中村です。
愛知県建設部建築担当局主催の講演会に参加してきました。
「中国・四川大地震の現場から~私たちが学ぶこと・できること~」と題しており
四川を支援したい私にはピッタリな講演だと思い、参加しました。
講師はNHK報道局社会部災害班専任記者の入江さやか氏でした。
みなさんはすでにご存知なこととは思いますが
中国・四川大地震とは
・中国名「豎カ川(ウェンチュアン)地震」
・2008年5月12日午後2時28分ごろ(現地時間)
・マグニチュード7.9(兵庫県南部地震の約30倍のエネルギー)
・揺れの強さは日本の震度で7に匹敵?
(中国では震度計を埋めていないので詳細は不明)
・龍門山断層帯(約500キロ)のうち285キロが動き、
内陸活断層の起こす地震としては最大級
四川大地震の被害として中国政府が発表している情報は
死者 68225人、行方不明者 17924人とのこと。
まだ行方不明者がいることが確実にわかっている現場に
重機が乗り上げて掘り返しているシーンなどは
ご遺族の気持ちを考えるといたたまれなくなりました。
数々の報道で校舎の崩壊が言われていますが
入江氏の撮影した校舎倒壊の写真のうちの一枚には
床・天井が落ち、残った壁に黒板が縦に三枚並んでおり、
三階部分にあたる黒板の脇に教育用の大きな黄色い分度器がありました。
壁にフックで掛けられた分度器が落ちず床と天井が落ちたことになります。
本当の震度は一体何度だったのでしょうか。
また分度器の落ちない震度でこの建物が崩壊したはなぜなのでしょうか。
いろいろ考えさせられることがありました。
仮設住宅の資材については発災後に急遽作られた壁材が特徴的でした。
10センチに満たない厚みの発砲スチロールを鉄板で両側から挟み
コンクリートの床材の上に建てていたとのことです。
屋根材の材質は不明ですが、強度は大丈夫なのかが心配です。
中国ならではのよい面も見られました。
倒壊してしまった自宅兼商店の前に政府から支給されたテントを張り
簡易商店を開業していたり、
また、避難所の中にスーパーマーケットが開店していたり、
固定電話の普及が遅かったこの地域ではかなりの山間部でも
携帯電話が通話可能であったこともあり、「被災特価!」のロゴを並べて
携帯電話用電池を販売していたり。
中国の方々の逞しさにこちらまで元気づけられました。
中国政府も被災地内の感染症についてはかなり気をつけており、
毎日のように避難所や道路を消毒していたり
水や食料を配布する軍や調理師はゴム手袋とマスクを着用させたり。
中でも被災地エリアから成都市内に戻る車両については
高速道路の料金所付近で消毒液の噴霧をしてまるごと消毒していることには
とても驚かされました。
今回、入江氏から現地で通訳を頼んだ男性の連絡先を教えていただいたことは
これから支援をして現地に入りたいと思っている私たちには
とても心強いこととなりました。
また何かの折にご報告ができればと思っています。