新潟県中越沖地震[第 18 報]

皆さま
清野です。お疲れ様です。
現在、震つな・RSYからの派遣スタッフが一時ストップしたために情報が途切れてしまい、大変申し訳ございませんでした。
昨日8/6夜、神奈川・加納さんが刈羽入りし、8日まで刈羽ボラセンで活動されます。なお、本日の報告は、刈羽ボラセンの避難所班を担当している中越復興市民会議スタッフからのヒアリングを元に作成しました。[2007.8.6現在]
■避難所内での活動
・配食サービスの手伝い:在宅の被災者、特に高齢者世帯向けの、お弁当の配色サービスの手伝いを昼と夕方に行っている。4箇所の避難所に、ボラセンから2人ペアで行っている。基本的には、避難所まで取りに来てもらうが、取りに来られない10軒ほどの世帯には、配達も行っている。配達の時には、体調確認なども行っている。
・飛び込みで、東京から大道芸人の人が来た。避難所をいくつか廻ってもらい、ジャグリングをやったり風船で人形を作ったりして、けっこう好評だった。
・炊き出しの残量調査を行った。自衛隊の炊き出しが終わり、給食業者のご飯に変わったが、夏場なので、火を通したものをという配慮からか、毎日のように揚げ物が出る。炊き出し終了後、確認したところ、結構あまっていた。給食業者に、野菜の補充について、希望は伝えているが、さらなる改善が必要。


・2箇所の避難所で、お茶会を行った。片付けに自宅へ戻ってしまうので、避難所には日中、人がいない。しかし、片付けから一旦戻って、お茶会でお茶を飲んで、また片づけへという人もいるので、参加者は少ないが、これからも継続していく。地元のボランティア友の会の人たちが開催しているので、話しやすい雰囲気があると思う。最初は、地震の時うちはこうだったとかいう話が多く話されていたが、最近の話題の中心は、仮設住宅のこと。重要な情報交換の場所になっている。
・喫茶班からの提案で、カキ氷を実施。かなり好評。カキ氷の削る音を聞いて、普段動いたりしない高齢者も、集まって来てくれた。
・ラジオ体操の実施。15時くらいからテープをかけて、ラジオ体操を実施している。高齢者の参加者が多く、好評で、在宅の人も、ラジオ体操をやりに来ていたりする。
■入浴について
・自衛隊のお風呂は、深さがあり、高齢者など利用しにくい人のために、福祉センターのお風呂へ送迎を行っている。福祉センターのお風呂は、手すりや足場などがある。事前に申し込めば、時間帯によっては入浴介助も受けられる。現在、避難所の住民だけが利用しているが、在宅の被災者の中にも利用したい人はいるはず。避難所以外の人の利用について、今後、確認と調整を行うことにする。利用が出来ることになれば、そちらの送迎も行う。
・先日の台風のときに、お風呂が中止になり、その時に、ある企業が無料開放している浴場に行った。お風呂の利用だけでなく、避難所の外へ出かけるということも楽しんだようで、好評だったため、役場がその浴場まで毎週木曜日に、バスを運行することになった。
■避難所の環境について
・避難所の出入り口や、洗面所にうがい薬を大きなペットボトルに作って、おいてあるが、利用者が少なく、多くが残っていた。これまで、毎日作っていたが、今度から、自分で必要な量作ってもらうようにする。うがい薬の利用の仕方を、分かりやすく表示することにした。
・現在、医師が1箇所の避難所に夜7縲怩X時の時間帯に来る。診てもらいたい人は、その避難所まで行かなければいけない。ボランティアで、送迎なども行っている。しかし、急病や症状が重い巡回の時間まで待てない人は、診療所へ連れて行った。体調が悪い人は、増えているようだ。避難所内の暑さもこたえている。
・避難所内は暑く、35度くらいある。扇風機はあるが、クーラーのある部屋が一部屋しかない避難所がほとんど。暑さ対策として、氷の柱を置いている。そこで、涼んだり、飲み物を冷やしたりしている。
・子どもに声掛けし、避難所内の掃き掃除やトイレ掃除を一緒に行っている。子どもを巻き込むことで、大人も掃除に参加してくれることを期待しているが、まだ大人の反応は鈍い。
・学習コーナーを新設。避難所内の生活スペースでは、勉強が出来ないため、ボラセンのある建物に自習室をつくったが、暗い、行きづらいなど不評だった。図書館の営業が始まるまでの対応として、以前から子どもがよく出入りしていた生涯学習センター「ラピカ」に学習コーナーを新設した。
■つぶやきカードから
「仮設住宅の場所が、遠くて不便」
