東北地方太平洋沖地震について【第10報】

みなさま
13日より現地入りしているスタッフ・関口からの現地レポートをお伝えします。
なお、関口は20日に名古屋に戻りました。
◇3月19日(土)
 【七ヶ浜町】
 5日前に訪れた七ヶ浜町に再び足を運んだ。
社会福祉協議会の事務所には「七ヶ浜町災害ボランティアセンター」の看板。
屋内の一室にはすでに若いボランティアたちが十人ほど詰めて、受付表や張り紙
づくりなどに励んでいた。
 職員によると、これまでセンターに登録したボランティアは延べ91人。ほとん
どが地元の町民だ。
 センター開設を公表して以来、電話が通じていなかったこともあり、町外から
は東京からの問い合わせを1件受けただけ。まだニーズが定まっていないとして
待機をお願いしたという。
 施設周辺の電気は復旧、携帯電話もつながるようになった。 
 社協職員は実質3人。人手は圧倒的に足りないが、四国・中国地方の社協から
応援要員が1人は常駐する見通しとなった。
 
 差し迫っていた物資や食料の不足もかなり解消されていた。物資は町中心部に
ある屋内ゲートボール場(スパーク七ヶ浜)に集められ、町民ボランティアが仕
分けをしていた。
 米や水、カップ麺から毛布、オムツ、医薬品まで、かなりの数量。箱の大きさ
はまちまちなものもあるが、ボランティアの人数からみて仕分けられない量では
なさそうだ。
 物資の保管スペースの裏手には、長机やイス、ベンチが並べられていた。手狭
な社協の事務所にかわって正式に開設するボランティアセンターなのだという。
 今後は避難所支援はもちろん、家の片付けなどのニーズが見込まれる。
 七ヶ浜は海岸部の集落が壊滅的な被害を受けたが、高台の団地はほとんどの家
屋が残っている。散乱した物を片付ける地震対応と、床下、床上浸水した家屋の
畳の処理など、水害時と同じ対応が同時並行する大変な作業になりそうだ。
それでも、津波で押し流された車をよけながら家屋の片付けが始まった
近隣の多賀城市などよりは、一般ボランティアにとって危険性は少ないように見
える。
 避難所は町内13カ所に1,827人。
 電気の復旧にともない家に帰った町民もいるが、ガソリン不足で食料の買い出
しに行けず、再び避難所に戻ってくるケースも多い。
 約300人が身を寄せる中央公民館では食事は1日2食。
 ただし食材は十分にあるため、1食分は自分たちで炊き出しするよう促している。
 トイレ掃除なども自主的に行う避難者が出始め、仮設トイレはかなり清潔に保
たれていた。
 問題はやはり燃料難。お湯を沸かすだけの燃料がないため、いまだに風呂に入
ることができない。
 「足湯をすれば喜ばれることは間違いないでしょう」と社協職員は断言した。
 被災者の心身の疲れは限界に近づいてきている。
「安否不明者の中には遠くの親戚の家などに身を寄せているのかもしれないが、
車も出せず電話も通じなければ探しようがない。避難所間で名簿を照らし合わせ
ることもできていない。とにかく情報がない。われわれの頭もパニックになって
いる」
 被害が集中した松ケ浜地区の区長は目を伏せ、消え入るような声で話した。
 返す言葉が見つからなかった。
 この広大な被災地に、1週間あまりで回ることのできた現場はごくわずかで
す。差し迫った窮状を目の当たりにしながら、何もできないまま引き揚げ、その後の状
況がわからない被災地もあります。心苦しい思いはありますが、いったん名古屋
に戻ってこれまでの活動をご報告し、われわれに何ができるか、皆さんと一緒に
考えたいと思います。
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