皆様
RSY浦野です。お世話になります。
現在支援活動を行っている三重県紀宝町での9月14日の活動報告です。
○ライフライン
・13日夜から飲み水、生活用水共に復旧。
・NTTの電話交換所が水没しているため、紀宝町北側井内・大里・高岡地区方面は不通
・電気、ガスは復旧(ただし1階部分が水没している家屋は使用できない)
○被災者の様子
・60代・女性・聴覚障害者
「自分の家は少し高い場所にあったので無事だったが、道路から玄関まで続く坂道の途中まで水が来た。普段は山と田園風景の場所だが、2階建の屋根まで水につかり、一帯が湖のようだった。どんどん水かさが増して本当に怖かった。知り合いのお婆さんの家が土砂崩れで流されてしまった。お婆さんは一時避難所に避難していたが、沢山の人の中で落ち着いて寝食できないとのことでストレスが高まり、また家を失った悲しみで泣いていたので、自分の家の空家を提供して寝てもらっている。」
※昨日、地元手話サークルのメンバーが自主的に手話が達者なボランティアを連れてこのお宅を訪問。ご本人は息つく間もない勢いで当日の状況等をお話されたとのこと。知っている人が心配して来てくれたことがとても嬉しかったと大変喜んでおられた。
・60代・女性
「私は孤立集落となった浅里(あさり)地区からこの避難所に来た。夕方から雨脚がどんどんひどくなり、危険を感じたため85歳になる叔母と近所のお年寄りに声をかけ、避難を促した。叔母は自宅へ避難させることができたが、お年寄りは『自分は家にいる』と残った。夜になり下からは水、上からは土砂崩れが始まった。家族3人で裏山へ逃げた。急傾斜な上に、山の上から大きな石が転がってきたらひとたまりも無いという恐怖と闘った。夫が85歳の叔母の手をひき、自分はお尻を支えながら命からがら逃げた。『ここで死んでたまるか!あきらめるな、頑張れ!頑張れ!』とお互いに声をかけながら励まし合った。結果、3人とも無事で救助された。近所のお年寄りは土砂崩れにまきこまれて行方不明になってしまった。自分たちもギリギリだった。家は半分土砂に埋まっている。早く片付けに行きたいが、家族だけではなかなか進めることができない。今は命が助かったことがありがたいと思うが、これからの生活を考えると、もうあそこには住めないな、と思う。近所の家も流されてしまったので、寂しくなってしまった」
○地域の様子
・紀宝町南側に位置する熊野川流域の家屋については、家に入った水が泥質の少ない比較的さらっとした水であったのが特徴。地縁・血縁の協力やボランティアの手も入り、家財道具や畳等の運び出しは大方済んでいる。今後は細かい家財道具の洗浄や床下の乾燥・消毒等の作業に移行する見込み。
・紀宝町北側に位置する相野谷川流域の家屋については、泥や土砂を多く含んだ水であったのが特徴。こちらも地縁、血縁で家財道具の運び出し等済んでいるところもあるが、作業量が多く住民の疲れも見られ作業の進みが遅い。また、電話が不通、車も被災、地区役員・民生委員等の被災もあるため、ボランティアセンターへニーズが上げられない状況もある。現在地区のキーパーソンをパイプ役とし、おせっかい隊をローラー的に派遣できるように調整中。
・孤立集落である浅里地区へのボランティア派遣は道路通行止めのため見合わせ中。現在は住民と緊急車両のみ通行が可能。災害対策本部と調整の上、来週末の作業を見越しつつ、現地調査等の準備を進める。
○要援護者への支援
・社協は手をつなぐ育成会事務局を担っているため、会員の安否確認・状況把握等実施中。
・80歳以上の一人暮らし高齢者に対する配食サービスを行っている地元ボランティアグループが自主的に個別訪問を実施。ニーズがある場合はボラセンへ繋いでいる。
・一人暮らし高齢者については、民生委員が安否確認等実施。しかし、被害がひどく民生委員も被災している地域については、未実施。
・地域包括支援センターからも一人暮らし高齢者等への安否確認やニーズ調査中の様子。
・紀宝町内で大きく被災した福祉施設「通園M」(障害児の地域療育センター/鮒田地区)へ社協職員がヒヤリング。職員で大方対応しているも、細かい清掃作業が進まずどこから手を付けてよいかわからないとのことで、週末のボランティア派遣を調整中。その他の特養・デイサービス等の福祉施設は被災なし。社協では、町内唯一自立支援法の事業所として、障がい者の就労継続支援B型も運営しているが、通常通り実施中。
■支援金のお願い
【郵便振替】
郵便振替00920-7-75997
加入者:震災がつなぐ全国ネットワーク
または
口座番号 00800-3-126026
加入者:特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※いずれも通信欄に「台風12号」とご記入ください。