海外研修終了のご報告

皆様
浦野です。
この度、東北関東大地震の救援活動のため、3月14日(月)夜に帰国致しました。
被害の甚大さから救援活動の緊急性が高く、復興にも長い時間を要すると考え、研修を完全に終了することに致しました。
ワシントンDCでの5カ月半の経験は何一つ無駄なものはなく、今後の人生の大きな支えになることと確信しています。
また、ここでの学びは今後少しずつRSYに還元していきたいと思っております。
とにかく、このような貴重な時間を与えて下さった関係者のみなさんに心から感謝致します。
まとめの報告は、状況が落ち着き次第作成する予定です。
初動対応のあわただしさから、報告が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。

平日の風景

先週木曜日の夜。
スタート時間に集まってきたボランティアは10人前後でしたが、最終的には16人~17人まで増えました。顔ぶれの多くは、学生サークルか教会関係者。ウィークデイの朝を考えると半分の人数です。平日の夜だけあって、皆さん学校や会社を終えてからの活動のためか、人もまばらで比較的静かな雰囲気で作業が進みます。
weekdaynight.JPG
そういえばスタッフが先週、「月曜日のモーニングタイムのボランティアがたった3人しかいない!困った!」と頭を抱えていましたが、「結局人は集まった?」と聞いたところ、最終的に30人程度確保できたとのこと。おそらくこの団体に一人だけ置かれているボランティアコーディネーターが必死に集めたのだろうと思います。ずっと心配だっただけに、私もホッと一安心しました。
これまで沢山のボランティアさんと話をしましたが、「初めてきた」という人が3分の2、3分の1がリピーターという状況でした。継続して来てくれるボランティアを維持するのはこの団体でも難しいようです。
しかし、ドームや学校の知り合いにこの団体の事を話すと、大抵「一度行ってみたい!」と興味を示してくれます。今日は寮の調理のおばさんと話をしていたところ、「今度行きたいので団体の情報が欲しい」と言われ、早速パンフレットを渡しました。人集めについては、常々何かしら力になりたいと思っていたので、まずは近いうちに、語学学校で『セントラルキッチンボランティアツアー』でも企画してみようかな、と目論んでおります。
さて、今日はちょっと長めの脱線を。
前回のブログに、2月中旬にニューヨークへ2泊3日の一人旅に行ったことを、チラッと書きましたが、その時の写真を数枚アップします。DCからニューヨークまではバスで5時間~5時間半。乗り心地も快適で超リーズナブルな高速バスが走っており、平日であれば往復25ドル程度で行くことができます。
NYC.JPG
1日目の夜は、世界で4本の指に入ると言われる程格式高い、『メトロポリタン・オペラハウス』で行われた、アンドレア・ボチェッリのコンサートに行ってきました。彼は世界的に有名なテノール歌手で、「神の歌声」とも称される美しい声の持ち主です。疲れた心をそっと包み込み、優しく抱きしめてくれるような歌声です。私も辛い時期にかなり救われました。
2日目の午前中は、ニューヨークで一番ステンドグラスが美しいと言われる『リバーサイド教会』に行きました。行った時間が早かったせいかほとんど人もおらず、美しいステンドグラスの下で、とてもすがすがしい時間を過ごしました。そして夜は、オフ・ブロードウェイで大人気の『ブルーマン』のパフォーマンス鑑賞。運よく最前列のど真ん中のシートが確保でき、1時間半のショーを楽しみました。折しもこの日はバレンタインデー。一人で来ているお客は私くらいで、若干の寂しさを感じましたが、最後にブルーマンと一緒に写真を撮ることができて、それもどこかへ吹っ飛びました。
NY charch^3.JPG
blue man.JPG
最終日は、『メトロポリタン・アート・ミュージアム』でゴッホとシャガールの絵を堪能し、そのまま無事に家路につきました。ニューヨークでは地下鉄やタクシーも乗りこなし、予定していたことは全て実現できたこともあり、久しぶりに充実感で一杯でした。以前、中国四川大地震支援のために、成都の空港に行くだけでおっかなびっくりだった情けない状況と比べれば、少しはここへ来て度胸がついたのかも知れません。
残り4カ月。
与えられた1日1日を大切にしながら、引き続き次の新しいチャレンジに向けて頑張っていきたいと思います。

