2009 年台風 9 号水害(兵庫県佐用町)【第 10 報】

皆様
 お世話になります。
 台風9号の被害を受けた兵庫県佐用町で活動中の事務局スタッフ・柚原より昨
日の活動内容が届きましたのでご報告します。
 また先日ご案内をしておりました佐用への陶器梱包・発送作業が、先ほど終了
しました。作業の様子については
 http://www.rsy-nagoya.com/rsy/blog/2009/09/post-139.html
 にて紹介しておりますので、ご覧ください。
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2009年 9月14日(土) 曇り
今日は一日、被災地NGO恊働センターのAさんと一緒に活動
【時間】 9:30~10:00
【場所】 笹ケ丘ドーム「笹ケ丘荘の隣」
【内容】 救援物資の見学
【時間】 10:00~11:00
【場所】 中上月辺り
【内容】 被災された住宅を見学
【時間】 11:30~12:00
【場所】 きらめき復興支援センター
【内容】 ご挨拶とセンターの状況把握
【時間】 12:30~13:00
【場所】 道の駅「宿場町ひらふく」のB店
【内容】 兵庫県生活研究グルー連絡協議会のCさんのお店訪問
【時間】 14:00~15:00
【場所】 久崎集会所
【内容】 床に入れた竹炭を見学
【時間】 15:30~16:00
【場所】 久崎小学校
【内容】 ご挨拶と状況把握
【時間】 17:00~18:00
【場所】 笹ケ丘荘
【内容】 竹炭と木炭を作る窯の見学
【救援物資の見学】
・自動車・タンス・食器棚・畳や、冷蔵庫・扇風機・テレビなどの電化製品な
ど、大きいものから小さいも合わせて、約300個置いてある
・置いてあるもののほとんどが中古
▼救援物資の申込と抽選会の流れ
 ・申込対象者-床上浸水以上の方 
 ・希望物資は1世帯当たり3品まで
 ・食器・雑貨類などの小物は自由にお持ち帰り
 ・申込兼抽選券に記入し、15日13時30分より抽選会。当選者へは電話連絡
 ・16日から引き渡し
 
【きらめき復興支援センター訪問】
・9月1日から「佐用町災害ボランティアセンター」から「きらめき復興支援セン
ター」となった
・事前に登録をし、ニーズに合わせてセンターから活動日、活動内容を伝えるこ
とになる
・ボランティア登録者数:約100名
 ニーズ:1日に2~3軒(電話がかかってこない日もある)
・社会福祉協議会職員が各自治会長さんのお宅を訪問し、今までのニーズ報告と
現状、今後の活動についての話を聞く。今日からスタート
【久崎集会所の竹炭を見学】
・竹炭(約20センチくらいの高さ)が床下に敷き詰めてあった
・床下が見えないように、万弁なく敷いてあった
・床上浸水した集会所だが、土砂の臭いは全くしなかった
 
【久崎小学校訪問】
・グランドが整備されていた。姫路市が行ってくれたということで、土砂の土は
取り除かれ、きれいな茶色の土が入っていた
・学校生徒82人の学校で、32人が被災している(1学年1クラス。1クラス:約15人)
・明日仮設住宅へ行く家族もいる


【竹炭と木炭を作る窯の見学】
・佐用は竹がたくさん取れるところ
・1月17日(阪神・淡路大震災)に使用するろうそくを灯す竹は、毎年佐用から
提供されている
・昔この上月地区は炭をたくさん炭を作っていた時期があった
・笹ケ荘に、竹炭を作る窯4基、木炭を作る窯1基があることを知り見学をした
【いろいろな人の話、感じたこと】
・まだすごく多くの方が片づけをしていて、人手を必要としていると感じた。し
かし、ニーズはあまり上がってきていない様子
・集会所に洗濯機、また町営住宅の集会場にコンロが置いてあった。洗濯ができない方がたくさんいる
・1ケ月経って、みなさんの口から「大変」という言葉がぽつり、ぽつりと出てくる。今まで片づけに必死だったが、考える時間ができ、改めてこれからどうしようと考えるが答えが出ず。地域全体の重い雰囲気を感じる
・再建工事を始めたお宅が、他の家は再建工事をするまでに行かないのに、うちだけ先にやってしまって申し訳ない。家から出ることもできない様子
・16日から物資の受け渡しが始まるが、ほとんどの家が水に浸かっているのに、今ある物資の数を見ても少ない。佐用の方は遠慮する方が多く、自分たちで何とかしようと思っている方が多い
・笹ケ丘荘に「美容師のものですが、何かできることはないか」と電話があった。こちらに向かっているということで、来ていただき、笹ケ丘荘で1日美容室を行った。美容師の方が、「もっとひどいかと思って来たんです。」と言われたそうだ。
・久崎小学校の先生は、小学6年生は今どういう状況になっているかということが分かると思うので、とても辛いと思う。また、水害のことはあえて生徒に触れないようにしているとおっしゃっていた。
・復興の段階にこれからシフトしていくという言葉とは裏腹に、まだまだ見えないところで多くの方が水害の被害と戦っている。しかし、疲れてしまって、気持ちがついていかなくなっているように感じる
【久崎小学校のD先生からいただいたメッセージ】
私に、「これを是非読んでほしい」と、帰り際に渡してくださったメッセージです。
「而今」・・今を大切に生きること」
ポルトガルの諺に「今日よりよい明日はない」という言葉がある。この「而今」
と同じ意味で、「この今という時間を大切にせずして、何を大切にするのか」と
いうことだろう。そんな思いで、初期対応に力を注いだ。することは、山ほど
あった。何から手をつけても、全て役立つことに繋がった。阪神・淡路大震災の
教訓、危機管理の初期対応の大切さ、それに、幕山での多くの身近な知り合いの
死や行方不明になっている現状、「生きている者の役割は何か」・・・「自分に
できることをする」これだろう。
そう思って、取り組んだ。疲れも出たが、まだ、生きている、生きているものの
できることは何でもある、そんな意思で、体を動かしてきた。悔いのない自らの
行動をやってこれたと思う。途中でくたびれて、休んだこともあるが、自分の挑
戦でもあったのだから。
台風9号による集中豪雨が、もたらした甚大な被害、予想外の(今は想定外とい
う)ことばかりで、あの8月8日の子ども会のキャンプの晴天で暑かった日から
は、信じられない経過をたどった。24時間後に、大変な事態になると、誰が予想
できたであろうか。
また、残念、無念の悲嘆、死別、喪失体験をすることになってしまった。(合掌)