dcセントラルキッチン その4

先週16日木曜日は、午前中から夕方にかけて雪が降りました。
名古屋でもめったに積らないので、少し興奮しながら家路につきました。少し遠くまで歩いてみようとも思いましたが、6カ月前に骨折した左足首のことを思い出し、「調子に乗ってはいけない」と自制して、宿舎の玄関前で写真を撮るにとどめました。
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さて、先週土曜日はdcセントラルキッチンのボランティアデーです。
今回は、インドネシア人のボランティアグループを中心に約30名が集まりました。
このグループの大半は子どもが占めており、リーダーの方に挨拶をすると、「1カ月に1回の割合で来ている」とのこと。そういえば、先月も沢山の子どもが参加していた日がありましたが、同じ団体からのようでした。
今回私はトマトのスライスとサラダづくりの担当です。
賑やかな子どもたちと一緒のグループになりました。メンバーほとんどが11歳。まずはスタッフがデモンストレーションでトマトの切り方を教えます。
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子どもたちにとっては、大人用包丁でのヘタ取りが特に難しかったようで、手を切りやしないかとこちらはヒヤヒヤ。何度かやり方を教えながら、後半はかなり上達していました。さすが子どもは飲み込みがはや~い!
日本だったらもっと手取り足とり、ピリピリこまごまと教えるだろうなと思いますが、こちらはたまに声はかけるものの基本は子どもとボランティアの主体性まかせ。若干のカルチャーショックを受けましたが、その方が子どもも伸び伸びと活動できているようでした。
15分のブレイクタイムでは、個人で来ていたボランティアさんが、キッチンのスタッフについてこんなエピソードを話して下さいました。「ここにいるスタッフのほとんどは、ホームレスになる前に刑務所に入っていたのよ。Hさんは20年の刑期を終えて出所したものの、結局働く場がなくホームレスにならざるを得ず、その時にキッチンと出会った。その後は見ての通り、まじめに一生懸命働いている。彼は人生をやり直したの。ここはそれが実現できる場なのよ」と。
とても感動的なお話でした。Hさんはいつも私に何かと声をかけてくれる方です。彼は、子どもや年配者等の幅広い年齢層、人種、立場の違うボランティアとの関わりの中で、いつも丁寧に人と接している姿が印象的です。私のこれまでの経験からも、「想いと行動」を最優先に人を見るという団体の雰囲気は、来るものに何とも言えない安心感を与えてくれます。
なぜ「また来たい」と思うのか・・・、その答えの一つがここにあるような気がしました。
Hさんのエピソードを話して下さったボランティアさんと記念の一枚。
いつも三角きんとエプロン姿のこんな恰好で厨房に立っています。
もう少しなれたら、次は食事を直接ホームレスの方に届ける活動にも参加したいと思っています。
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