新燃岳噴火災害から1カ月

ここ2週間ほどブログの更新が滞ってしまいました。
いくつか理由があるのですが、かいつまんで説明すると、先週2泊3日でニューヨークに一人旅に出て、今週はその疲れが出たのか、またまた大風邪を引いてしまいしばらく休んでおりました。昨日あたりから体調が戻り、ようやくブログが更新できました。
その間、ニュージーランドでM6.3の大地震が発生し、日本人留学生も被害に巻き込まれていることをニュースで知りました。ご家族の心情を考えると、本当に胸が痛みます。一日も早い救出を祈るばかりです。
国内でも新燃岳噴火災害救援活動が継続されています。
しかし残念なことに、日本図書館で各種新聞を確認した限りでは、既にこの話題は全く報じられていませんでした。それだけに、現地で活動しているスタッフからほぼ毎日送られてくるレポートの存在価値を改めて感じます。あのレポートは、今や被災者の生の声を社会に届ける唯一の資源と言っても大げさではないと思います。その役割を自覚しながら、現地で頑張っているボランティア・スタッフの皆さん、またさらにそれを外からサポートしている皆さんに心から敬意を表したいと思います。
発災から一カ月。
現在、被災された方々も、少しずつ日常生活に戻るためのこまごまとした作業に目が向き始めているようです。しかし、同時に体や心の疲れもピークに達しており、足湯ボランティアの皆さんの活動が現地で非常に喜ばれていることが分かります。足湯ボランティアのネットワークも次第に広がり、学生を中心にした多くのボランティアが現地を訪れ、被災された方々の心身を支えています。
しかし、一方で、仕事の再開や被災した自宅での高齢者の介護問題など、日常に戻ろうとするが故の新たな課題にも直面しているようです。過去の災害での経験智がここでも活かされることが期待されています。
いつもブログを読んで頂いている皆さまも、どうか周囲の方々に現地レポートを読んでもらって下さい。そして、引き続き息の長いご支援をよろしくお願い致します。
※新燃岳噴火災害緊急救援活動の最新ブログ記事はこちら
http://www.rsy-nagoya.com/rsy/blog/2011/
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
郵便振替00920-7-75997「震災がつなぐ全国ネットワーク」
通信欄に「新燃岳噴火災害」とご記入ください。

人の輪+α

今日は報告の前に一言。
新燃岳の噴火支援のため、震つなを中心にRSYスタッフも現地入りしました。
ブログにも随時アップされていますが、現地からの報告を読むと、火山の脅威と火山灰の扱いずらさ、そして高齢者や障がい者への打撃の大きさを実感します。
先の見えない不安感や蓄積されていく心身の疲労を少しずつでも取り除くべく、避難所での足湯や丁寧なニーズの掘り起こしなどの必要性も訴えられています。これに向けては既に雲仙普賢岳、有珠山、三宅島などの噴火災害での経験や知恵を活かしつつ、地元の人々と共に準備を進めています。長期化するであろうこの被災地復興のために、ぜひ皆さまのご支援をよろしくお願い致します。
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
郵便振替00920-7-75997「震災がつなぐ全国ネットワーク」
通信欄に「新燃岳噴火災害」とご記入ください。
さて、今日(月曜日)のセントラルキッチンは賑やかでした。
いつも月曜日は閑散としているのですが、総勢40名近くのボランティアさんが大集合。逆に人が多すぎて調整しきれず、一時的にダブついてしまいました。先週、先々週の月曜日の記録を見ると、参加者はいずれも10人前後で人手不足。日によって集まりに差が生じてしまうというのは、なかなか解決しにくい課題のようです。
今日は寮の友達のそのまた知り合いも合流して、日本人チーム3人で参加しました。「姉妹か?家族か?」と色んな人に言われましたが、背丈も薄い顔(欧米人と比べれば)も共通しているので、無理も無いかもしれません。
友達二人はひたすら解凍された鶏肉を水で洗い、プレートに並べる作業。
私は芽キャベツを大なべで茹でる作業。
途中から鶏肉を手伝いましたが、肉もまとまると重いので結構力がいります。
しかし、手際の良さはどこのチームよりダントツで、予定時間前に全ての作業が終了しました。「時間を無駄に使わないように段取りを考えて、手際よく作業を進める」という考え方は、アジア人(主に日本人?)の特性のようです。
dc 0207-1.JPG
dc 0207-2.JPG
今日のブレークタイムでは、2種類のカレーとデザートにケーキが振る舞われました。カレーはキッチンのスタッフが作ってくれたものですが、どれも超デリシャス!夕飯代りにしっかり頂きました。作業を終えた後なので充実感もひとしおです。
dc 0207-3.JPG
RSYでも2カ月に1回の「おしゃべり食堂」が定着してきましたが、いらっしゃった方々が「人の輪が広がったな」という喜びにプラスして、「何かの役に立てて嬉しかったな」という充実感も持ち帰って頂けるような、もうひと仕掛けが必要かなと感じました。
帰り際、今日初参加のCさんが「よかった~、楽しかった。また来たいわ」と笑顔で言って下さったことが、我がことのように嬉しく思いました。この団体は、初めて来た人に、こういう言葉を言わせる魅力をしっかりと持っているんですよね~。ここにこそ一番の学ぶべきポイントがあるように感じます。

