RSY浦野です。
3月28日(月)・宮城県七ヶ浜町での被災者支援活動の報告です。
【被害概要(3月28日8:00現在:七ヶ浜町災害対策本部調べ)】
・死者:54名(うち身元不明者:3名)
・安否確認不明者:22名
・負傷者:17名
合計:93名
○避難所
松ヶ浜小学校、生涯学習センター(中央公民館)、七ヶ浜国際村、七ヶ浜中学校(武道館)、亦楽小学校(全6施設・避難者数:1,109名)
【七ヶ浜・国際村】
・ホール、ギャラリーなどがある町の文化施設。コンクリートのモダンな造り。
RSYが拠点にする中央公民館からは自転車で約10分。
・食事は1日2食。朝はおにぎりやパンにハムなどの配給。夜は施設内にもともとあった「カフェ」の人たちが工夫して汁物を中心に出していて好評。
・福井県の民間団体(個人?)がシャワー施設を設置。300人以上の被災者が一通りシャワーを浴びることができた。きょういったん引き揚げるが3、4日後に再び戻ってくると言い残した。(現地にはテントとタンクだけが残っていてどんな機材を使ったのかは不明)
・トイレは掃除が行き届き、電灯もつくようになっている。
・生活用水は近くの池から手に入れているが、町内全体で節水が呼び掛けられていることもあって確保しづらい。足湯をやるなら水を持ち込んでもらえらればいい。
・医務室はカフェスペースを借りて被災以来、島根のDMATが対応。かぜの相談が多いがはやっているほどではない。
・50代の女性被災者「菖蒲田に住んでいたが家も何もなくなった。家の跡に水仙の花が残っていて涙がこぼれた。2日間車で寝泊まりし、中央公民館に避難したが、身内に障害者がいたので公民館では対応できないので国際村に移れと言われた。布団は知り合いからもらって、段ボールの上に敷いて寝ている。ペットの犬が被災後に子犬を5匹生んだので、別の部屋で飼っている」
【七ヶ浜・亦楽(えきらく)小学校】
・約180人が避難。きのうようやく畳が入り、毛布の下に敷いて寝られるようになった。
・食事はごはんと納豆などおおかず、パン、スープ、カロリーメイトなど。カップ麺が多すぎて体調を崩す人が増えているので控えるようにしている。
・足湯も喜ばれるはず。体育館横に電源とスペースがある。30日に自衛隊の沐浴があるので、それ以降に学校行事と重ならなければ可能。
○災害ボランティアセンターの様子
(YMCAによる在宅避難者訪問)
・数日前より、YMCAによる在宅避難者訪問を開始。8チームに分かれ、1戸ずつ訪問しながら被災状況や今必要なものの聞き取りを行う。新品の下着・食料品等の要望あり。災害ボラセンに繋ぎつつ、あるものはできる限り提供するよう対応。住民の要望として最も多いのが「情報がない」ということ。電気・ガス・水道の復旧、仮設住宅の設置状況、自衛隊による入浴日、移動郵便局等様々な情報がほとんど届いていないという印象。これらの情報が取りまとめられた町災害対策本部発行「がんばろう 七ヶ浜!!しちがはま災害復旧情報」は災害対策本部まで取りに行くか、ホームページで確認することはできるが、移動手段がなかったり、NTTが稼働していないため住民は見ることはできない。また、「どこのスーパーが空いているのか?どこの銭湯が使えるのか?」など、新聞には載らないような地域のローカル情報が欲しいという要望も多数。
○RSYの活動
(ボランティアへの炊き出し提供)
・昼食(イモごはん、おでん)、夕食(ちらしずし、かれいの煮付け)各140食
・泥だらけになり、疲れた表情の学生ボランティアさんもおいしい炊き出しを食べると笑顔になる。どの方も「うまい、うまい」「ありがとうございました!」
