYについて、「何かあった時には災害ボランティアセンター(社会福祉協議会)と連携しながら皆さんを応援してくれる方々です」と紹介して頂き、住民の皆さんへの周知に繋がったことを非常にありがたく思いました。
11時より約30分という短い間でしたが、田麦山・穴水町の皆さんが以下の内容についてお話して下さいました。
kasetu tamugi.JPG(田麦山地区住民・Mさんの話)
・仮設住宅は非常に狭く住みにくい。仮設というだけあって、構造上2年が限界だと思う。2年ぐらい経つと、基礎が沈下したりして建物の痛みが目立ってくる。
・夏は暑く、冬は寒い。おそらくクーラーは1基しかついていないと思うが、部屋が複数ある場合は蒸し風呂状態になるので追加購入が必要。冬は結露がひどくなると思うので、壁に断熱シートを張るなどの工夫がいる。
・とにかく収納が狭いので、上に物が収納できるようなラック、100円ショップでも買えるカゴなどを駆使したらよいと思う。
・義捐金の配分など、行政からの公的支援に関する情報が沢山くると思うので、常にそれを自分から取りにいくというつもりで情報に敏感になることが大事。使える支援は積極的に使えるよう考えておくべき。
・ただし、高齢者等については、口で丁寧に説明するなどの配慮が必要だと思うので、互いに助けあるコミュニティづくりが大切になる。
・最終的に復興に向けて頑張らなければならないのは自分たち自身。田麦山では震災後の冬に祭りなどを開催し、「みんなで頑張ろう!」という機運を高めたりした。
(穴水町住民・Tさんの話)
・仮設住宅は壁が薄いので、隣の音が非常に気になると思う。穴水でもそれがもとでトラブルに発展した事例も。特に小さな子どもがいる家庭は隣への迷惑が気になると思う。壁に発砲スチロールを張って音を吸収するなどの工夫が必要。
・早く地域の中に、区長さん、班長さんを決めた方がよい。行政からの大切な情報がまんべんなく届いたり、住民の要望が吸い上げられるようなパイプ役が必要。
・住宅に入ってから、絶対に引きこもったりしないようにしてもらいたい。集会場があるので、頻繁に顔を出して人の繋がりを作ることが、後の暮らしやすさに繋がってくるはず。
・自分は仮設住宅の時期は1週間に1回の個別訪問、2年後に仮設が解消されて、公営住宅に移ってからは、1月に1回のペースで訪問活動をしていた。震災から4年経ってはじめて「やっと落ち着くことができたよ」と話す高齢者の言葉を聞き、相当我慢してきたのだと改めて実感した。
・集会場を中心に、お茶のみ会や手作り教室などを実施したり、殺風景な仮設のプランターに花を植えたりと、みんなで顔を合わせて取り組める企画を考えられるとよいと思う。
・ただし、ボランティアさんもありがたいが、あまりに頻繁に来られると疲れてしまうという面もあると思う。うまい距離を測りながら、互いが無理のない関係でいられると良いと思う。
田麦山・穴水の皆さんの写真や優しい語らいで、住民の方が理解できるように配慮下さり、時折大きくうなづく住民の方の姿が印象に残りました。最後に、穴水町の皆さんが七ヶ浜を応援したいと、タオルでベビードレスを象った手拭きタオル「ホットちゃん」を、全ての世帯にプレゼントして下さいました。穴水町の皆さんの想いが、ホットちゃんにのって、確かに住民の皆さんの手に届けられました。
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説明会終了後は、RSYボラバスメンバーによる炊き出しを食べながら、田麦山・穴水の皆さんと、個別に相談・交流できる時間を取りました。仮設住宅での生活もさることながら、被災当時のお話をされる方も多く、互いの経験を話し合ったり、情報交換する姿が見られました。
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今後は5月20日、30日と第2次、3次入居の日程も決まっているので、引き続ききめの細かい情報提供ができるよう応援していきたいと思います。