新潟県中越沖地震[第17報]

皆様
浦野です。お疲れ様です。
現地入りしていたRSY・松田より報告が届きましたのでお知らせ致します。尚、震つな・RSYからのスタッフ派遣は、派遣スタッフの調整のため、一時ストップしますが、引き続き現地の方と連絡を取りながら、情報収集・対応検討に努めていきたいと思います。[2007.8.2現在]
■刈羽村災害ボランティアセンターの概要
○ボランティア受付数
・ボランティア受付:191
・活動人数:115
・ニーズ件数:23
○刈羽村ボランティア受付の状況
・新潟県派遣のボランティアバスは終了(ニーズによっては再開も)
・福井県からのバス40名、津南町からのバス20名、東京電力のボランティア40名等に来ていただいている。
・バスボランティアはそのままサテライトに行っていただき、各避難所(近く)に設置されたサテライトに寄せられたニーズに応える等の活動を行っている。
・今は、粗大ゴミの片付け、仮設への引越しを前に依頼自体は減少している状況。


■避難所内での活動
・避難所内の気温が高い。散歩をかねて涼しい避難所Rへ行く事を提案するが、日中動きたくないお年寄りが多い模様。
・こども班は寄贈されたスイカでスイカ割りを行い、大いに楽しんだ。また、小学校のプールが壊れて使えないため、ビニールプールを設置した。1.5m程度の小さなプールだが、水浴びなどで楽しんでいた。
・一方、避難所によっては、今頃になって子どもの言動が暴力的になってきているところがある。こども班は同じスタッフが長期的に入っているので、これからも様子を見守る。
・お茶会は好評なので、今後も週2回ずつ開催予定。
・避難所内の掲示物が新旧乱れて汚い。明日整理することにする。
■松田所感と今後の課題
[避難所での高齢者への対応]
・新潟は昨日梅雨明けが報じられましたが、今日のボラセン前の気温は37度まで上がったらしいです。今日の報告で「避難所ごとの暑さの差が激しい」とありました。確かに体育館などでは明らかに外のほうが体感温度が低いです。お年寄りは余計に日中動く気力を無くしています。お散歩の代わりに涼しい施設(避難所R)まで歩いていくことをボラさんが提案したそうですが、知り合いがいないからとそれも拒否。ボランティアの活動時間の制限はあるけれど、本当はそれよりも朝6時くらいのお散歩に誘うほうがいいんだと思います。
[足湯ボランティア]
・高野山足湯隊のGさんと少し話をしましたが、足湯も夕方以降仕事から帰ってきた人の疲れを癒す時間帯に行うべきという意見で一致しました。足湯は夕方に開いてもらう事も可能ですが、お散歩ボランティアさんを早朝に見つけるというのは刈羽村に宿泊施設がないこともあり今のボラセン体制では難しいです。早朝夕刻のボランティア活動って未開拓領域なんでしょうか(考えてみれば夏特有の問題かも知れません)。
[仮設への引越し]
1.避難所にいる被災者が固定化し、この方々ほぼ全員が仮設に移る。この中から特に注意が必要なお年寄りを見守り(頼まれていない人も)を行い、その情報を仮設に移った後も引き継げるようにする。
2.それとともに、この方々の引越しが機械的な作業にならないように、見守りボランティアから、「引越しはどうするの?」などの声かけを行っていく。(稲垣さんの言葉)
3.子どもに関しては遊んでくれるボランティアさんがたくさんいて、夏休みを過ごしている。中学生くらいの子の中にはボランティアごころの目覚めた子もいる。この子たちの活動を支えていくと共に、どうやって地域に理解してもらうかを考える必要がある。
4.在宅の被災者は、支援の必要な人がますます控えめに、自力で動ける人(の一部)がますます行政依存になる傾向にある。新しい行政サービスは広報で放送されるため、本当に必要な人に届かないようだ。役場の方が目ぼしい高齢者世帯に声をかけてもいるが、「自分で何とかできるから」と断るケースが多い。せっかくのサービスが生かされず歯がゆい思いもするが、「自分でなんとかする」という方たちには、いつも見ていますよというメッセージを根気強く送るしかないのかも。
[今後求められる支援の多様性]
上記のように、避難所班の状況は、テーマはだんだん絞れてきた、しかし求められる仕事は多様化する一方、といったところです。
・被災者個人個人の状況、避難所ごとの状況に差が出てきており、それに対応するためにボランティアの活動の種類が増える。すると、例えば以前は全避難所一括して指示をしていた活動も避難所ごとに違った対応をせざるを得なくなる。
・一方、スタッフの入れ替わりも激しくなり、引継ぎが難しくなる。
・その結果、細かいニーズに応えようとすると、せっかく実施に移された取り組みの質が荒くなってしまうというジレンマがおきる。(「つぶやきカード」の種類が増えた一方、その意義が忘れられがちになっている、等。)
・限られたスタッフでこのジレンマを解消するのは容易ではありません。ボラセンスタッフは、そういう時こそ前にも述べたように、どちらの選択が被災者本位か、地元主体かという基準で判断を下していく必要がありそうです。