1週間を振り返る

先週は1週間セントラルキッチンに通い詰めようと張り切っていましたが、何度か肩すかしに合い、結局実際活動できたのは、土・日・月・木、そして今日、日曜日となりました。
肩すかしというのは火曜日と水曜日の活動について。いつも通り学校が終わった後、午後5時にオフィスに出向くも、しーんと静かで厨房も真っ暗。不安に思いながら通りかかったスタッフに「今日ボランティアに来たんだけど・・・」と言うと「火曜と水曜は朝しか活動がないんだよ。夜はみんな休みになるんだ。残念。」と一言。
おそらく前日にスタッフの方がちゃんと説明してくれていたとは思うのですが、私が十分にそれを聞きとることができずに間違ってしまったようです。しかし、この2日間の朝は夜の分も含めて調理するということになると思うので、相当な修羅場なんだろうなぁと想像しました。「とにかくこの日は人が欲しい」といっていた理由もそこにあったのですね。。。学校さえなければ手伝いに行くのに・・・と少し悔しい気持がしました。
さらに土曜日は肩すかしパート2。いつものように朝9時にオフィスに行き、厨房にに入るとフレディさんが「ごめん、今日は一般のボランティアは受け付けない日なんだ」と申し訳なさそうな表情をしています。他のボランティアさんはほとんど事前に登録してから来ているのに対し、私はその過程を踏んでないので知らなかったのは私だけだったよう。
月に1回程度、特定の団体のみを受け入れる日を設けているようで、こんな特別待遇もあるんだなと興味深く思いました。その団体から大規模に寄付か何かを受けているのかもしれません。肩すかしには合いましたが、実際に行かなければ分からなかった部分もいくつかあったので、かえって得した気分です。
そして今日、日曜日のボランティアは31名。1つの団体が全体の3分の2を占めていました。その団体は、web上でボランティアと市民団体の中間支援を行っており、ボランティアとしてメンバー登録すると、自分が希望する活動日・活動先を調整し、当日行けるよう段取りを取ってくれるそう。ボランティア間の交流会なども企画しているそうで、ボランティアをやってみたい人にとってみれば、非常に便利で使いやすい仕組みになっています。
日本の身近な団体には、様々な団体のボランティア募集をwebやフリーペーパーに掲載するということはやっていても、その団体がコーディネートまでサポートするというスタイルを持っているところはありそうでないような気がします。
ここでは、カレンダーの日付をクリックすると、活動先や活動内容がパッと現れ、そこから申し込みフォーマットに移動できる仕組みになっているようです。RSYの場合、ボランティア募集のメインはブログかメーリングリストですが、一度読み逃してしまうと情報に戻りにくいという課題を感じてました。でも、この方法ならボランティアカレンダーを作って、HP上にずっと置いておけるので効果的だろうと思います。
また、この間キッチンに一緒に行った友達が、さらに別の友達を誘ってまた行きたいと言ってきました。キッチンでは、出会ったボランティア同士が「どうやってこの団体を知ったの?」と互いによく質問し合うのですが、トップは「口コミ」、次に「所属している会社、ボランティアグループからの紹介」、その他には宣伝やwebを見て、、、というパターン。
口コミで広がるというのは、当然ですが満足度が高いからということになります。その要因としては、スタッフの人柄の良さ、やるべき仕事が明確であること、ホスピタリティの充実(ブレークタイムにコーヒーやケーキが無料で食べられる)、ボランティアの意見をフィードバックする仕組みがある(活動の最後に必ずアンケートを書いてもらうようにしている)、、ということが関係していると感じました。
そういえばRSYでは、ボランティアさんの声をフィードバックする仕組みは十分に無いよなぁと反省。こんな風に少しずつですが、団体の実態を理解するにつれ、RSYと比較できることも増えてきました。
さて、今日はちょっといいことがありました。
あるボランティアさんと話をしていたところ、「私、仕事の関係で、シアターのチケットを無料で手入れられるから、あなたにもあげるわ。DCライフを存分に楽しんでね!」と、親切な言葉かけを頂いたのです。かねてからコンサートやミュージカルは行きたいと思っていただけにとってもラッキー。ぜひ!とアドレスを交換しました。来週は休みを取ってNYに一人旅に行ってきます。せっかくなので、ここでなければできないことにも、沢山挑戦していきたいと思います。
また、上記の内容とは全然関係ありませんが、今日の一枚は語学学校での授業風景。
一応、学校にもちゃんと通っています。
jon.JPG

