皆さま、お世話になっております。関口です。
あいちモリコロ基金助成事業としておこなってきた「河川伝統工法パーク」プロジェクトがいよいよ大詰めを迎えました。
山の木で川を整備する「河川伝統工法」を見直し、現代的な活用法として「公園」のデザインを提案しようというこのプロジェクト。昨年11月にスタートして以来、被災地支援の合間を縫って地道な調査研究事業として続けてきました。
水流をコントロールする「ウシ=聖牛」を山梨、静岡まで追いかけ、7月のこども防災イベントでは岐阜県産の間伐材を使った聖牛を名古屋の庄内緑地公園に再現。
その会場で、愛知県内3大学のデザイン研究室が子どもたちと一緒にワークショップ形式で制作した「河川伝統工法パーク」の模型を、RSY事務局が入る名古屋建設業協会1階の会議室に移し、発表会として各大学の学生さんたちにプレゼンテーションしてもらいました。
「伝統」とも「河川」ともほぼ無縁だった学生たち。それでも一から勉強して、その形や技術を公園の遊具や歩道、モニュメントなどに応用するユニークなモデルをつくってくれました。
この斬新なデザインは愛知県立芸術大学・水津功研究室。
伝統工法の木組みを自分たちなりに再構成し、ユニークな形にひかれて子どもたちが倒したり積み上げたりする「動き」「流れ」をそのまま表現。ダイナミックでアーティスティックな公園となっています。
こちらは名古屋工業大学・伊藤孝紀研究室。
伝統工法の形や機能をしっかりと子どもたちに伝えて、一緒に模型をつくりながら配置を考えていました。実現性の高い、ベーシックな案と言えそうです。
最後に名城大学・谷田真研究室。
子どもたち1人1人に紙の「人形」を渡し、まさに公園を歩いている気分になってもらって意見を聞いたそうです。白い土台に色とりどりの絵やメッセージが書き込まれ、にぎやかな雰囲気になっていました。
この名城大チームの案が「子どもたちの遊んでいる顔が一番よくわかる」とプロジェクト検討委員の「愛知・川の会」の本守眞人会長が最も高く評価して、「愛知・川の会会長賞」に決定。名工大チームは「井納木材社長賞」、愛知県芸大チームは「RSY賞」を贈呈しました。
講評では国や市の担当者からも「川への親しみをもってもらうために有意義な取り組み」「これからの公園を考える参考になる」との声も。一方で、「実現するのはとても大変」「楽しさだけでなく洪水の怖さも伝えられるかどうか」などの課題も示されました。
レスキューの中でもひときわ異彩を放ち続けていた事業でしたが、
・間伐材などの適切な利用を進める山づくり
・自然、人と共生した親しみのある川づくり
に防災面からアプローチできないか、という新たな取り組み。多くの皆さんのご協力で何とか成果を残すことができました。この場を借りてお礼申し上げます。
模型は21日10:00から15:00まで、名建協1階会議室で展示します。よろしければのぞいてみてください。資料はコチラ>>ワークショップ発表会・展示会