13日より現地入りしているスタッフ・関口からの現地レポートをお伝えします。
◇3月16日(水)
【登米(とめ)市】
宮城県北部の登米(とめ)市へ。2005年に9町が合併して人口約8万人、面積約500平方キロメートルの広さとなった自治体。
人口の半数以上が不明となっている南三陸町に隣接し、内陸側なので被害は少ないと思われていた。しかし、「住民が孤立して社協が混乱している」との情報もあり、物資運びの手伝いを兼ねて現状を確認しにいった。
登米合同庁舎(宮城県の出先機関)では九州からの10tトラック2台が着き、職員の手で物資が次々と下ろされていた。荷物には水やカップ麺、ミルクや毛布などと書いた紙が貼り付けてある。
しかし段ボールの大きさはバラバラで、ビニールに包んだだけのものも。運びにくく、職員同士が手渡す途中にポロリと落としてしまう姿が何度も見られた。
前日には山形JCからの物資10tが届いており、夜通し仕分け作業をしたという。担当職員は「善意で送っていただくのはありがたいが、仕分けする現場は大変」と嘆く。典型的な”救援物資による二次災害”のようだが、職員は「今のところわれわれだけで対応できる。自衛隊の物資受け入れ方針も決まったようなのでこれからはスムーズになるのではないか」とも話した。
この物資はあすには宮城県トラック協会のトラック5台に積み直され、登米市内をはじめ気仙沼、南三陸、石巻、東松島、女川の6市町に運ばれる。県の合同庁舎は気仙沼や石巻にもあるが津波被害で機能できず、登米庁舎が物資の中継基地となっている。その分、物資が集中しているため職員が翻弄されている状態だが、それだけ重要な中継拠点だとも言える。
一方、登米市内の物資輸送は旧町ごとに、水や食料は中田支所へ、紙オムツは南方支所へ、などと役割分担されている。このため流通や情報連絡が複雑となっており、必ずしも効率的な対応とは言いがたい。
迫(はさま)支所近くの体育館では500人以上が避難生活を送っていた。水や食料は不足気味だが、炊き出しで1日3食が提供できているという。町名の通り、「米や野菜は十分あります」と避難所の職員。電気もきょうまでに迫地区で9割ほど復旧しており、家屋被害の少ない登米市民が自宅に戻る日もそう遠くなくなっている。
ただし、登米には津波で壊滅状態の南三陸町から300人ほどが避難している。南三陸の人たちは帰るところがなく、このまま登米にとどまることになるかもしれない。長期的に登米職員だけで対応ができるとは考えにくい。
登米の避難所に一人で布団に入っていたお年寄りは、気仙沼の親戚一族とまったく連絡がとれないと悲しみに暮れていた。「ほしいものなんて何もない。こうして生きていられるだけでいい」というが、布団のわきには何種類もの持病の薬がある。かかりつけの登米市の病院は開院しているというと「あすには病院に行ってみようかしら」と少し気を取り戻した。
山形のボランティア支援本部では、登米の物流体制や避難所を支援しつつ、被害の大きい気仙沼や石巻へも支援の手を伸ばす拠点にできないか、と提案する声もある。
あす以降、実際に登米から気仙沼、石巻に入って状況を調べる予定。
※本日より「東北地方太平洋沖地震ボランティア活動支援募金」開始!ご協力頂
ける方はRSY事務所までご一報ください。
3月17日(木)16:30~18:30
18日(金)16:30~18:30
19日(土)14:00~17:00
20日(日)14:00~17:00
・場所:名古屋市栄三越ライオン前周辺
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
・郵便振替00800-3-126026
加入者:特定非営利活動法人レスキューストックヤード
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