平日の人手不足

月曜日。今日は友達が一緒に行けなくなったので、一人でセントラルキッチンへ。今日のボランティアは10名で、厨房の中も閑散としていました。この人数は私が参加した中では最小です。
翌朝の朝食の準備をするわけですが、人手はギリギリでした。
フロアリーダーのボーさんに「1日に必要なボランティア数は?」と尋ねると「だいたい25人ぐらい。でも特に平日はそれだけの人はなかなか集まらないんだよ。」と溜息混じりに、ボランティア参加リストを見せてくれました。
1日ごとに事前申し込みのあったボランティア数が記録されており、1週間分のリストになっています。ちなみに今日の申し込み予定者は18人と書かれていました。
「来る予定になってても、天候が悪かったり、用事などで急に来れない人もいる。しょうがないとは分かってるけど、そういう時が一番困る」とのこと。
セントラルキッチンのボランティアコーディネーターは一人。おそらく事前申し込みの人数が少ない場合には、まとまった数で動けるグループに声をかけるなどして調整しているのだと思いますが、それにも限界があるようです。しかも、ふたを開けてみたら当日来た人が少なかった・・・という状況になると、手の打ちようもありません。いる人で何とか頑張るしかない、というのが実態のようです。
被災現場のボランティアセンターの課題と重なるなぁと思いつつ、しかしこのケースは平常時かつ365日繰り返されるものなので、一定の期間だけ乗り切ればいいというわけにはいきません。
しかも、毎週火・水はメインのスタッフはみんな休みになるそうで、ボーさんもしきりに人手不足や作業が上手く回るかを心配していました。
コンスタントに人手は確保できていると思いきや、こんなに大きな課題を抱えていたのですね。土曜日だけの活動では見えてこなかったことです。そんなわけで、今週はより様々な角度からキッチンを見てみたいと思い、1週間連続で通ってみることにしました。
さて、今日の写真はスタッフの方から特別にプレゼントして頂いた、dcセントラルキッチンのオリジナル長袖Tシャツ。ずっと欲しいと思っていたのでとても嬉しいです。とにかくデザインがかっこいいですよね。商品は他にもキャップ、トレーナー、Tシャツなど色々あり、大事な収入源の一つになってるそうです。ボランティアルームに展示していていつでも買えるし、ホームページからネット販売もしています。
kitchen 2011-2-1.JPG
kitchen-goods.JPG

