8月14日の佐用町災害ボランティアセンターでの活動の様子を報告します。
■災害ボランティアセンター支所の様子
▽久崎支部
○本日は兵庫県JC、被災地NGO恊働センタースタッフAさん、日本災害救援ボランティアネットワークBさん、RSY浦野の10人体制で運営を行う。
○久崎小学校のご理解のもと、ボランティアの休憩場や手洗い・うがい場の整備が完了。
○本日は41件にニーズに対し、約150名のボランティアが対応。明日は71件のニーズを既に受付ており、のべ350名のボランティアが必要と思われる。
○現地は好天気で気温も高ったため、本部からボランティアの熱中症者が数名が出たとのこと報告あり。明日からペットボトルと塩を必ず持参し、リーダー中心で、こまめに休憩をとることなどオリエンテーションで徹底して伝えることを確認。
■浦野所感
支所で何度か顔を合わせるようになった年配の男性が、「2004年の水害では床上175センチ、今回は250センチで、1階部分がほとんどダメになった。特に2004年の水害の時は、今まで培ってきた自分の歴史が全部流されてしまったことが一番堪えた。だから今回はそんなに思い入れのあるものが家にあったわけではないので、その分少し気楽でいられるよ。」と笑って話してくださった。
汗まみれの体、泥だらけの洋服、青白い顔が相当な疲れを物語っていた。これほど疲れているはずなのに、話しかければ多くのことを語って下さる。また、「名古屋から来た」と言えば「そんなに遠くからわざわざありがとう」と涙を浮かべる方もいる。皆さんが求めているものは、決して「作業」だけではないと思う。顔が見えても見えなくても、人の存在と心のつながりを身近感じることができれば、被災された方々の原動力に確かにつながっていると思う。すぐにでも目の前の泥がなくなり、もとの平穏な生活に戻れることを一番に望んでおられると思うが、「心配してくれる人がいる、応援してくれている人がいる、自分の話に耳を傾けてくれる人がいる。」という沢山の人たちの想いが、張りっぱなしの気持ちを少しだけでも緩め、心の踏ん張りを生み出しているのではないかと感じる。被災地に足を運ぶ、または「1本のタオル運動」などを通じて被災地に想いを馳せ、気持ちを届ける。一人でも多くの人が動けば、その分被災地が元気になれる。長い復興を多くの人たちで応援していければと思っている。
ただ、一方でニーズに対し、ボランティアの数が全く足りず、当日のうちに派遣できなかったケースも多かった。支所のテントをおとずれ、「何とか早く来てほしい」「申込の地点でボランティアをあてにしているのに、なかなかきてもらえないとこっちも困る」「隣のうちはボランティアが入っているのに、何でうちには来ないのか」と大声や必死な面持ちで訴える方も少なくなかった。目の前で被
災地を見れば、たくさんのボランティアが現場に入れば、数日のうちにきれいにできるはずなのに、思うようにならずにもどかしく感じる。本日土・日はボランティアバスの派遣も始まるが、協力してくださる方が増えるとありがたく思う。
▽佐用支部(RSYボランティアCさん、Dさんより報告)
○ニーズに対するボランティア派遣と、ボランティアニーズの掘り起こし(ローラー作戦)を実施。
○水害ボランティア作業マニュアル(RSY・日本財団)、「被災したときに」(日本災害復興学会復興支援委員会)の二つをボランティア、被災者に順次配布。
○水が出ないため、手洗い・うがい、資材清掃、トイレなどが問題となっていたが、昨日より仮設トイレが設置され、明日は三木市社協より1.5トンの水が提供されることで、ある程度対応可能となる見込み。
以下、本日被災地に立ち寄ったRSY理事松本と、RSYスタッフ柚原(佐用支部で活動)より「被災者の声」が届きましたので、本人たちの感想と共に下記にご紹介します。
○3日3晩着替えていないことに今、気づきました(30代女性)
○畳をあげたら、すごい泥で途方にくれている。タンスの中も泥だらけで、すべて捨てるしかない(50代女性)
○みんな親戚も水に使ったので、自分で頑張るしかないです(50代男性)
○自分の物をボランティアにさわられたくない(50代男性)
○あっという間の泥水で何も見えなくなった。
○90年生きてきて、ひどいのは初めて。20時過ぎから、またたく間に水が来て、孫に手をひいてもらわないと歩けなかった(90代女性)
