家族のきずな

お世話になっております。RSYきずな館 飯田です。

ご年配のご夫婦お2人で、応急仮設住宅にお住まいの方のお話です。

震災前は、娘さんとそのお孫さん2人とにぎやかな5人家族でお住まいでした。定年退職され、のんびりとした余生を過ごしていたご主人は、かわいいお孫さんの面倒をみることを生きがいにされていました。

震災後、避難所生活を経て、娘さんとお孫さんは「みなし仮設住宅」のアパートに引っ越され、家族別々の生活となりました。ご主人は体調が悪くなり、1年以上かけて痩せ細っていき、先日突然の体調不良で救急車で搬送され、そのまま入院されました。 一命を取り留め、順調に回復しましたが、入院中、ご主人が奥様に「家には戻りたくない。」とつぶやかれたそうです。

奥様は「狭くて窮屈な仮設住宅で、何の楽しみもない毎日に戻りたくない。」という意味だとおっしゃっていました。

その後、無事に退院され、仮設住宅で療養生活が始まりました。奥様の心労も然ることながら、ご主人の退院の目処が立った時、安堵の表情を浮かべつつこのお話をしてくださいました。ご主人の帰りを1人で待っていた奥様は、どれほど不安で、淋しかったことでしょう。

 

家族がバラバラになることが、何よりも辛いという声を度々聞いています。

息子家族と一緒に暮らせるなら、先が短くても家を建ててもいいとおっしゃるお父さん。

息子に「ふるさとが欲しい」と言われ、もう一度がんばってみるかと心を奮い立たせたお母さん。

 

これからもこの町の人たちの声に、耳を傾けていきます。