不定期学習会「近自然河川工法と防災」開催しました

 皆さま
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 お世話になっております、スタッフの関口です。
 RSY不定期学習会「近自然河川工法と防災」を8月6日夜、当事務所が入る名古屋建設業協会(名建協)の1階会議室をお借りして開催しました。
 本年度事業の「防災の森づくり 川づくり」の一環として、山と川の関係を防災の視点から見直してみようというテーマ。講師にはRSYではおなじみの名建協会長で「山田組」社長の山田厚志さんと、元愛知県建設部治水監で山田さんが事務局を務める「近自然工法研究会」会長の本守眞人さんのお2人にお願いしました。
 山田さんは、柳田國男が詠んだといわれるhuteiki2.jpg
 「美しい村などというのは
 はじめからありようがなくて
 そこに住んでいる人たちが
 美しく住もうと思って
 はじめてできるのである」
 という詩を防災に置き換えて紹介することから始め、水害は自然災害なのだろうか、そもそも川は制御できるものなのだろうか、という「逆転の発想」を促しました。そして、美しく愛着のある河川環境をつくることが水害への備えとなっているスイスやドイツの例を引き、「近自然とは単に自然に帰れということではなく、自然の力を賢く利用して、個の自由に先立つ『群れの安全』をつくる文化の問題」だと強調しました。
 一方の本守さんは、日本に古くから伝わる河川伝統工法を数多く紹介。戦国時代の巧みで大規模な治水事業の跡が今に残る「信玄堤」や、RSY事業でも取り組んでいる「粗朶」の活用例などを挙げ、「これらはもともと地域住民が持っていた技術だが、今は施工する人がいなくなってしまった。すべてを伝統工法に戻すことはできないが、発想を現代に生かしてほしい」と結びました。
 山田さんの軽快な語り口と、本守さんの豊富な資料もあって、まさに「楽しくてためになる」2時間。手探り感のあった「防災の森-」事業にも多くのヒントをいただけました。
 本事業は9月4日の「防災フェスタ」での発表展示を経て、11-12月には実際に岐阜県の森に入り、粗朶づくりを体験することで森の現状を知って、市民レベルでできる森の手入れや川へのかかわりを考えていきたいと思っています。
 引き続き情報発信していきますので、よろしくお願いいたします。