台風12号【第8報】

皆さま
お世話になります。浦野です。
名古屋市内でも河川の増水により一部浸水被害が出ている模様です。近辺にお住
まいの方は今後の情報に十分ご注意ください。
三重県紀宝町に関する情報を以下の通り報告します。
■三重県紀宝町へ向けてのボラバス運行状況について
・第3陣:参加者14名、9月19日21:00出発→尾鷲市にて仮眠→本日20日8:30現地
到着。
・紀宝町の鮒田地区にて3チーム(4名+4名+6名=14名)に分かれて個人宅の家
財道具の運び出し、泥出しの活動に従事。
・悪天候による国道42号線通行止めの恐れがあったため、午前中で活動を切り上
げ、14時15分に紀宝町社協を出発。19:00頃名古屋到着・解散。
・予定されていたボラバス4陣、5陣は中止決定。
■RSYスタッフの動き
・浦野と岡田氏(RSY会員・みどり災害ボランティアネットワーク代表)は、
状況把握と翌日からのボラバス受け入れ準備のため、19日昼過ぎに現地入り。
・本日名古屋事務局より、庄内川と天白川氾濫の恐れ及び周辺地域での避難勧告
発令の報告を受け、今後の対応に備えて活動を切り上げ、ボラバス3陣と共に名
古屋へ戻った。
■紀宝町の状況と災害ボラセンの対応
○床上・床浸水家屋
・被害が大きく、清掃作業が遅れていた相野谷地域(大里・高岡・永田・津本周
辺)を中心に、地域ローラー作戦を実施中。地元住民がコーディネーターとな
り、ニーズ対応や個別訪問等、きめ細かい対応に当たっている。
・居住家屋の泥出し・畳出しのニーズから、非居住家屋である側溝、田んぼ、納
屋等の清掃へニーズが変化している。居住家屋が第一優先であるが、ボランティ
アの手がある時には、なるべく他のニーズに対応できるよう調整している。
・週末に建築系専門ボランティア15~16名が活動。かねてから課題となっていた
床下の処理(泥かき・乾燥・消毒)対応のため、和室のみ約25件の床板をはがし
て下さった。今後も引き続き専門ボラの協力が不可欠である。継続的な協力が得
られるよう他団体にも働きかけを行っていく予定。
○避難所
・9月18日現在で、10か所147名が避難所生活を送っている。
・行政は熊野市にある雇用促進住宅20戸の入居受付開始。しかし、現時点で申し
込み者はゼロ。「遠く離れた地域で地元の人たちと離れて暮らすことは考えられ
ない」との声多数。
・応急仮設住宅も着工の目処は不明。現時点からでも着工から完成までは約1カ
月程度かかるだろうと考えると、避難所生活はさらに長期化する可能性が高い。
・食事は弁当・菓子パンが中心(圧倒的な野菜不足)
・A避難所は、4日程前から敷布団のみ配給。「それまでは座布団を敷いてその上
に寝ていたけど、寝返りも打てるようになって、良く眠れた」との声あり。
・B避難所は、畳又は床の上に毛布2枚程度を引いただけで寝ている。座布団を敷
布団代わりにしている。「体が痛い」「夜あまり眠れない」「布団はあるに越し
たことはないが、贅沢は言えない」との声。避難者数も少なく、一人当たりのス
ペースは十分に確保されているため、スペースの課題はなさそう。「他避難所が
布団を入れていないのに、ここだけ入れるわけにはいかない」ということが理由
の一つに挙げられている。→ボラセンに報告。早急に行政に対応してもらうよう
打診。
・日中避難所で座っていることが多いため、運動不足になっている高齢者が多
い。自主的に散歩など体を動かすようにしているようだが、それも限界があり、
「食べてばかりで運動不足。体が苦しい」との声多数。
・入浴は社会福祉協議会のデイサービスセンターの浴室を開放しているも、多く
が避難所となっている施設に備え付けられているシャワーで済ませている様子。
水害後2週間以上が経ち、移動するのがおっくうになってきているように感じ
る。全体的に体の動きや表情にかなりの疲労が見られている。
○地元ボランティアの動き
・野菜一杯の味噌汁や豆の煮ものなどを作り、避難所に届ける活動を実施。大変
喜ばれている。
・女性の会が明日以降で足湯チームを作り、避難所で実施予定。避難所の訪問か
ら、疲れている中でも「語りたい」という気持ちは強いことなどを伝え、足湯は
会話のきっかけづくりにもなり、心身の回復や癒しに非常に効果的であることを
説明した。
■孤立集落「浅里地区」の状況
・地区に入るまでの道のりに危険個所多数。台風の影響によりがけ崩れ等のリス
クも高まっている。
・この道を通過した住民の話では「いつ石が上から落ちてくるかわからなかっ
た。怖かった」とのことで、決して無理はできないと感じる。
・台風が落ち着き、通路の安全が確保できた際には、最も多くのボランティアの
手が必要となる地域である。
■今後について
・早い段階での床下の適切な処理、長期化する避難所生活のサポート、生活物品
の提供(電化製品、食器、衣類等)等が今後の課題であると感じる。名古屋の被
害状況を鑑みつつ、対応を検討していく予定。
※お詫びと訂正
前回「2011年台風12号【第6報】―ボランティアバス第 1 陣報告」は【第7報】の
間違いでしたので訂正致します。