【第23報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支援活動について(7月9日)

平成28年度熊本地震・御船町への支援について

いつもお世話になっております。RSY常務理事・浦野です。

熊本地震からもうすぐ3ヶ月が経とうとしています。

7月5日、御船町にRSYの拠点がようやく設置できました。 ボランティアと住民の方々をつなぐ交流・憩いの場となるよう、願いを込めて、鋭意環境整備中です。

さて、御船町は、避難所の統合がひと段落し、応急・みなし仮設住宅への引越しが徐々に進んでいます。応急仮設住宅は、「狭い、暑い、隣の音が聞こえる、段差が多い」という相変わらずの不具合はあるものの、「元の集落に戻れた、周囲は知っている人ばかりなので安心」とホッとした表情を見せる方もいます。

中には「早く近所のみんなで集って仲良くなりたい」と新しい仲間作りに意欲を見せる方もいます。 一方、半壊・一部損壊した家屋で避難生活を送っている在宅避難者は、度重なる雨への不安を募らせています。町では先日の集中豪雨で5件が全壊し、床上・床下浸水も多数発生しました。現地スタッフの中西からは、「地震でぎりぎりもった家がもう住めない」と涙をこぼすお年寄りにかける言葉もなく、一緒に泣く事しかできなかったと報告が寄せられました。

また、山間部の集落で行っているお茶のみの席では、2回の揺れの激しさ、宅地被害、食器類が沢山割れたのに買いに行く暇もないという話を聞きました。被災者生活再建支援法は、宅地被害は適応外のため、どうしようもありません。農地被害も深刻で、水が枯れた、亀裂が入ったという理由で、今年の作付けを諦めた農業者も多数います。このような不安や憤りを聞いてくれる人もいない辛さを切々と語っていました。

さらに、子どもやお年寄りからは、「夏祭りやグランドゴルフなど地域行事ができず寂しい」という声も上がっています。

このように、被災された方々の生活は、時間の経過と共にどんどん変化しています。小さな声にこそ耳を傾けながら、一つでも不安を取り除くお手伝いができれば思います。これまでもRSYを介して、多くのボランティアが御船町を訪れました。先日、ある住民の方からお手紙が届きました。復興への歩みを進める過程で生まれたボランティアとの出会いは、大きな励みとなっているようです。

(御船町・Sさんからのお手紙)

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今なお続く余震に多くの方々が生活拠点を失い、恐怖に怯える毎日ですが、私も避難所生活に区切りをつけ出ることができました。大きな揺れに自らの生命すら危機感を感じ、野宿、避難所とこのような経験から、今後はできることの一つから進んでいければと思っています。心に大きな傷はあれど、被災で繋がる心の絆、被災で受けた温かい想いは一生の宝です。皆さんとの出会いを大事にしてこれからの生活を頑張ります。

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▼御船町での今後の活動予定(9月頃まで)

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【応急・みなし仮設住宅への支援】 町内18箇所(今後も増える可能性あり)、最終的に340世帯が入居予定。うち6箇所に談話室、1箇所に集会場を建設中。みなし仮設住宅には約100世帯が入居予定。

★集会場・談話室の環境整備 みんなで集い、町内外の人たちとの交流や手仕事ができる環境をなるべく早く整えるために、机や椅子、電化製品、お茶のみ道具、お裁縫・大工道具などを提供します。

★棚の取り付け 応急仮設住宅での収納の狭さを少しでも緩和するために、希望者に棚の取り付けのお手伝いを計画中です。DIYが得意な住民や地元ボランティアと一緒に取り組めるよう調整しています。

★あったか味噌汁プロジェクト これまでにあつまったお椀とお箸は約550セット。新聞やラジオでも紹介してもらったこともあり、毎日のように郵送や直接名古屋事務所まで届けて下さる方がいます。「少しでもお役に立てたら・・・」と、約50名がこのプロジェクトに参加しました。目標の1500セットまでもうひと頑張り。皆さんの想いをのせたお椀とお箸は、入居が決まった方から順番に手渡ししています。集会場・談話室が完成したら、『あったか味噌汁昼食会』も企画予定です。

 

【被災地域全体に向けた支援】

★足湯、サロン交流活動 RSYみふね事務所、避難所、仮設住宅集会場・談話室、山間部集落の公民館などで交流を深め、みなさんの心の声に耳を傾けます。

★移動陶器市&カフェ RSYとつながりのある陶磁器協会や個人・団体の方から湯のみやお皿などの食器を募ります。被害がひどかった地域を巡回しながら、陶器をバザー形式で提供します。自分で選ぶ楽しみやお買い物をする爽快感を味わって、気分転換してもらえたらと思います。市にはカフェも併設して、みなさんがゆっくり休んだり語り合える場をつくります。売り上げは地元社協に全額寄付し、地域のサロン活動などに使って頂きます。

★生活再建に向けた相談会 過去の災害では、応急危険度判定だけで判断し、修繕できる家を解体してしまったという事例が数多くありました。宅地・農地再生も含め、家族の思い出が一杯つまった家を出来る限り残せるよう、専門家による相談会を開きます。住民の方々が立ち止まってゆっくり考えたり、適切なアドバイスが受けられる機会をつくります。

★ボランティアバスの運行(地域行事支援) 住民の方々から地域の歴史や文化を教えてもらい、御船町の良さに触れるバスツアーを企画します。お礼に、災害で軒並み中止となっている地域行事をボランティアが手伝い、夏休みの楽しい思い出づくりを盛り上げます。

その他、活動を希望する個人・団体の方々の受け入れや、住民の方が気楽に立ち寄れる居場所づくりなども進めます。今後も引き続き、町、社会福祉協議会、地元住民・ボランティアらと一緒に活動したいと思います。応援の程、よろしくお願いします。

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▼あったか味噌汁プロジェクト・募集期間延長(7月末まで)

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目標の1500セットを目指して、お椀とお箸の募集期間を延長します。 活動を通じて被災地に想いを馳せることが、世間の風化防止につながります。 お椀、お箸のどちらか一つでも大歓迎です。ぜひともご協力ください。

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▼活動支援金募集

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<クレジットカード決済> URLよりお願いいたします。 https://kessai.canpan.info/org/rsy/donation/ 「都度寄付」よりお申し込み下さい。 ※団体へのメッセージ欄に「活動寄付」とご記入ください。

<銀行振込> 三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681 特定非営利活動法人レスキューストックヤード ※「カツドウキフ ぼうさいたろう」とご入力ください。

<郵便振替> 00800-3-126026 特定非営利活動法人レスキューストックヤード ※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。