皆様
RSY浦野です。お世話になります。
現在支援活動を行っている三重県紀宝町での9月15日の活動報告です。
○孤立集落「浅里地区」の様子
・地元の方に同行し、行政より通行制限がかかっているためボランティアが入る
ことができておらず、状況がつかめていなかった浅里地区に入る(住民、親類縁
者、緊急車両のみ進入許可あり)
・片道30分の山道を登っていくと、川や山からの流木、大小含めた土砂崩れが至
るところで見られた。
・道幅は2トントラック及びワンボックスカーは通行できるが、マイクロバク程
の大きさになると難しい。
・短い区間であるが、ガードレールが破損しており、カーブ下は絶壁になるとこ
ろがあるため慎重な運転が必要。
・電気工事やガレキ撤去等の重機が入っており、作業している個所もあった。
・浅里地区は現在約50世帯が生活しており、うち半数が高齢者一人暮らし及び高
齢者世帯。
・山肌に沿って家が立ち並ぶも、一番下の家がほとんど水に浸かっている。ボラ
ンティアの手伝いが必要な家屋は約25世帯とみられる。
・6~7戸の家屋が土砂くずれのため全壊。
・明治22年にかなり大きな水害に見舞われており、以降に建設された家はほとん
どがかさ上げして数メートル上の石段の上に作られていたが、それを越えて水が
来た。住民の話では浸水16mはあったのではないかとのこと。
・ライフラインの復旧に伴い、住民は親戚等の力を得ながら少しずつ清掃作業を
始めているが、水害から10日以上経ち、泥や家財道具は腐り始めている。また、
収穫を終えたばかりの米が保管されていた納屋も軒並み被害を受け、米が水に浸
り発酵して、猛烈な異臭を放っていた。これらの家財を家から外に出したり畳を
上げる作業をようやくスタートさせたという状況で、他地域と比べると復興がか
なり遅れている。
・トラクターや車もほとんど被害を受けており、今後の仕事や収入に大きな影響
を与えることが予測される。
・サテライトを設置し、ボランティアが100名単位で作業できればかなり早い復
旧が期待できるが、行政からの規制が解除されなければ、災害ボランティアセン
ターからの人的派遣は難しい。
○被災者の様子(浅里地区)
・60代・男性
「とにかくボランティアに早く来て欲しい。このような小さな地域、孤立集落は
いつも後回しで注目を浴びるのは人口の大きい地域ばかり。ゴミ処理のトラック
もいつ来るか分からない。早く復旧させて元の生活に戻れるように前に進みたい」
・60代・女性
「おばあさんが『家に帰りたい、家に帰りたい』と毎日泣きながら訴えてくる。
このままだとおかしくなってしまうんではないかと思う。何とかお手伝いしてく
れる人(ボランティア)を連れていくことはできないのだろうか」
・60代・女性
「最近避難所の避難者の数が少し増えてきている。親類の家に行っていた高齢者
が、長期の同居で気を使うようになり疲れてきていることが理由。避難所の方が
家族や顔見知りの地域の人たちと一緒に居られる安心感があるということで戻る
人が少しずつ出てきている」
○その他
・町内の特養が定員を超えて、介護の必要な高齢者の緊急入所を受け入れてい
る。しかし、職員の手も一杯のため、入居している方々の支えとなるような活動
をして欲しいとボラセンに依頼があった。一方で日ごろから公民館等でサロン活
動をしていた地元ボランティア団体から「私たちも何か手伝いたい」という申し
出がボラセンに寄せられており、社協職員のTさんのコーディネートのもと、特
養で新たにサロン活動を実施することとなった。
・前日浅里地区の住民が避難している避難所を地元ボランティア団体と共に訪
問。以前から自主的に煮豆等を作り、炊き出しとして提供していたようだが、
『朝は菓子パン、昼・夜はコンビニ弁当。贅沢は言えないが、そろそろ煮ものが
食べたいなぁと思う』という声を受け、社協の厨房で調理をし、煮ものを届ける
活動を始めている。
※紀宝町はボランティアと社協の距離が近く、自主的に地域のために動ける人々
が多く存在するように感じる。まさしく地域力である。作業系のボランティア活
動は非常に重要であるが、このようなきめ細かい心のサポートができる視点や機
動力を持つ住民がいるということは、地域の財産であり、長期化する避難生活を
支える上では非常に重要となってくる。このような地域から学ぶべきことは多い
ため、ぜひこれらの地元ボランティアや社協の動きにも注目して頂きたい。
■支援金のお願い
【郵便振替】
郵便振替00920-7-75997
加入者:震災がつなぐ全国ネットワーク
または
口座番号 00800-3-126026
加入者:特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※いずれも通信欄に「台風12号」とご記入ください。
■NHKテレビ放送 ご案内
9月16日(金)午後19:30~20:00NHK総合
ナビゲーション「今 私たちにできること~復興支援 半年間の記録~」
RSYの活動も紹介されますので、ぜひご覧ください。