【第17報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(6月1日)

みなさま

平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。

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▼JVOAD:熊本市市民団「熊本地震災害支援説明会」が開催されました
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5月29日(日)、熊本市民活動センター「あいぽーと」にて、熊本地震災害支援説明会が開かれました。「震災から1ヶ月がたち、ようやく自分たち生活も落ち着いてきたので、地元からできる支援を考えたい」という地元NPO・ボランティアの声に応えるべく、「あいぽーと」とJVOAD事務局が協働事業として行いました。当日は24団体もの方々が集り、市や県の担当者も加わりました。

最初に、JVOAD事務局・熊本市担当の松永(RSYスタッフ)からは、「現在の避難所は、最低限の生活環境は整ったものの、自分たちで生活のリズムを整えたり、自主的な活動に積極的に取り組む機会がとても少ない。特に日中は高齢者が多く、生活が不活発になっている人が増えているという印象」という課題提起がありました。

これに対し、既に避難所で活動を始めているNPO法人ソナエトコの水野さん、小町ウィングスの工藤さんより、足湯やサロン、健康体操などの取り組みが紹介されました。お二人からは、「長い避難所生活を元気に乗り切って、次の生活再建のステージに移ってもらうためにも、暮らしの感覚を取り戻したり、みなさんがやりたいことを聞き出して一緒に取り組んでいけるような支援が必要」とのコメントがありました。

その後のワークショップでは、ダンスや傾聴、モノづくり、生活相談、健康づくり、カフェや昼食会など様々な活動が提案され、内容は大きく「集い&ニーズキャッチ系」、「身体を動かす系」、「家事(掃除・洗濯・料理)系」の3つのテーマに分けられました。

一人ひとりに繋がる人の関わりを、避難所にいるうちに増やすことができれば、応急・みなし仮設入居後以降も、継続した見守りや支援に繋がります。RSYでは、このような地元の活動を積極的に下支えしていきます。

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▼御船町:青空市場への支援
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山間部の方々が、新鮮な野菜や調味料などを買うことのできる小さな商店「青空市場」。御船町出身の兄妹で切り盛りするこのお店は、地震後から、地域の方々のために何度も炊き出しを行ってきました。「いつもは販売しているお弁当を、バイキングにして好きなものを好きなだけ食べてほしい。地域の人に元気に笑っていてほしい。」RSYでは、そんな店主さんの想いを応援させて頂いています。

青空市場にカフェスペースを併設し、RSYに支援のお声がけを頂いた、鈴鹿市災害ボランティアネットワークさんの梅干&ぜんざいの提供、LUSHジャパンさんによるハンドマッサージなどを行って頂きました。また、名古屋からのボランティアチームには、会場に来ることができない方々のために、青空市場にの食材を使った移動ミニ炊き出しにご協力頂きました。

店主さんの声かけで、のべ300名の方々がお越しになり、時間の許す限り皆さんとお話しされていかれました。「楽しかった」「おいしかった」「遠くからきてくれてうれしい」などの声が聞かれ、片付け作業の合間の、つかの間の休息になったようです。

<住民の声>
・家の中のものがたくさん倒れてね~。塀も倒れたばってん、家では眠れるからよか。おいしかったよ(80代女性)

・ぜんざい食べながら、もらった梅干しのふたに書かれているメッセージ(鈴鹿の子ども達から)を見たら泣けてきて。隣の友達が写メ取らせてって。みんなに見せたいからって。すぐfacebook載せたみたい。一人一人から心のこもったメッセージ。本当にああいうのありがたい(40代女性)

・さっき梅干しいただいたんですけど、一つ食べたらおいしくて。おばあちゃんに持って行ってあげたいのでもう一ついただけませんか(20代女性)

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▼御船町:車中泊の方々への支援
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御船町にも「子どもが怖がって建物に入れない」「ペットと一緒にいたい」「夜の余震が怖くで家で寝られない」などの理由で避難所には行かず、車中泊をしている方々がいます。地元の町おこし系ボランティア団体『御船しあわせ日和実行委員会』は、そんな方々のためにテント村を作り、自主運営のサポートをしています。

現在テント村がある「ふれあい公園」は、仮設の建設予定地になっているため、町の避難所集約に合わせた日程で、公園横の消防署の隣の敷地にテント村を移動させることになっています。ペット用のプレハブを用意して、ゲージに入れた状態で預かる支援も行っています。代表の藤木さんは、「行政ができないことを民間でフォローしていく」と何度もおっしゃっていました。

一般の避難所より情報や物、支援プログラムが入りにくいこともあり、RSYでは、LUSHジャパンさんに、ハンドマッサージやスキンケアセットの提供して頂きました。また、炊き出しや子どもの遊び場に関する支援も繋げています。御船間町では被害のひどかった高木地区などにも車中泊の方々がいますが、正確な全体像はつかめていません。『御船しあわせ日和実行委員会』の皆さんと連携しながら少しでも支援が届くよう応援していきます。

<住民の声>
・私も被災者だけど大変な人がいるからボランティアでここの運営やってる。LUSH好きで使ってるよ。私にもやってくれるの?いいよ、みんなに声かけてあげて。(40代女性運営ボランティア)

・家に帰ると片づけしなきゃならんもんがここにもあそこにもあって。どれからやったらいいかわからないけん、毎日ここ(テント村)に来てます(20代女性運営ボランティア)

・いい匂いだった。気持ちよかった。孫と一緒にやってもらえていい思い出ができました(70代女性)

・今日はイベント盛りだくさんで。でもみんなが喜んでるの見たらそれでいいかな、って。喜んでくれるのが一番だからね。子どもたちも楽しそうで本当によかった。いい一日だった(40代女性運営ボランティア)