毎日4,500食

今日もセントラルキッチンへ。
さすがに常連になってきたので、到着するなり「愛、厨房行って~」と、すぐに移動指示が出るようになりました。
昨日から、スープ系を作るセクションのサポートに入っているのですが、ここがまた忙しいところで、切る・煮る・よそうの手間暇のかかる作業が中心。しかも煮物は時間がかかるので、その分切る作業もスピードアップしなければならず、スタッフから「早く、早く~」とせかされ続けていました。
今日のメニューは『コーンチャウダー』。
とにかく全てを効率よく動かすために、目配りや気配りは非常に重要で、常に一歩先を見ながら準備を進めていくことが求められます。担当のスタッフは作業の指示と調理の両方をやらなければならず、てんやわんや。私が上手く指示を聞き取れない時には、顔をおもいっきり近づけて、つばを飛ばしながらも必死に説明してくれます。
そんな状態なので私も早く段取りを覚えようと必死です。合間にボランティアさんと雑談しながらも、手は決して休めないを心がけながら、間10分のブレイクタイムを挟み、4時間半の作業が終わりました。
正直なところ、野菜の皮むきやカッティングは、機械を導入すれば何十分の1かのスピードで、確実に処理することができるだろうと思います。セントラルキッチン程知名度が高く、財政規模の大きな団体であれば、機械導入はさほど難しくないようにも思えます。
また前回も書きましたが、天候不順や何かのハプニングがあって、ボランティアが思うように確保されない時のリスクも常に抱えています。
それでも、このスタイルにこだわる理由は何なのか?今のところ私が参加した中では、
・人(スタッフ)と人(ボランティア)とが接することで生まれる喜びややりがい、生きがいを見出せる環境を意識的に創ること。→スタッフと社会の接点づくり。
・ボランティア初心者であっても、私にもできる、「役に立った」という手ごたえを得やすい活動内容の敷居の低さ。→継続的な支援への期待。
などが考えられます。確かに、キッチンでの活動を体験したボランティアの多くが「とても面白かった。社会的にも意義の高い活動だと思う」という感想を持っています。(浦野単独リサーチ)
ただ、少し気になるのは実際に食事を受け取る人たちの顔が、厨房の中では非常に見えにくいこと。おそらく多くの人たちは作業に没頭しがちで、4,500人のホームレスや子どもたちなどの手に渡るんだなぁと、おぼろげながらは感じていても、直接会うことはないので、具体的な顔は当然見えず、生活背景の実態もよくわからないままなのではないだろうかと思います。今の私のように。
また、そこに想いをめぐらすような仕掛けにも、活動の中では今のところ出会っていません。メインの活動が「ホームレスの就業支援」という理由も大きいのかも知れませんが。
しかし、それでもこれだけのお金・人・物が常に流動し、確保できているということは、まだまだ私の目にはほんの一部の動きしか見えていないということなのだと思います。
今日の写真は活動後の1枚。前髪が全開で4時間半の奮闘ぶりがうかがえるでしょうか?今日私がサポートについた気のいい男、スタッフのフレディさんと中国人のボランティアさんと共に。彼の「Are you worker?」の発音が全然聞き取れなくて、お互いに大声で何度も何度も聞き直しました。でも、ネイティブの人に「What did he say?」と聞いても「I didn’t know」という返事だったから、彼の英語もかなり独特なのだと思います・笑
kitchen 2011-1-30.JPG

初めてのnight time

今週は月曜日にかねてから行きたいと思っていた、セントラルキッチンの平日ナイトタイムでの活動に参加しました。以前も書きましたが、この団体の活動時間は9:00~12:00までの朝の部と17:00~19:30(サマータイムは20:00)までの夜の部の2部構成です。
今まで夜の部は、帰り際の危険を恐れて断念していましたが、今回は友達も一緒ということで参加してきました。
平日の夜はさすがに土日のような賑わいはありません。参加していたグループは私たちの他に大学院のサークル、ファミリー1組の12人~13人ぐらい。しかも今週は週の半ばに結構な量の雪が降ったので、さらにボランティアの集まりは悪かっただろうと推測できました。
ちなみにDCでは、行政が閉まると全ての機関が止まるシステム。例えばバスやメトロは動かなくなるし、学校や会社もclose。昨年の大雪では4日間も行政がcloseになったとのことで、いったいその状況に対し、セントラルキッチンはどう対応したのかと新たな疑問が生まれました。
そこで今日(土曜日)、スタッフの方に「もし行政がしまったら、ここの活動もストップするんですか?」と聞いたところ「それはないよ。ここは365日毎日動き続けてるんだから。天気が悪い時ほどボランティアが必要になるんだよ。だから愛もたとえ腰まで雪が積もっても来てくれよ!」と笑いながら言っていました。
でも冗談でも何でもなくかなり深刻な問題だと内心思いました。作業の多くをボランティアの手に頼っている中、天気が悪くて人が集まらなかったからと言って、食事を待つ4,500人に「今日はご飯なし!」とは言えませんよね。おそらく今までに何度も綱渡りで乗り切ってきた時もあっただろうと思います。
しかし、そんな時のためにきっと手は打ってあると思うのですが、このあたり、ぜひ明日にでも確認してみたいと思います。
さて、今日の写真は「リンゴと向き合うわたし」。サラダ用のリンゴの下ごしらえのため、芯を抜いてピーラーでひたすら皮を剥くという作業。どう考えても包丁の方が早く剥けるよなぁと考えつつも『郷に入っては郷に従え』。マイケルジャクソンの歌に合わせて調子よく剥いています。まぁ、あまり意味の無い写真ですが、自分が作業している写真は日本にいてもなかなか撮れないので記念に。。。。
kitchen-apple.JPG

