【第8報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(4月26~27日)

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
熊本県に現地入りした、浦野・松永からの報告です。

RSYからの呼びかけで、23日より現地入りしていた北村さん(福島大学ふくしま未来学推進室(COC)地域コーディネーター)は25日で活動終了。26日より、岡田雅美さん、加藤都さん(看護師・なごや防災ボラネット)、27日より、佐々木裕子さん(愛知医科大学准教授)・堀田麻耶眞弥さん(柊訪問看護ステーション・言語聴覚士)が現地入りしました。

 

▼松永の動き
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全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「平成28年度熊本地震支援団体火の国会議」の事務局調整スタッフとして活動。被災地で活動する100以上団体の活動状況を把握し、支援が届かない地域を作らないための調整を行っている。炊き出し、避難所支援、障がい者・高齢者支援など13のテーマに分け、互いの課題や過不足を補うための情報交換を行っている。

▼松山の動き
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震災がつなぐ全国ネットワークとして、「日本財団災害ボランティアコーディネーター」の派遣や、震つな加盟団体の活動状況の聞き取りと集約、情報発信を行っている。

▼浦野の動き
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(御船町での避難者状況)
●避難所で生活している倒壊家屋世帯の数
・小坂小学校(21世帯)
・高木小学校(17世帯)
・木倉小学校(12世帯)
・カルチャーセンター(10世帯)
※その他、小さな避難所にも数世帯が把握されており、60~70世帯が倒壊家屋の被害を受けている様子。GW前に町が正式な実態調査を行い、仮設住宅の必要件数や食事の数などを把握する予定。

(避難所の様子)
・現在までに稼動している避難所は22箇所。当初の51箇所から除々に閉鎖している。
・車中泊の数も減少しているが、詳細な実態把握はできていない。
・食事は、基本はパン・カップヌードル・アルファ化米が中心だが、時々お弁当も配布されている。現在は自衛隊の炊き出し応援も検討中。
・入浴は、自衛隊の仮設風呂が設置されているものの、障がいのある方や高齢者は利用できておらず、本震から12日が経って一度も入浴できていない方もいる。訪問入浴カーの提供や、福祉施設の浴室の開放、避難所からの移送、見守り介護の体勢を整えることが課題。一般の方の中では、水が復旧しはじめているため、日中自宅で入り、夜は避難所で寝る(余震が怖いため)方も少なくない。
・災害発生からまもなく2週間目を迎え、多くの皆さんに疲れの表情が見られる。特に自力で動くことのできない高齢者や障がいのある方については、入浴と安心できるトイレ環境の整備が大きな課題。

(支援体制)
・町の医療機関が100%回復したことで、26日24時をもってTMATによる救護所が閉鎖された。以降、急病者が出た場合は保健センターに直接繋ぐ。
・個別訪問/保健福祉センター保健師チーム(西宮・神奈川・奈良・山口などからの派遣)、社協福祉チーム(日本財団)がサポート
・避難所巡回/災害派遣ナース(長崎県看護協会)が4箇所の大型避難所を巡回、社協福祉チーム(RSY)がサポート

(RSYの活動)
・連携先⇒地域包括支援センター
・包括支援センターと避難所を巡回する派遣保健師からの要請で、高齢者が多く、断水地域にあるB避難所にて、足湯ボランティアを実施。

 

★北村育美さんレポート(4日27日)
B避難所は、山間部にあり、避難所には区長会長や区長がほぼ常駐しており、区長会長や区長中心に運営されている。役場職員、山口県からの応援職員も常駐している。物資が置いてある外のテントや、避難所でのお世話係は住民が自主的に行っている。

避難所内は、日中は約20名の高齢者がいる。夜になるともう少し増えるということ。酸素吸入の方と、介護が必要な人がおり注意が必要だが、介護が必要な方は、ヘルパーさんが来ているとのこと。その他の方々は足湯の会話から、家が損壊しているため自宅にいられず、避難所にいるとのこと。比較的元気な方が多い。自主的にお世話係をしている人が、体操などもやっている。今後、避難所のフェーズが変わってくると思うので、その時々でアドバイスが必要かもしれない。水が来ていない世帯が多く、給水車が1日2回くる。この地区の家の破損状況はわからないが、余震とショックもあり、片付けに手をつけていない人が多いという。

(70代女性)
家の隣に炭焼き小屋があり、そこの火が小屋に燃え移って火事になったとです。こわくてこわくて。裸足で逃げました。燃えている間、母屋には燃えうつらないようにと、仏さまに祈ったり、外に出て火事の様子を見たり、落ち着きませんでした。母屋に火は燃え移らなかったんですが、大きい家が傾いてしまって、もう住めないですね。命が助かったよかった。それはみんなに言われます。こんなに腰は曲がってしまっていますが、おかげさまで元気です。

(70代女性)
孫がいて8人家族です。私とじいちゃんだけここ(避難所)にいて、息子夫婦と子どもたちは、小屋で生活しています。ずっと米作りをやっていたんだけど、今年はもう無理だね。苗を植えるのが間に合わない。田んぼには今のところ被害はないみたいだからよかったです。

(70代女性)
家がもうだめだね。住めないね。家にいると、じいちゃんと二人だからけんかばっかりだったけど、ここはみんないるでしょ。けんかできないからいいね。そのかわり、我慢も多いね。今日はお風呂に行くバスが出るんだよ。楽しみだね。

★環境整備(4月28日)
地域包括支援センターからの相談で、B避難所にダンボールベッドを入れたいものの「大きいので幅を取るから回りに迷惑かける」「いままで床の上に寝てたから大丈夫」「ベッドから落ちると怖い」などの理由で積極的な利用はなかった。しかし組み立てを動ける住民の方と取組み、身の回りのものを整理してスペースと導線を確保し、「試してダメなら元に戻しましょう」という声かけをすると、試してみたいという声が次第に出てきた。実際利用して頂くと「本当に楽になった」「これでぐっすり眠れる」と好評だった。本人の意向を尊重することも大切だが、周囲への気兼ねやダンボールベッドの良さが分からないが故に利用を拒むケースもあるので、もう一歩踏み込み、本人のペースでゆっくり働きかけられるおせっかいさが重要だと思う。

★その他、避難所の方々の様子
(80代・女性)
普段杖をついていて、震災後から一度もお風呂にはいっていない。災害支援の看護師がダンボールベッドの利用を進めるも、「家族に聞かなければわからない」とのこと。家族に相談するも、「検討します」という言葉が繰り返されている。ご本人は立ち上がりなどの移動が不便様子なので、引き続き働きかけが必要。

(80代・女性)
日中座りっぱなしのため、足が腫れており褥瘡もできている。しかし、ラジオ体操が聞こえると上半身だけ体を動かし参加するという意欲あり。普段車椅子生活のため、自分で出かけることもなく、排泄時以外はほとんど寝床から動かない。

(今後の予定)
・環境整備/B避難所にまだニーズがあると考え、再び訪問しダンボールベッドを設置する予定
・日中活動/A避難所にて、言語聴覚士の堀田さんに個別の嚥下リハビリ声かけをして頂くと共に、地元ボランティアによるお茶のみサロンを企画中。
・状況把握/保健師・看護師は巡回しているものの、頻繁に巡回することが難しい山間地の小規模避難所を回り、環境改善や日中活動プログラムのニーズを調査する。

 

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