「やっぱり七ヶ浜!」未来中高生プロジェクトのご報告

皆さま
4月24日(日)、ボランティアきずな館の初めてのプログラムとなった『未来中高生プロジェクト』が開催されました。
このプロジェクトを考えたきっかけは、災害ボランティアセンターに毎日通ってくる地元の中高生との出会いからでした。学校が始まる4月21日まで、ボランティアセンターには、毎日50人以上の中高生の姿が見られました。誰もが笑顔で元気よく挨拶をし、与えられた活動に一生懸命に汗を流し、町外からやってくるボランティアにも人懐っこく接っする姿が至るところで見られました。彼らと接した誰もが、「子どもたちの頑張りと笑顔で、町が救われている」と口々に言いました。
ある日、避難所での足湯の活動を、高校生の男の子二人に手伝ってもらったことがありました。とても感じのよい学生さんで、ニコニコ元気よく、お願いしたことを快く引き受けてくれ、日本財団ROADプロジェクトから派遣されていた東京足湯隊のお兄さんやお姉さんたちとの会話も弾んでいました。
そんな姿を見て、すがすがしい気持ちになっていた時、あるボランティアさんが、「この子は昨日お姉さんのお葬式を終えたばかりなのよ」とつぶやきました。聞けば、家も流され、今は避難所からボランティアに通っているとのこと。「そんなに大変なことじゃない、仕方が無いし・・」とうつむきながら笑顔を作ろうとする姿を見た時、彼の中にあるもう一つの心に触れた気がしました。
七ヶ浜町に住む中高生の多くが、恐ろしい揺れを体験しています。家族と離れ離れになり、数日も連絡が取れず孤立した子、迫りくる津波の姿を目の当たりにしながら、車椅子のおばあちゃんを安全な場所に懸命に運んだ子、そして大切な家族・友人、家とかけがえのない思い出を一瞬にして失った子・・・、その一人ひとりに、それぞれの3月11日の風景があります。
このことに気付いた時、この子たち自身を支えるプログラムが必要なのではないかと思いました。支えると言っても、そんなに仰々しいものではなく、この子たちが震災前のいつものように、単純なことで笑ったり騒いだり、純粋に未来への希望に胸を膨らませたりできる場が必要なのではないかと感じました。
このようなことを考え始めていた矢先、柏崎市に拠点を置く「未来予想図実行委員会(※1)」の清野さんから、「子どもたちのための企画で、七ヶ浜を応援したい」というお声掛けを頂きました。丁度、関西学院大学教授の室崎先生のご協力で、学生さんが現地入りすることになっていたこともあり、喜んでお力添えを頂くことにしました。
当日は、9:00からボランティアきずな館の2階・大広間スペースに、地元中高校生10名、未来予想図実行委員会のスタッフ2名、関西学院大学・室崎ゼミの学生さん10名が集まり、自分の生まれた町の好きなところや自慢と自己紹介、「共感」をテーマにしたワークショップを行いました。最初は緊張気味だった子どもたちも、関学の学生さんたちの関西のノリに触発されて、だんだん笑顔が出るようになってきました。
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子どもたちからは「私の好きな七ヶ浜」として、以下のキーワードが出てきました。
・海がきれい
・カキがおいしい
・君ヶ丘、松島の風景
・海苔
・みんな仲良し、フレンドリー
・海が沢山ある
・七つの浜がきれい
・人があったかい
・明るい
・みんな挨拶する
・自分の家があるから
・生まれたところだから
・愛があふれてる
・桜や公園がきれい
少しずつ互いの距離が近づいたところで、ランチタイムに向けてお昼ごはんを作りました!この時点ですでに、あちこちでワイワイ、キャーキャー大盛り上がり。好きなバンドやアイドルの話、ツイッターやミクシィの話など、話題は尽きません。みんなで作ったカレーとレンコンの煮物、サラダを他のボランティアさんにも食べてもらいました。
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そしていよいよメインのワークショップ。未来に向けたスローガンを作ろう!と、模造紙一杯にそれぞれの想いを描きました。出てきた言葉は「やっぱり七ヶ浜!」復興する七ヶ浜がどんな姿であって欲しいのか、それぞれの想いが絵や言葉として形になりました。
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最後に記念写真をパチリ。
みんな、メアドや住所交換したりとこれからもやり取りが続きそうです。
本物が見たい方は、ぜひボランティアきずな館にいらして下さい!
明日ここで催される「お茶のみ喫茶」の時に、壁に飾って地元の皆さんにも見てもらう予定です。
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今後も色んな形で、未来高校生プロジェクトを続けていきたいと思いますので、持ち込み企画やサポートボランティアさんを随時募集しています。ご協力をよろしくお願い致します!
※1)
2007年新潟県中越沖地震をきっかけに設立。アートセラピーを通じて「こどもたちが楽しい未来を想像して、元気になって欲しい。子どもたちの未来を応援したい」という思いから始まったプロジェクト。『すべてのこどもがあかるい未来を描ける世界に』をスローガンに国内外で活動中。
※今回、ボランティアきずな館へ、画用紙やクレヨンなど沢山の画材の寄付を頂きました。ありがとうございました!
※未来予想図プロジェクトの詳細は、下記HPをご覧下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/braveboy/
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