dcセントラルキッチン その3

今日は土曜日。セントラルキッチンでのボランティアデーです。
いつものように9:00にミーティングルームに入ると、既に10名ほどが集まっていました。
今回の参加者は全て大人です。
数名の方に所属などを尋ねると、8名が行政からの委託事業を受けているIT関連会社のボランティアグループ、そして私を入れて3名が個人で参加しているということが分かりました。
今日は、1.サラダづくり2.豆のスープづくり3.野菜・肉のカッティングの3つの役割に分かれて作業開始。巨大寸胴が3台並んだコンロでは、絶え間なく豆スープが作られています。
今回は約500名分のスープを作るとのこと。1つの寸胴に材料を継ぎ足しながら、2~3回に分けて、トレイ18皿分のスープが出来上がりました。
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私はまたまたカッティングチームに配属されました。おかげで包丁さばきはここ最近、かなり上達しているように感じます。最初に小ぶりの新じゃが200個ぐらいをひたすら細かく切り、次にローストビーフを一口サイズに切りました。
隣で一緒に作業をしていた方に話しかけると、彼女は薬剤師さんで、行政からの依頼でハリケーン・カトリーナの被災地で支援活動にあたった経験もあるとのこと。私もRSYの仕事について話をすると、「同じようなことをやっているのね」と興味を持って聞いてくれました。私が色々な市民活動を体験してみたいと言うと、ボランティアの斡旋団体なども紹介してくれ、よい情報収集の場にもなりました。
ちなみに「このローストビーフ、普通で買うといくらぐらい?」という私の質問に「これは結構高いわよ。多分2500円ぐらいだと思うわ。質もいいし、私が食べたい」と言っていました。しかし、これも全て無料。寄付で集められているのです。つくづく素晴らしい仕組みだと思います。
そして今回嬉しいことが一つありました。
セントラルキッチンのスタッフが私のことを覚えてくれたのです。
前回風邪で休んでいけなかったことに対し、「この間来なかったけどどうしたの?」と開口一番声をかけてくれました。私は緊張もあって、過去2回の活動ではほとんど周りの人と話すことができませんでした。
東洋人が少ないということもあったとは思いますが、それでも、そんな私のこともちゃんと見ていてくれたということが、何より嬉しく感激しました。
今日は、とにかく一言でも、二言でも周りの人と話すことを目的にしていたので、勇気をもって何人かの人に話しかけたところ、思った以上に気さくに私の質問に答えてくれました。
発音が悪かったり、文法もめちゃくちゃだったろうと思いますが、不思議なことに、それでも私の言いたいことは大方伝わっているのです。そして相手の言っていることも何となくわかり、10分程度の会話が何とか成り立っていたことに、わがことながら驚きました。
スタッフの話しによると、セントラルキッチンには総勢100名を超すスタッフが働いているとのこと。それぞれ、食事を作る人、食材を運ぶ人、ホームレスの方々に配る人などいくつかの役割が与えられています。業務の一部は、トレーニングを受けたホームレスの方自身が担っているというのが、この団体の大きな特徴でもあります。
そんな話を聞きながら、私も日本での仕事のことを話しました。しかし最後に思わず、「でも私は英語がなかなか上達しないから・・・」とポロリ。すると彼は「俺がもし日本にいたら、日本語全然分からないだろうから、一緒のことだよ。お前だけが特別じゃない。心配すんな。」と笑顔で言ってくれました。
その一言で、今までカチカチだった肩の力が少しだけ抜けたような気がしました。
そして帰り際、「今度はいつ来るんだい?」と言った彼の言葉が、「そのままのお前でいいんだよ」と言ってくれている気がして、自然に心が緩んで行くのを感じました。
他にも私の質問に、私が分かるまで付き合ってくれたスタッフもいて、ここにはちゃんと「人」を見ているスタッフがいるということを実感しました。私が救われたように、ここに居場所があると感じて、今まで救われてきたホームレスの方々の姿が目に浮かびました。
まだまだ入口にしか立ててないですが、この団体はとても奥の深い活動をしていると感じます。
来週のボランティアデーでも、小さいくてもいいから、新たな発見と前進がありますように。