と元気になって、現場に戻る。あいち生協様のご協力と炊き出し班の配慮と力量で、レパートリー溢れるメニューの提供が可能となった。炊き出しの準備は地元中学・高校生、主婦が毎日10名程度手伝ってくれている。尋ねると「家に帰っても食料確保もままならず、いつもカップラーメンやレトルト製品ばかりを食べている。もうラーメンは食べたくない」という。この炊き出しが、ボランティアのモチベーションや健康状態を保ち、ホッと一息つける大切なひと時となっていることを実感した。
(中央公民館での足湯ボランティア)
・地元大学生、中高生、社会人の方、RSYスタッフ12名。
・11:00~12:00足湯講習会を行い、14:00~15:00まで足湯実施。
・高齢者を中心にした18名が足湯に参加
【足湯被災者のつぶやき】
(女性30~40歳代)
・家は流されてしまった。だいぶ疲れている様子。家は海の近く。
(女性75歳)
・昨日足湯であったまったらぐっすり眠れた。
(男性60~70歳代)
・震災当日は家にいなかった。津波で家は流されてしまった。家を見に行ったが、無くなっていた時、ショックだった。家がないとどうしょうもない。
(女性83歳)
・夜は毎晩眠れてる。食事は毎日3食食べている。お風呂はまだ入っていない。
(女性70~80歳代)
・足湯をやってもらってから寝られるようになった。(前まで薬をもらっても、寝られなかった)お風呂はまだ入っていない。
(男性70~80歳代)
・避難生活とても大変。お風呂に入れない。
(女性)
・避難所生活大変。水が飲めていい。水汲むのが一苦労。避難所生活たのしい時もある。これまで生きてきて、こんな思いしたのは初めて。
(女性5歳ぐらい)
・寝るとき背中が痛い。お風呂に入っていない。お母さんに会いたい。
(女性70~80歳代)
・家が津波に流された。水を飲んで元気が出たと言っていた。寒いから足湯があって本当に良かったと言っていた。避難生活が3日目。
(女性80歳代)
・避難生活が大変。お風呂に入れない。
(女性60~70歳代)
・避難生活大変。食事はとれている。お風呂に入りたくても、入れないのがつらい。
(女・男6・9歳)
・来年4年と1年生。ランドセルが流されたが、マッサージしているときに見つかったと教えに来てくれた。
(女性71歳)
・家は流されてしまった。だいぶ疲れている様子だった。家は流されてしまった。ワカメと海苔の加工場を持っていたが、全部流された。2日前にここに来たが眠れない。足湯をやって貰いたかったが、一杯だったので今日は1番に並んだ。(2時から開始なのに1時過ぎから待ってくださっていました。)枕がほしい。食べ物は全部おいしい。
(女性)
・避難所はみんなと会話できて楽しい。
(避難所への敷布団投入の件)
・ネットワークメンバーであるNPO法人自立生活サポートセンター・もやいメンバーより紹介して頂いた「ワンファミリー仙台」より、早速敷布団が届く。
(食材提供)
・「あいち生協」様にからRSYにご提供頂いていた、とうふ(約40パック)・がんも(116袋)を中央公民館避難所の食事班に提供。夕食メニューに加えたいと大変喜ばれる。
・吉ヶ浜漁業自主防災会が、かれいの切り身約60切れをボランティア炊き出しに提供して頂く。
※生ものであることと、調理に時間がかかるため、食材として避難所には提供できませんでした。
○被災者の声
(中央公民館・避難所)
・車で5日間過ごしていた。狭くて寒かったので、ここにこれてホッとした。
(堅い床にダンボールを敷いて寝ている)暖房も整っていてありがたい。今一番心配なのは、これから先の生活。(40代女性)
・同じ集落の人たちと同じ部屋なので心強い。外のトイレは寒いので移動中に風邪をひいてしまった。畳の部屋に荷物置き場として足の短い長机を部屋に入れており、1台5~6人で使っている。夜は机の下に足を突っ込んで寝ている。寝返りも打てない程狭い。着替えは親類がいつも洗濯して届けてくれる。ありがたい。
仮設住宅には2年ぐらいしかいられないそう。その先の生活を考えると不安。
(70代女性)