○前からも後からも、水が来て、あっという間に腰までつかったが、平屋のために逃げる場所もなく、そのまま過ごした。(途中泣き出す)一人暮らしのため、兄弟や子供が手伝いに来てくれたが、寝る場所もない(80代女性)
○救助物資を取りにいけばくれるなんて知らない。車も水につかっているから、どちらにしても取りにはいけない(50代女性)
○家具が全部だめになってしまった(家具屋さん、80代女性)
○全部捨てないといけない。見たら悲しくなるから、見たくない(70代女性)
○水が出なかったので、お風呂に入れなかった。ペットボトルの水をポットに入れて、沸かしたお湯で体をふく程度。やっと昨日、福祉センターのお風呂に入ることができた(50代男性)
○家の隣に倉庫があり、家とつながっているため、倉庫からの水が家の中に全部入って来た(50代男性)
○一気に水が来たので、避難はできなかった(50代男性)
○1.5メートルくらいまで水が入ってきた(50代男性)
○泥はだいぶ出すことができたが、家財の片づけや、廊下はまだ掃除ができていない(50代男性)
○本棚の下半分が水がつかり、本はぐちゃぐちゃになってしまった。4、5分~10分の間に水が来た。5年前くらい前は、15センチくらいだったが、今回は前と全然違う(40代女性)
○久崎の方は、5年前も水害の被害になった。その時に家を建て替えた人がたくさんいたが、今回も被害にあい、本当にかわいそう。(60代男性)
○ここの家はおばあちゃんの家で、おばあちゃんが亡くなったあとに、学習塾を週2回やっている。塾が終わり、車で帰るときに、雨がたくさん降ってきて、あっという間に車が半分くらいつかった。どこが道路かが分らなくなり、すごく怖かった。道を知っていたので、わかる道で帰ったら、水が引いて、なんとか帰ることができた。(60代女性)
○TVを見ていて、雨が降っているな~と思ったら、5~10分後に急に雨がたくさん家の中に入ってきて、あっという間だった。こんなに水につかったのは初めて。服など1階にあって、すべてダメになった。2人暮らしだから、とても大変。今は親戚の家でお風呂に入ったり、服を買ってもらったりしている。(年配のご夫婦)
○天理教(ひのきしん隊)がたくさん来てくれて、だいぶ片付けをすることができた。(60代女性)
○19時ころから雨がたくさん降ってきた。21時30分頃あっという間に水が増えた。避難はできず、2階に行った。ここは避難所が近くないから、家にいるしかなかった。(40代女性)
○自分たちで片付けるからボランティアはいらない(60代男性)
○店の商品が全部だめになった。土砂を外に出したが、やってもやってまた土ができて、どうにもできない。時間が解決してくれるのか・・・(商店の60代の女性)
○車はもうダメになった。目を閉じると水害当時を思い出して寝られない。(50代男性)
○体調もあまりよくない。食欲もない。(60代男性)
○水に浸かった家具などを外にだした。外に出したものが道路に山積みになり、どんどんたまって、どうにもならない状態。(60代女性)
■松本(RSY理事)の感想
少し声をかけただけで、堰を切ったようにしゃべり出す女性が多く、とても疲れているのに張りつめているが感じが見て取れた。片付け終わったところに疲れが出る人が多いのではないだろうか。何か癒すことができるとよいだろうと感じた。
■柚原(RSYスタッフ)の感想
被災状況は本当に大変なことになっています。ある家は、畳の下の土砂の掃除がまだ手づかずだったり、水につかった家財道具を家の前に出していて、家の前が家財の山になっています。道路の真ん中に家財の5メートルくらいの山がありました。
かなり異臭もしています。またボランティアが入っている家もあれば、ボランティアに来てもらえることを知らない家もありました。今日は、できる範囲で1件1件家を回りました。
ボランティアセンターにいたときは、近くでも被災地の状況は分かりませんでした。多くの人の声をみんなに届けたいと思いました。また被災地のみなさんは、精神的にも、体力的にも大変な状況にも関わらず、毎日必死に掃除をして頑張っています。
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