16年目のKOBEに想いを馳せて

今週は月曜日がキング牧師の誕生日の振替休日ということで、でめずらしく語学学校が休校でした。ちょうど震災から16年目を迎えた日である1月17日を挟んだ土曜日から月曜日までが3連休。
かねてから、セントラルキッチンでの活動日を増やしたいと考えていたため、土日はキッチンで過ごし、その後、1.17への追悼セレモニーとして、DC内にある大聖堂へ足を運びました。
キッチンへはほぼ毎週通っていることもあり、だいぶ要領がつかめてきて、少しずつ周りが見えるようになってきました。特に土・日は人が多く、キッチンのスタッフもてんやわんやです。十分に目が届かず、人が手持ち無沙汰になっていたり、食材が足りず作業が滞っていたりする時もあるので、そんな時にもだんだんとサポートできるようになってきました。
また、毎回新しいボランティアさんと知り合うことができるので、スピーキング&ヒヤリングの練習にはもってこい。学校にいるよりよっぽど効果的です。隣同士になった人とは自然に会話が始まります。・・・と言っても、いかに簡単なショートセンテンスを繰り返しながら会話を膨らませるか・・・ということに毎回必死なのですが。
volunteer2.JPG
いつもどうしてこんなにコンスタントに人が集まるのか不思議に思っていたのですが、よくよく聞くと、テレビでボランティア募集の宣伝をしているとのこと。先日会ったボランティアさんはそれを見て来たのだと言っていました。日本では特定の市民団体が独自にCMを使うなんて、まず見聞きしたことがないので驚きでした。
さて、日本時間1月17日午前5時46分(現地時間16日午後3時46分)、私はDCで最も有名な協会の一つであるWashington National Cathedral(ワシントン国際大聖堂)で祈りをささげていました。
この教会は、宗派の枠を超え、誰もを受けいれることを目的として建立されており、仏教徒の私も気がねなく入ることができました。皆さんよくご存じのヘレン・ケラーやサリバン先生もここで眠っています。
特にこの教会のステンドグラスは素晴らしく、一度訪れてみたい場所の1つでした。
daiseido1.JPG
daiseido2.JPG
daiseido3.JPG
私が祈りをささげていたまさしくこの時間は、讃美歌のミニコンサートとちょうど重なり、美しい声に耳を傾けながら、被災者の方、そして同じ気持ちで過ごしているであろう仲間の姿を思い浮かべていました。
被災された方々は、自然の力によってある日突、然被災者という枠をあてはめられました。しかしその枠にただ嘆くばかりではなく、その枠の中でこの先どう生きていけばいいのかを必死で考え、精いっぱい行動し続けていらっしゃいます。逃げたくても逃げられない現実と向き合い続け、様々なことに皆さんなりに折り合いを着けながら、お一人おひとりがベストを尽くしてこられたのであろうと思います。そう考えると、今あるお一人お一人の生が、いかに尊いものかを感じます。
そして、その一旦を支え続けたのは、まぎれもなく「人」であったのだということもまた、尊い事実なのであるとも思います。
あれから16年。
震災を直接知らない人たちの心に、被災された人たちの想い、それと共に歩んできた人たちの想いをどうしたら響かせることができるかという課題を強く感じています。震災後の孤独死681人という数字はとても重いものです。孤独と貧困がその背景にあるという記事がありました。形式的ではなく、どうしたらこの事実が人々の心そのものに響くのか。そして次の行動に繋げることができるのか。16年間、沢山の人たちの心に触れてきたからこその、私なりの伝え方があると思うのです。この課題を背負う一人として、これからも仲間と共に考え続け、行動し続けていきたいと思います。

遅くなりましたが・・・

新年、あけましておめでとうございます。
最近パソコンの調子があまり思わしくなく、更新がしばらく滞ってしまいましたが、ようやく問題が解決し、再開できました。
このブログを楽しみに待っていて下さる方もいらっしゃると代表から聞き、とても嬉しく思っております。
引き続きDCでの様子をアップしていきますので、ご愛読の程、よろしくお願い致します。
追伸
クリスマスとお正月はメリーランドの友人宅で過ごしました。
写真は、クリスマスの時期に降った雪で、子どもたちと一緒に作った雪だるま。
雪だるまを作るなんて実に25年ぶりでしたが、思わず童心に返るほど楽しい思い出となりました。
snow man.JPG