【第16報】8月28日からの大雨洪水について(岡崎市)

皆様
浦野です。お疲れ様です。
岡崎市防災ボランティア支援センターは、9月7日(日)をもって活動を縮小することになりました。
防災ボランティア支援センター自体は閉所され、岡崎市社会福祉協議会が今後の業務を引き継ぎます。
昨日一日の活動の様子を下記のようにご報告します。
[サテライトの様子]
○全体について
・前日からの持ち越しニーズ4件を含め、最終的には約25件のニーズに約70名体制で対応。
・土~日にかけて、親戚、家族が手伝いに来ていることで、ボランティアの依頼も増えたと考えられる。
・ニーズの依頼内容は、ゴミだしや仕分け、屋外の泥の撤去など、細々とした内容が主。ある高齢者の一人暮らしの世帯では、ほとんどの物が泥に浸かっており、屋外の倉庫に詰め込まれていた。傍からみれば処分した方がよさそうなものでも、「また洗って使える。一つひとつ自分で判断したい」とのことで、ボランティアに指示を出しながら、猛暑の中、時間をかけて作業をしていた。長時間の作業は89歳のお年寄りには本当にきつい。ボランティアも、ご本人の意向を十分に尊重しながら活動に当たっていたが、「これは1日、2日では終わらないだろう。体の無理のない範囲で、1日数時間ずつ、この方のペースにあわせて、ゆっくりお手伝いできる人が今後も必要だ」と話していた。(この方は地元のボランティアの方につなぎ、9月8日以降も、個別に訪問を継続して下さることになりました。)


○炊き出しミニ喫茶
・本日のメニューは、カレーライスと大学芋。すたあと長田・ひのきしん隊の皆さんの協力を得て、150食が完売した。
・昨日に引き続きサテライトに直接、市内在住の方が活動資金を持参して下さった方もいた。
・サテライトは今日まで、と告げると「さびしくなるねぇ。明日からどうしよう・・」などの不安をこぼす方や、「実は水害で家がとても住める状態ではないので、引越し先を探そうとしているが、1日歩いてもいいところが見つからない。」という相談もあった。(この方は、専門家による相談会へ参加されました。)
※このサテライトの様子は、下記のウェブページで紹介されています。
「グッドニュース・ジャパン」
http://goodnews-japan.net/news/blog/2008/09/07/4289
・中越・KOBE足湯隊のメンバーが、被災された方5名に対し足湯を実施。学生たちと笑顔で言葉を交わす姿が印象的だった。
○専門家による相談会の実施
・かねてから提案していた、行政からの復興支援サービスや悪徳商法に関する相談会を7日、17時~20時まで、サテライト近くの市民センターにて実施することができた。NPO愛知ネット事務局長・大野さんのご尽力により、行政書士の方が相談窓口となって下さることになった。前日から周辺地域の総代へお知らせチラシを配布して下さり、炊き出し会場でもチラシの配布やご案内をした。「夜までやってくれるなら行けるわ」と、最終的に11名の参加があった。
[相談会の報告(NPO愛知ネット大野さんの報告メールより転送)]
□概要
1.61項目の行政サービスメニューリストのことをご存知ない方のほうが多く(配布された緑色のメニューのパンフレットを持参された方は3組でした)、その場でコピーを配布しました。
2.2組の方は、市からの説明会だと勘違いして駆けつけられました。ボランティアでやっていることをご了解いただき、概略の説明を行いました。
3.匿名で市への不満を述べていった方が1組いらっしゃいました。
4.足が不自由だから・・・とのご相談で、月曜日の午後、H先生がご自分の車で市役所まで送迎され、手続きを取られる方が1組いらっしゃいました。
5.今後継続してくれるのか・・・との質問も4、5組のかたから頂きました。具体的な日時や方法は決まってはおりませんが、継続は致しますと、I先生が回答されておりました。
6.詐欺まがいの勧誘を受けた方が、「本当ですか?」と確認にお越しになりました。その方はサインなどはしなかったそうですが、周りの方でチラシをもらった方がいらっしゃったようで、そのチラシのコピーをいただきました。勧誘に来た人は、「市からボランティアできました」と言い、「全壊で500万円、半壊で200万円の保証金が、国からもらえます・・・、この手続きはまだ公開されておりません・・・」などと説明していったようです。そのチラシを見ましたが、手書きのコピーで、「岡崎市」とも「担当課」も書いてありませんでした。