・生まれてからずっとこの町に住んでいる。避難所では日中何もすることがない。横になるか新聞を読むだけの生活はかなりきつい。普段は働きに出て、体を動かしていただけに辛い。5年前に脳梗塞で倒れたが、自力でリハビリをして何とか体が動くようになった。床での生活は体が痛く膝にもこたえる。津波で全てが流された。箸の一本も持ち出せなかった。入れ歯も流されたが、歯医者は水が無いため休診中。食事は歯茎が強いのでちゃんと食べられている。朝食はホットドックだったけど、こういったものは食べ慣れないし、好きじゃない。とってあったご飯を食べた。仮設住宅に住むことになるが、2年しかいられない。その先の生活を考えるともうこの町にはいられないだろうと思う。自分は町を出ると思う。まぁ、これも考えたってしょうがない。仕方のないことだ。(70代男性)
○周辺地域の状況
【多賀城市】
・七ヶ浜から自転車で約45分の距離。
・幹線道路沿いに津波の被害が目立つ。車が転がっている中で片付けが始まり、家財で歩道がふさがれている。信号もまだ一部不通。町中がホコリとチリにまみれている。
・ボランティアセンターは毎日100~150人を受け付け。市内の学生ら中心。きのうから駐車場が確保できたため県外ボランティアも受け付け始めたが実際の活動はまだ。
・ボランティアの活動時間は9:00から15:00まで。
・家ごと流されてしまったような人は少ない。床上、床下浸水の家の片付け、泥かき。海水に浸かっていたので乾きが悪い。
・資機材は共同募金会が隣町の利府(りふ)をストック場所にして運び込んでいるので取りに行っている。量は十分。
・マンパワーが足りず、ニーズの3分の2ほどしかこなせていない。継続ニーズ対応をあきらめ、新規に対応せざるを得ない状況。仙台であふれたボランティアの流入を期待していたがうまく回してもらえなかった。
・天理教ひのきしん隊から支援に入りたいという打診があったが宿泊場所が確保できず入ってもらえない。
・避難所は10カ所。地元で運営が回っているが、炊きだしの人たちがかなり疲れている。・社協には広島社協から1人、日赤から2人支援に入ってもらい、全体として10人近くの体制。夜は必ず家に帰ってもらい、休みも交代でとっている。
・4月以降、被災者への無利子貸し付けの制度の受付が始まり、社協もその対応に追われそう。
・市社協・菅井事務局次長「レスキューが七ヶ浜に入っていることは聞いている。家屋の片付けなどの力仕事が中心で、4月以降、学生がいなくなることが不安」
【塩竈市】
・社協が浸水地域にあったので高台の生涯学習センターにボラセン開設。
・カトリック系のヨハン教会が仙台の教会を拠点にして、多いときは80人以上を送り込んでいた。
・現在は毎日250人以上がボランティア登録。ニーズに比べて多いので、ニーズの掘り起こしをしてもらっている。
・多賀城と同様、家ごと流されている家屋は少なく泥のかきだし、畳上げ、洗浄など中心。
・今後、個別のニーズにどこまで対応するか検討中。
・船で行かなければならない離島が多い。200-300人ほどが避難していると言われるがまだ状況がわからない。今後は離島の対応をしなければいけないかもしれない。
○RSY今後の動き
・第1陣:3月29日まで(30日移動日)→浦野・関口戻り
・第2陣:3月29日~4月3日まで→足湯隊・ボラセン運営サポート
・第3陣:4月3日~4月9日までを予定。調整中。
※今後は周辺地域への支援も視野に入れた活動を検討していく。
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
・郵便振替00800-3-126026
加入者:特定非営利活動法人レスキューストックヤード
通信欄に「東北地方地震」とご記入ください。
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