能登半島地震【第11報】

浦野です。お疲れ様です。
吉田さん(京都大学防災研究所社会防災研究部門所属:博士後期課程)より昨日の活動状況について報告が届きました。(2007.3.31現在)
■避難所の様子
・4月1日に三ヶ所の避難所を一ヶ所にまとめる予定。(キャッスル真名位という公共施設)。正確な部屋の割り振り等はすでに決まっている様子。夜6時から健康福祉課の会議でその詳細が決められ、4月1日正式に発表される予定。1日の内に一ヶ所にまとめられると思われる。この件は内部情報だったが、数人の被災者は既に知っておりその情報を聞きたがっていた。
入所者の推移(三ヶ所総計、役場の災害対策本部より)
3月
25,26日で最大137名
27日:92名
28日:86名
29日:79名
30日:78名
31日:70名
【被災者の声】
・ご飯が多いときがある。残しているご飯を見るともったいない。
・床での睡眠はひざにこたえる。足の曲げないでいいベッド等あれば非常に便利だ。
・様式トイレの設置により、便が出た方が数名。どちらも一週間ほど便秘が続いていたこともあり非常に喜んでいた。
・しかし、今日も便が出ていなかった方が嘔吐し、そのまま病院へ搬送された。ストレス・睡眠不足・便秘など、総合的にまいっている様子。午後には再び避難所にもどってきた。林業センターの方だったが、ここは未だに睡眠不足者多数。
・林業センターの精神的に不安定な方に対して、外から来たボランティアの方が3人くらいで一日中個室で話をして対応。部屋に戻ってきたときは比較的安定していた。保健師さんの方がその対応について非常に喜んでいた。
→ 一カ所に避難所がまとめられる際に、その方に関しては個室が準備されるとのこと。保健師の方の話では薬の処方を行った模様。林業センター内の避難者の不眠問題の解決が期待される。
・テレビ局が何の許可もなく避難所に入り、撮影していくことに対して不満をもらす方がいた。
・間仕切りは着替え時の利用にと考えていたが、風呂にいくときに着替えるから特に必要ないとの声が聞かれた。各個人間で区切るのもしゃべれなくなるのでいらないとお年寄りたちは言っていた。圧迫感があるとの声も聞かれた。三ヶ所の避難所すべてに設置したが、どれも小さいスペースを区切るのにとどめた。
・貴重品を避難所に持ち込んでいるため、外部者の立ち入りに過敏な方もいた。
・カンドリシノブ(プロレスラー兼参議院議員?)避難所訪問(反応いまいち)ジャガー横田の方がよかったと言っていた。
・10万円もするカメラを購入した女性現れる。穴水がテレビであまり放送されていないことに多少不満を覚えている様子。穴水内の被害の様子をずっと取って回っている。100枚ぐらいとっていた。自宅の写真を見ながら泣いていた。穴水の被害の歴史を残したいとおっしゃっていた。カメラの使い方を教えた。
・お布団が全員に配布済み。非常に喜んでおられた。
・はっさく食べたいと要望あり。→情報センターにて余っていたオレンジを林業センターへ運ぶ予定。
・子供たちは皆で焼肉屋へいった様子(ラーメンを食べたいという要望にあわせてカップ麺を持っていったが不発)
・いろいろな娯楽が到着(将棋、トランプ、オセロ、大きなサイコロ、他多数)
→避難所が一ヶ所にまとまり次第運ぶ予定。
・仮設住宅への期待が大きい。一ヶ月この避難所生活をがんばろうとの声が聞かれた。→穴水20戸では足りないのではと私の勘では思われ、一ヵ月後その対応でもめる可能性大。


■3月31日の活動内容
★避難所対応
・林業センター内の掃除の実施
・民生委員さんらとの巡回(午前,午後2回)
・ずっと取材をされていた。テレビ局がついてまわった。
★避難所訪問活動
・民生委員さんらとの協議の結果、ちょっと巡回の回数を減らすことが決まった。とりあえず明日4月1日は完全に休養していただくことにした。民生さんらに、巡回の回数を減らし、無理のない範囲で長く続けていきませんか?と相談したところ非常にホッとした様子を浮かべた。気を張っていたみたいで、多少無理をしていた様子。今後は一日に一回時間の合うときに巡回しましょうということでメンバー間で同意した。明日は完全休養予定。
★なごや災害ボランティア連絡会による足湯ボランティア
・足湯は利用した方に関しては非常に好反応。
・活動人員:10名。
・午後4時より3箇所に分かれて活動を実施。午前中にも利用された方もいた。
【なごやメンバーによる避難所のつぶやき報告】
・31日より、ポータブルトイレが設置され、ずっとなかったお通じがようたくあり、ホッとした。(3名の方がおっしゃっていた)
・川にシラス取り用のよつで網が貼ってあるが、地震の2日前から取れなくなった。普段であれば、今最盛期である。
○林業センター:足湯実施15名
・いつもいすの生活なので、畳は大変。畳の上に布団を敷いて寝ている。食事も畳の上に置いて食べた。
・足のむくみが数人の方に見られた。
・毎日お風呂に入りに行くとのこと。徒歩では無理だが、送迎バスが出ている。方言で会話が弾む。
・精神的に不安定な方がいるので、気になって夜はまったく眠れなかった。
・下着がほしい。
・靴下の替えがなく、くさくてすっぱいようなにおいのする靴下を足湯後履かせた。(震災後靴下を替えていないとのこと)
・震災後、一度もお風呂に入っていない人に足湯を行った。(お湯がどろどろになるぐらいであった)お風呂に入れる環境はあるが、実際にはその気になれないのか、入っていない人がいた。まだまだ精神的に不安定なところもある様子。
・足湯の活動を見て、名古屋の人はユニークな活動をするのね。名古屋が好きになった。今度名古屋遊びに行くからね!と言われた。
○保健センター:足湯実施17名
・避難者の居住スペースには、ボランティアに入って欲しくない、という意向が汲み取れたので、ミーティングの結果、足湯の設置場所を居住スペース外にした。
○情報センター:足湯実施8名
・避難所入所20名のところが、お勤めや片付けをしている人が多く、時間的に間に合わなかったが、8名の方が参加された。
・ボランティアもいろいろあり、名古屋のボランティアのように活動していただくのはありがたい、という声あり。
・敷布団が入り、ゆっくり眠れた。
○4月1日の活動予定。
・午前中から、午後1時まで実施予定。ただし、避難所の引越し作業があるため、利用者は少ないのではないかと思われる。
★ボランティア受付
・ボランティアの割り振りは慣れた方達により適切に行われている。
■問題点
・住宅相談ネットワークという、赤紙の意味や罹災証明等を被災者に説明する場所が情報センターに設けられた。3月31日、4月1日の二日間設置される予定。
・受付の方の話では、区長さんや防災無線を通じて連絡を行ったとのことだが、避難所のお婆ちゃんらは理解していない様子。お年寄りに対して、赤紙の意味や罹災証明等についてかみ砕いて説明する人が必要。