※この件は、その場で市役所のほうに確認しました。チラシのコピーは、行政書士のI先生が預かっております。
7.JC(青年会議所)のKさんが保険業務を取り扱っている関係で、保険の契約などについての相談は、Kさんも加わってお話をされておりました。
8.それ以外の方々は、どんな補償があるのか、また具体的な手続きなどのご相談でした。
※半日程度の告知で11名の方々が相談にお越しになりました。皆さんの不安の高さや関心の強さがあらわれていると思います。今後定期的に、細く長く継続していく活動が必要だと考えます。行政書士のI先生は、先生のグループのほかの先生に声をかけていただき、今後ローテーションを組んで取り組んでいくとおっしゃっていました。
今回の相談会は、復旧活動から復興活動への転換点だったとおもいました。地域の皆さんの理解やご協力で、とにかく相談会が開催できたと思います。これは、「市民協働」の立派な事例ではないかと思います。こういった活動を、広幡学区以外の地域でどう展開してくのかなど、今後の課題は多いかと思います。今後、地域の方々の相互協力で、被災者の方々の復興を具体的に進展させていっていただきたいと願い、報告を終わらせていただきます。(大野さんの報告はここまで)
[おわりに]
名古屋からの報告にもあるように、センターが閉所されても被災された方からのニーズは確実に残っています。とにかくこの時点でセンターが閉所されることが、被災された方を孤独に陥らせたり、問題や不安が生じた時に一人で抱え込ませてしまうことに繋がらないように十分に気をつけなければならないと思います。やっと繋がった個へのパイプを、こちらから切り離すようなことだけは、絶対にしてはいけないと思います。
しばらくの間は、「一人じゃないですよ、何かあったときには相談して下さいね」というメッセージを、様々な形でどう伝え続けられるかが重要なのではないでしょうか。そして、被災された方が、「助けてください」という声をだしやすい環境を整えていくことも。そのために、一度ニーズ対応したお宅を際訪問するということも大切かと思います。名古屋では、実際このような活動を今後も継続していくそうです。このような名古屋の取り組みから学ぶことも多々あると思います。
これらの取り組みを行うためには、引継ぎ先の社会福祉協議会の中に、相談窓口を設置するという待ちの姿勢だけでは不十分であると思います。そのことを私たちは、今回の支援活動を通じて十分に学んできたと思います。
だからこそ、これからの見守り、支援を行うためには岡崎市の住民の皆さんのご協力が不可欠になると思います。
皆さんの周囲に、手伝ってくれる人もなく、声も出せずに腐った床や畳の上で生活している人はいないか、積み上げられた家財道具を前に途方にくれている人はいないか、今一度見回してみてください。そして、そんな方を見つけたら、岡崎市社会福祉協議会まで連絡を入れてください。
また、当事者の傍に寄り添って、ゆっくりとお手伝いができる方の存在も不可欠です。
1日数時間ずつでも、その方のペースに合わせながら、語りかけたり作業をすることができる方の存在です。
岡崎市にも、ボランティア団体や、地域の自治組織があると思います。「何かしたかったけど、自分たちに何かできるのかわからず手を出せなかった」とおっしゃられた方もいます。でも他市からのボランティアが去った今、頼りになるのは、地元地域の皆さんのきめの細かいサポートであると思います。
今こそ、岡崎市の地域力が発揮されるべき、重要な時なのではないのでしょうか。
このことを、岡崎市社会福祉協議会をはじめ、市内にあるボランティア、NPO、自治組織、行政、等多くの方々がご理解いただき、「一人ひとりの命と暮らしを守れる」被災地復興に向けて歩んでいかれることを切に願いたいと思います。
今までご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
今後とも、名古屋・岡崎の被災地を引き続き見守ってください。
よろしくお願い致します。
RSY浦野