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▼御船町:田代東部地区・南田代地区への支援
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御船町は小さな集落が点在していて、行政からの情報や外部からのボランティア支援が入りにくいエリアがあります。RSYでは御船町災害VCと協力し、集落の区長や民生委員らとの繋がりを持ちつつ、個別訪問しながらニーズキャッチを行っています。区長より、日本災害復興学会車座トーク「今後の生活再建に関するミニ相談会」開催の希望があったため、6月1日に実施しました。(車座トークの詳しい報告は次号で行います)

(南田代地区・住民の話)
・地震後まる4日ぐらい物資も何もゼロ。64歳の民生委員の女性が友人たちに向けてfacebookで助けを求めたところ、日本中からだけでなく、世界各地から物資が届いた。次の被災地でもSNSを活用してほしいとTBSの報道特集の取材にも応じた。集落は70代が中心で60代は若い世代。ほとんどが80代以上の高齢者。高台に家が建っている人も多く、市内や県外の家族や親せきのところに避難した人も多い。次に大きな地震が来た時に、そのお年寄りたちをどこへどうやって避難させたらいいか。避難所もなく、建てることもできない。それが目の前の大きな課題。

・うちは次の余震が来たらたぶん倒れると思う。だいたいの物は取ったんだけど子どもの学習机を出してあげたいなーと思ってて。昨日引き出しを開けたら水が一杯たまってた。水を捨てればなんとか使えるかな~。高2だから新しいの買うのももったいないし。お金もないし。今日は休み。というより休んだ。昨日も片づけしてて疲れちゃって。娘と一緒に行ったんだけど全然手をつけないでぼーっとしてるの。早く片付けてって言ったら、どれを捨てていいのかわからないって。壊れたものを捨てればいいよって言ったら。、何をしたらいいかわかんなくなっちゃったって。明日は学校だし私も仕事だし早くやらなきゃいけないのに、それ聞いたら頭にきちゃって。それで昨日から娘と口聞いてないの。今朝も口聞いてない。昼に帰るはずなのにまだ(夕方)帰ってこない。もう知らない(40代女性)

・風呂場とトイレとブロック塀が壊れたの。2回目の地震で。1回目は何ともなかったんだけど2回目にドドドーって浦の崖に崩れて落ちちゃった。連休に娘と息子たちが来て瓦とブロック塀を運んでくれた。4トントラックで4回も運んだたい。お風呂は町の入浴施設にいってたけど今、華ほたるが無料だからそこにいっとる。トイレはね、使い捨ての携帯トイレを毎回使ってる。トイレも今作ってるからあともう少しのがまん。金がないけんね。左官屋だったから全部自分でしよるよ。(80代男性)

・この辺はね、昔はずーっと家がならんどった。それが今じゃ年寄りばかり。地震で空き家も増えた。町にいる子どものところや県外に避難しとる。高台の家がおおいけんね。うちも本震のあとは古い重いテレビ(ブラウン管)が吹っ飛んで床に落ち取ったたい。あの椅子のひじ掛けの金属にあたってガラスが割れたんじゃろう。でもそのぐらいで済んだ。屋根とクラックが入った壁は、連休に娘が帰ってきて直して帰ってった。あんた名古屋からきたの?うちの娘は今、岡崎にいるとよ。設備会社で働いとる。前に自衛隊におった。(80代女性)

・(屋根のブルーシート張り)全部私がやりましたよ。誰に頼むっていうの。市内で働いていて退職して15年。退職して2年目に母の介護で帰ってきてね。すぐに母が亡くなよったから戻ろうとおもったばってん、部落の人が帰してくれなかった。ハハハ。今は区長やってる。任期は4年たい。ここらの部落はみんな昔っから協力し合ってやってきて結束力もあるけど、選挙の時は割れる。それをまとめるのが大変たい。去年は町議と町長の選挙があったからたいへんだった。参議院とか衆議員とかは全然問題ないよ。(70代女性)

・家はね、前から見るとなんでもないように見えるけどもう住めんと。浦のがけが崩れそうで。荷物ば全部出したと。今はここ(農具を収納していた納屋)を改装してこっちに住んどるとよ。娘が孫ば連れて2年前に帰ってきたばってん地震で家に住めなくなったけん、町さ行った。今は主人と二人。家にはもう住めないし、どこかに土地を買って家を建てるか、町にいくか今考えてるよ。ここは景色がいいじゃろ?ここにテーブル出してお茶出して、カフェばやりたいって思うとるんよ。いいでしょ。(70代女性)

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▼御船町:RSYを通じて多くの方々にご支援を頂いています!
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・岐阜県揖斐川町「小島公民館」さん/子どもたちへのお菓子の提供、うどんの炊き出し
教育委員会職員の方より「見せてもらって職員一同みんな感激したんです。リュックにお菓子が詰めたものとばかり思ってたら、お菓子でできたリュックなんで感激しました。早く子どもたちに配らなきゃって、全部届けてきました。子どもたち、絶対喜ぶと思います。ありがとうございました。」とのコメントを頂きました。

・鈴木さん(臨床検査技師)/避難所にて手洗いチェック、布団干し大作戦、トイレ清掃、子どもの遊び相手など
『布団干し大作戦』:避難所在居の方に「布団干し、手伝います」と職員の方にアナウンスをしてもらい、希望者やおそらく避難してから一度も干していないであろう人に声がけして布団干しを実施。フェンスに並べました。「なんかかゆい気がする」「虫がいるかも」「ぶつぶつができている」などダニの疑いがあるような発言をする方が多く定期的に半強制的に干す手段があったほうがよいのではないかと感じました。

・水上さん(個人ボランティア)/避難所支援、RSYスタッフの活動サポートなど。