新潟県中越沖地震[第9報]

皆様
浦野です。お疲れ様です。
現地入りしております松田より活動状況について昨日の活動報告が届きましたのでお知らせいたします。
■避難所での活動
○移動茶の間+足湯隊(高野山足湯隊)
・地元ボランティア(友の会)による移動茶の間を開催した。友の会の方は茶の間だけでなく避難所の中を積極的に回り話の輪ができていた。被災者の方も顔見知りになったせいか、先週よりも積極的に話をされていた。
・今日の茶の間は真言宗の僧侶の方々を中心に結成された「高野山足湯隊」と一緒に行った。そのため、茶の間に来なかった人も、足湯の後にお茶を飲んでいかれたりした。
○課題と対応
・トイレの使用マナーが悪いという声があった。
→こども班の遊びの活動のなかで、きれいな使用を呼びかけるポスターをみんなで作成する事にした。(各班同士の連携ができた)
・23日夕方から新しく避難所に入ってこられた人がいる。(実際いくつかの避難所の入所者数が増えている。)理由はまだよくわからない。(親戚の家等から戻ってきた?)→機会があれば新しく入所した方とお話をする予定。
・R避難所(最大の避難所)に育児ルーム(お母さんと子どもが一緒に遊べる部屋。授乳室付き。)ができた。誰でも利用可能で、特に自宅にいるお母さんに来てもらいたいので、明日村の広報(放送)で案内をする予定。
・お母さん方には、ボランティアが来ているから一緒に遊びに加われるという人と、ボランティアがいるから子供を預けて片づけができるという両方のタイプがいる。
・お年寄りも子どもと接する機会があるといいので、明日はコマやお手玉などの昔のおもちゃを持ち込んでみる。(ただし、子どもがうるさいと思っているお年よりもいる。)


[被災者のつぶやき]
・勉強部屋がほしい。(小学校高学年、中学生以上)
→R避難所の空き部屋(あれば)や小学校の部屋の開放ができないか聞いてみる予定。
・茶の間の時間以外にも、談話ができるスペースがほしい。(生活のメリハリがなく、昼も寝ているので夜に眠れなくなってしまう。また、食事も地べたで食べているというボランティアからの報告があった)
→各避難所で机といすの設置ができないか、避難所ごとのニーズの把握をする予定。
■地域での活動
○梅干隊
・紀州から梅干が届けられた。地域の人に小袋にわけた梅干を配りながら、お話を聞いて廻った。炊き出しのご飯に味がなかったので梅干は喜ばれた。また、その場で倒れたたんすを起こしたりした。たくさん集まったボランティアさんは、明日も梅干隊に加わってもらう。
・家に戻られたお年寄りも多い。梅干隊に看護師ボランティアが加わる予定。
[被災者のつぶやき]
・月曜日から若者は仕事に出てしまって昼間は老人しかいない。若者がいないと、改めてボランティアは頼みにくい。
・洗濯に困っている。洗濯はコインランドリーを使ったり、親戚の家でまとめて行ったりしているが、避難所に干せる場所と物干しがあるとなお良い。女性用の下着干し場がほしい。
→下着干し場については設置された模様。物干しについては形状を確かめて購入する。
■松田所感
被災者の方の問題
(お年寄り)
・若者が働き始めて昼間取り残されるお年よりが増え始めている。
・その結果、お年寄りの見守りボランティアの要望が増えている。
・今は、外部から看護師さん等有資格者も多く来てくれているので各避難所で対応できるが、そのうちにひとつの避難所などに集まって見守りを行うこともできるのではないか。(できれば住み慣れた地域で見守れるのがベスト)
・在宅のお年寄りが心配だが、今はまだお伺いするような人的資源に限られ、ボラセンに「一人暮らしのお年寄りの特別ケア」に目を向ける余裕がない。梅干隊などのローラー作戦に頼る。
(子どもとお母さん)
・ストレス反応を見せる子どもにどう対応していいかわからないお母さんは、潜在的に相当数いると思われる。
・学校が休みに入ったため、学校からの「心のケア」情報の発信などがされにくい。
・村の学童保育(1縲鰀3年生)は仮教室で再開されたが、4縲鰀6年生を預ける場所がなく働くお母さん達は困っている。
・公共の仕事についているなどで旦那さんが家を不在にすることに関してストレスを感じている人もいる。
・今のままだと、子どもは全く勉強しなくなる。勉強の時間、スペースを作っていくことも考える。
(コミュニティ)
・梅干隊などの活動により、集落ごとの特徴、被害状況が明らかになってきた。
・避難所のお年寄りは元気がないが、集落ごとに集会所に避難しているという周辺部の小さなコミュニティの人達は、情報が来ていないが、比較的元気。
・家は被害が大きな集落では全体の半数縲鰀8割程度の家屋が赤紙・黄紙の被害を受けている。
・家の再建問題はしばらくすると大きな不安になるだろう。