「近所の仲間で、まとまって仮設に入りたい」など、仮設住宅への不安、疑問の声が増えている。
◆中越復興市民会議/Sさんへの聞き取りから
刈羽村に関しては、中越地震に続いて2回目の被災という影響が大きい。
自宅をようやく再建し、仮設から戻ってさほど経たないうちに、今回の地震に見舞われたという人もいる。高齢者の中には、昭和30年代の新潟地震で被災した人も。
仮設住宅は、柏崎1000棟、刈羽に200棟建設される。
柏崎では、仮設住宅を地域ごとに建てている。刈羽は、200棟を1箇所にまとめて建てるか、もしくは、分けても2カ所に建設される予定。
仮設住宅は、お盆を目標に建設が進んでいる。お盆には仮設に入居してホッとしたいと思っているだろう。
避難所には行かず、地域の集会所に避難している人も、まだおり、地域の了解を得て仮設が出来るまでそこにいるようだ。
液状化の影響が大きいところは、地域ごと集団移転すればいいと言った話もあがっているが、井戸水など水利の都合で、その場所を選んで住んでいたりするので、そう簡単ではない。
ボラセンを通じてボランティアを派遣する他、中越地震の時に被災を経験した地域と今回の被災地の住民とをつなげることも行っている。
今日、小千谷市浦柄地区で復興に取り組む人たちと刈羽村の区長さんとを顔つなぎする目的で、刈羽村の現場へ行った。「区長は、これからの復興の過程で、仕事がたくさんあるので、他の人より多少楽しても、無理するな」といった、アドバイスをもらっていたようだ。「経験者からアドバイスをもらい、安心した」と言っていた。
今回の地震では、「寄り添う。」ということを、キーワードにボラセンの活動が進められている。ボランティアからは、「作業するだけがボランティアじゃないんですね」と言う声を聞く。こうした声を拾うことが復興へ向けた具体的な活動へ繋がると言うと、ボランティアは納得するようだ。災害ボランティア全体が、まだ、このレベルかとも思うが、そうやって裾野が広がって行くのだと思う。
ボランティアへの理解を持ってもらうため、意識的に地域の集会所をボラセンのサテライトにして活動している。その甲斐あって、地域の人のボランティアに対する認知度もあがっており、「あんたらも大変だねえ」と声をかけられることもある。
刈羽村にも無認可の小規模作業所2カ所ある。
地震前からの計画で、障害者支援のシンポジウムを開催する予定があり、複数の当事者団体と計画を進めているのだが、今回の地震が起こったことをきっかけに、そのメンバーを中心に中間支援的に応援して行くようなプロジェクトを建てられないかと考えている。
<清野の感想>
避難所での暑さ対策は、大きな課題と思います。避難所生活で、体調を崩した方がそのまま、仮設住宅へ入ることにも、不安を感じます。
震つなのMLに暑さ対策として、ペットボトルに水を入れて冷凍したものを配ってはどうかという、アイディアを投稿していただきました。また、ケーキなどについてくる保冷剤を手ぬぐいで包んで首に巻くというのもよいのではと思います。海の近くであることから、水産関係の会社から、保冷剤の提供をしてもらうことができないかと思ったりしました。これについては、市民会議スタッフの方に伝えました。
それから、情報共有・交換の場所も大切な役割をもっていると思いました。現在は、参加者が少なくても、気軽に話が出来る場所が、「いつもそこにある」というのが大切ではないかと思います。
また、今回ヒアリングを行ってみて、ボランティアセンターの日々の運営が、中越復興市民会議ほか、地元の行政や社協やボランティアの方々の大変な努力のもと、行われているのだと実感しました。また、ボラセンからのボランティア派遣のほかに、地域と地域をつなぐという、ボランティアセンターが開設されている期間だけでなく、その先までを視野に入れた活動は、さすがだと思いました。
ーーーーー 募金のお願い ーーーーー
震災がつなぐ全国ネットワークでは、今回の中越沖地震被災地を、引き続き応援していくために、ボランティア活動支援募金を呼びかけます。
この募金は、被災地へのスタッフ派遣費用のほか、支援プロジェクトの運営資金などに使われます。皆様の温かいお心をお待ちしております。
災害ボランティア活動支援募金
郵便振替口座:00920-7-75997
加入者名:震災がつなぐ全国ネットワーク
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