みなさま
いつもお世話になっております。
8月9日に発生した兵庫県佐用町での水害からもうすぐ3週間が経ちます。
RSYでは、8月12日~18日、22日~23日の2回に渡り、震災がつなぐ全国ネッ
トワーク・なごや防災ボラネットとの連携のもと支援活動を続けてまりました。
おもな活動内容は下記の通りです。
・佐用町に設置された災害ボランティアセンターの立ち上げ・運営サポート
・現場でのボランティア活動
・被災地の情報発信
・ボランティア活動資器材の提供
8月22日~23日に活動にあたった、RSYスタッフ2名、なごや防災ボラネット
6名、RSY機関紙「あるある」編集委員1名の計9名より、活動報告が届きまし
たのでご紹介致します。
土砂・泥かき等の力仕事がメインの支援から、今までずっとがんばり続けてき
た心身を緩め、ホッと一息つけるような場の必要性がより高まっていると感じま
す。また、本格的な生活再建に向けた行政支援やそのための情報提供なども大き
な課題です。
被災された方のニーズが変化する中、長い復興を下支えできるような外部支援
者の関わりが必要だと感じ、RSYとしても今後の具体的な支援を検討・模索し
ています。とはいえ、兵庫県は阪神・淡路大震災や2004年の風水害で大きな被害
を経験しており、その中で地元社協や市民団体同士の連携・結束も充実している
地域です。かえって私たちが学ばせて頂く部分も多いと感じております。
引き続き皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以下報告
佐用町災害ボランティアセンター 久崎支所での2日間の報告です。
2日間は高圧殺菌洗浄を行うための前処理作業を行いました。
1.活動報告
8月22日(土)
老人福祉センターの清掃
10:30~17:00
・ロビーの清掃お風呂場の泥だし
・トイレの泥だし及び清掃、調理室の清掃
・広間の床板はずしと床下の泥だし
・庭の泥だし
・掲示物の取り外し
快晴37度の中での清掃作業で、佐用支所で22歳の男性が熱中症になったとの報告
もあったような日で、休憩を入れながらの作業でした。
8月23日(日)
・老人福祉センター清掃後の後処理
・町立保育所の清掃、ボランティアセンター撤収に伴うボランティア休憩室の清
掃、現状復帰
・曇り31度で土曜日よりは動きやすい一日であった。
○老人福祉センター
・欄間にはめ込まれた障子をはずす。画鋲取り、
○保育所
・掲示物の取り外し
・和室の床下泥だし
・庭の泥だし
・テラスの清掃
・物の分別(ゴミとゴミ以外のもの)
・ボランティア休憩室のせい清掃
・ブルーシートを雑巾がけ、たたみ
・部屋全体のほうきがけ、雑巾がけ
・玄関ホールのほうきがけ
2.被災地の様子
・線路の下の石がえぐられている状態のままであった
・道路の土砂が取り除かれたこともあり、異臭はしなかった。
・地域の飲食店が再開し始めたといううれしい話も少しずつ出てきた。
・炊き出しで、中止になった夏祭りで売るはずだったかき氷を出してくださって
いたご家族がいた。ご自身も被災されたそうだが、ボランティアさんに食べても
らいたいと思い、「がんばってください」といいながらかき氷を配っていらっ
しゃった。
・「ボランティアさんありがとう」の看板や紙がところどころに貼られていた。
3.被災者の声
・町営住宅に住む一人暮らしの女性(80歳代)
足が不自由で、一人では何もできん。毎日弁当で、ご飯も硬くてあんまり食べ
られん。
近所の人が声をかけてくれて、片づけなど手伝ってくれている。中学校のボラ
ンティアも来てくれて、とても助かった。阪神淡路大震災の被害に合い、親戚が
いたため佐用に引っ越してきたが、ここでも2度の水害の被害に遭い、どうして
いいか分からん。
・町営住宅に住む一人暮らしの女性(70歳代)
避難勧告が有線で流れたので、近くの知り合いのアパートに逃げた。その時
は、膝くらいまで水が来ていた。水は渦を巻くように流れ、車も流れてきた。4
年前の水害もあり、荷物をまとめるよりも、すぐ避難したほうがいいという頭が
あっため、何も持たずにすぐ避難した。
・60歳代男性
以前も水に浸かった。自分の区域で死んだ人がおらんかったのでほっとしてい
る。前向きに考えていかんとやっとれん。
・被災した友達から「自分は高いところに住んでいて、町が見渡せる。町が流さ
れてしまう。」という内容のメールを受取り、ボランティア活動に参加した。
4.今後の支援について思うこと
・ボランティアが活動して、少しずつ片づけ作業は進むが、被災者の方はかなり
疲れているように感じるため、今後催しの開催などをして、被災者がほっとでき
る時間をつくることができたらと思う。
・神戸大学の足湯隊というものがあるように、名古屋で○○隊という活動を発足さ
せ、現地へ誰かが随時行って行えるようなものがあるといいなと思う
・どのご家庭も片付け作業一色という感じ。今後、片付けなどの作業の合間に、
足湯隊やお茶会などの場で聞き取り調査などを含め、一息ついていただける場の
提供が必要と感じた。
5.その他気がついたこと
○雑感
・佐用を離れると、情報は全く入らないと感じた。
・被災者は情報を得る手段がないので、情報を得られる場があるといいと思った。
・足湯隊のことがもっと多くの方に周知できたらいいと思った。
・避難所の中に相談窓口があったが、気軽に相談をできる場所がもっとあったほ
うがいいと思った。
・被災者の方は、精神的な疲労もある上に、毎日清掃や、作業に追われており、
息つく暇がないように感じた。
○作業について
・一日仕事で出かけるのであれば、マスク、軍手、ゴム手袋などは替えを用意する。
・水分補給、塩分補給、糖分補給の準備
・クーラーボックスの準備
夏場の作業では、昼食の用意に配慮が必要
・薄い長袖、長ズボン着用
・水害時の清掃は、靴を履いたままで行う。先方のことを考えて靴カバーを用意
する。
・水害時のボランティア作業中に傷をしたときの処置方法は流水で搾り出し洗い
(10分以上)、後は冷やす。
・釘を踏み抜いたときは、病院で破傷風の予防注射を受ける。
○休憩について
グループ別に休憩を入れるようにお願いしたが、人によって休憩が取れないこと
もあり、強制的に休憩を入れる必要を感じた。午前の休憩と午後の休憩とは違
い、午後は多めに休憩を取る必要がある。
○泥だしについて
・きちんと泥を出してから、水で洗い流すこと。泥が乾いてしまった場合も同
様。配管が詰まる原因になる。
○水害後の掃除道具について
・高圧洗浄機は必需品。
・熊手、鋤簾、ねじり鎌、箕、びっちゅう(三本刃)など