2009 年台風 9 号水害(兵庫県佐用町)【第 11 報】

台風9号の被害を受けた兵庫県佐用町で活動中の事務局スタッフ・柚原より15日、16日の活動内容が届きましたのでご報告します。なお、柚原からは本日午前、一昨日送付しました陶器を無事受け取ったとの報告がありました。陶器を寄せてくださった産地の皆様、梱包に協力くださったボランティアの皆様、ありがとうございました。柚原とインターン1名は本日名古屋に戻ります。
■2009年 9月15日(日) 曇り
【時間】 11:00~12:00
【場所】 A作業所
【内容】 被災地NGO恊働センターより作業所が9月末に出展するバザーに使うタオル2箱を贈呈
※13:30 インターンのBさんと合流
【時間】 13:45~
【場所】 笹ケ丘ドーム(笹ケ丘荘の近く)
【内容】 救援物資の抽選会の様子を見学
【時間】 14:00~17:00
【場所】 久崎、佐用町周辺
【内容】 被災地を周る
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■A作業所
・知的障害者の方の共同作業所
・作業所が被災したため、今は保健所中の一部を借りている
・自立して活動ができる方が作業所へ来ている
・今日作業に来ていた人は約10人
・煙草とライターがセットになって入っている箱を作っている。ライターを入れて、完成させる(コンビニのレジなどに置いていある)
・布を縫い合わせて、袋を作る(手ぬい、あるいはミシンで)
・被災する前は、ドーナツなどを作って売りに行っていた
・今日は保険師の方が来て、一人ひとりの健康状態、カウンセリングを行っていた
・医学生3,4人が研修に来ていた
・利用者の方の気晴らしも兼ねて、9月19日バザーに出展
【救援物資の抽選会】
・町職員の方が、当選者の名前を読み上げ、救援物資一覧表に名前を記入
・抽選会場には、20人くらいの方が来場
■『救援物資の抽選会場』
≪ インターンBさんより ≫
家具の抽選は、意外と人が少なく、結果発表を聞いている人は20人足らずでした。何千世帯も被害に遭っているはずなのに、なぜこんなに人が来ていないのかという疑問の答えは、申し込みの条件として配送・運搬を自己負担で出来る事というのがあったようです。
≪ 抽選会場に来られていた方のお話 柚原 ≫
(70代男性)
・4年前にも水害の被害に遭った
・お店をやっていたが、4年前の水害で、商品がダメになった。再開までのめどはつかず、お店を閉めることにした
・前回の被害で、家はぼろぼろ。借金500万円をした。まだその借金も返済できていない。今度借りると、2パーセントの利子がつく
・今は娘さんの嫁ぎ先の家に住まわせてもらっているが、外へ言った娘のところに長いこと泊らせてもらうのも、申し訳ない
・今回の被害は全壊。家にはもう住めないのでここを離れようかと思っている
■『現場を訪れて』
≪ インターンBさんより≫


久崎、佐用の橋がめくれあがっている所や、川が決壊し、頭の上まで水に浸かったアパートを見たり、天井近くまで水が迫るのを物を積み上げてその上に乗って耐えたという話を聞くと、その恐ろしさは想像を絶するものだったろうと考えさせられた。
紙切れ一枚すら使えるものが残らないという水害被害は、ある意味地震災害よりショックが大きい事を知りました。それに加え、浸水被害というのは、道路の土砂やゴミが片付けられてしまうと、中がぐちゃぐちゃでも、外からは判りにくいので、復興から取り残された人に対して、どうやってニーズを引き出していくか考えることも重要だと感じました。
■柚原所感
被災地では、今を必死に1日1日を生き抜こうと頑張っている方々、一人ひとりの命と必死に向かい合おうとしている方々がいらっしゃいます。私達はその現実を知りました。そして多くの方が声をだして訴えています。
名古屋のみなさんが送ってくださった陶器は、被災者の方々にとって、とてもとても貴重な陶器です。救援物資を取りに来た方々が、何度も何度も頭をさげて、「ありがとうございます。」「ありがとうございます。」と言われます。少しでも近くにいる存在になることができればと思います。そのためだったら何でもいいのだと思います。私たちにできることはあります。私とインターンBさんと17日に名古屋のみなさんからの陶器を受け取ります。受け取りの窓口にならせていただき、みなさんの思いもこの佐用に届けたいと思います。
■2009年 9月16日(日) 曇り
【時間】 9:30~16:00
【場所】 笹ケ丘ドーム
【内容】 救援物資を取りに来る方々に対し、物資を車に積み込む、または物資
を届ける。第2次抽選会のために運ばれてくる物資を車から下す作業の手伝い【参加者】日本災害救援ボランティアネットワークNVNADより、Aさん、Bさん、被災地協働NGOセンターより、Cさん、Dさん、ボランティアさん1名、学生3名とRSYインターンEさん、柚原
【時間】 14:00~14:45
【場所】 久崎商店街内のお宅
【内容】 床下に竹炭を入れる作業を手伝う
【参加者】 日本災害救援ボランティアネットワークNVNADより、Aさん、Bさ
ん、被災地協働NGOセンターより、Cさん、学生2名、柚原
【時間】 16:30~18:00
【場所】 佐用川沿い
【内容】 行方不明の小学生の捜索活動
【参加者】 柚原、インターンEさん
【救援物資の運搬の手伝い】
・佐用町社会福祉協議会のFさんが会場へ来られる
・9時を過ぎると、会場に受け取られる方々が来場
・町の職員の方が名前を確認し、受け取られるものを確認
・町の職員の方と一緒に物資を車に積み込む
・第2次抽選会の物資が運ばれてくるため、場所の確保、搬入された物資を下す
・メディアの方が少し来られていた
【床下に竹炭を入れる作業】
・商店街内の家の床下へ地元の方Gさんの誘導で参加者6名車で移動
・参加者はマスクをし、袋に入った炭(細かくなっている炭)を少しずつ入れる
・自治会長さんが様子を見に来てくださった
【柚原とインターンEさんより報告】
『救援物資運搬の手伝いについて』
≪ インターンEさんより報告 ≫
高齢者のみの世帯が多い地域であるから、積極的にボランティアを入れて、自分で運べない人の手伝いができたらと思いました。また、多くの方に物資が行き渡る様にしたいと思いました。今日は、役場の車で、自分で運べないお宅へ救援物資を運搬する手伝いを積極的にしました
『竹炭を入れる作業』
■周りの方は、ここを出たらと言っていたようだが、ご主人はここを動きたくないと言われた。Gさんの友達により、お店の壁をきれいにし、再開にこぎつけた。
・自治会長さんからも「多くの方が炭が欲しいと言っています」という声を頂いた
・床下の泥出しが終わり、床が乾いているこの時期に、炭を入れるのがよいと感じた