宮城県七ヶ浜町報告【第39報】空と大地に、大輪の花を。

皆さま
お世話になっております。きずな館事務局の清水です。
震災から半年を迎える日の前日の9/10(土)、
菖蒲田浜海浜公園にて復興まつりが開催されました。
夕方からのおまつりに先立ち、この日は浜清掃から始まりました。
浜清掃は、7月23日から9月4日まで毎週土日、計10日間(お盆、雨天中止日除く)行われ、のべ約450名のボランティアさんが活動してくださいました。
しかし、この日の浜清掃に来たボランティアさんは、なんと約500名!
企画当初の予想では200名程度と推測していましたが、実際には予想を2倍以上上回る数となりました。
小学校にまだ入っていないであろうお子さんも、お母さんと手をつないで来てくれました。
レスキューストックヤードからは、復興まつりのために名古屋から来てくれた弾丸組と、現在七ヶ浜にて活動中の第33陣が参加しました。
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どのう袋を片手に黙々と、ひとつひとつ丁寧にゴミを拾っていきます。
流木や日用品のように目に見えやすいものはもちろん、手で拾うには大変な小さなものもあります。砂を一緒に捨ててしまわないように、細かいものを拾う際にはより丁寧な意識が必要になる作業でした。
8月下旬から始まったコンテナ撤去も進み、ずいぶんときれいになった菖蒲田浜ですが、スポンジやガラスの破片など、人の手でやらなければならないものもまだまだ残っています。
500名の手でやると、やはり違うものですね。遠くから浜を見ただけでずいぶんときれいになっていることがわかりました。
浜清掃後、復興セレモニーが開かれました。
津波の影響で減ってしまった砂を取り戻そう!ということで、
全国から寄せられた砂を菖蒲田の浜辺に皆でまき、14:46に黙とうをします。
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写真右側(左手)が菖蒲田の砂で、大野海岸の砂と菖蒲田の砂をブレンドした砂が写真左側(右手)です。
大野海岸の砂の方が少し粒が大きく、色が黄色がかっています。
細かくてさらさらして、銀の色をした菖蒲田の砂に黄色や白色の砂浜が混じりました。各地で色も粗さも異なる浜の砂が一緒になるということはそうそうありません。
9/8にボランティアさんが集めてくださった、日本で一番古い海水浴場、愛知県大野海岸の砂も地元の方や現地ボランティアさんの手によって菖蒲田の浜にまかれました。大野海岸で砂を集めてくださった皆さん、ありがとうございました。
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14:46には全員海に向かって手をつないで黙とうをしました。
鐘がならされている間、波音を聞きながら皆さんはどんなことを思ったのでしょうか。
その後、七ヶ浜町の町花「ハマギク」を松林に植え、メッセージボードに願いを書き、それぞれの思いを菖蒲田浜にこめました。
レスキューストックヤード代表理事の栗田もせっせとハマギクの植栽のお手伝い。
菖蒲田浜・復興まつりの会場はすでにブースは準備完了の状態で、
セレモニーを終えた参加者はおまつり会場に移っていきました。
ところで、上記で少し触れましたが、名古屋からこの復興まつりのために1泊3日の弾丸ツアー組、総勢33名が応援にかけつけてくれました。
朝は渋滞に巻き込まれて予定が急遽変更することになってしまいましたが、浜清掃からおまつりの最後まで会場を盛り上げてくれました!
弾丸ツアー組が企画・準備をしてくれたゲームは、ヨーヨー釣りとカエルの的当てゲームと工作教室。
この日のために、ボランティアさんが中心となって名古屋で用意をしてくれていました。全部手作りで、かわいらしいブースに!
きずな館からは、モノづくり工房で住民の方が手作りした品を販売しました。
かけだしはまずまずの盛り上がりぶり。
いつもきずな館に来てくださる住民の方ともお会いしました。
その方は震災以来、海が憎くて一度も見ていませんでした。
海のそばが会場になっているこのおまつりに来るのも勇気が必要だったそうです。
「さっきもAさん(お友達)と泣いちゃったの。」と涙目で、私のおうちはあそこだったのよ、と指をさして教えてくださいました。
その後はとても楽しんでいるようで、いつもきずな館で見せてくれる笑顔がありました。
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夕方になると参加者はどんどん増えて、各ブースには長い行列ができるようになりました。
七ヶ浜の皆さんはとてもお行儀がよく、順番抜かしをしたり、もめたりすることはありませんでした。
ステージパフォーマンスも始まり、会場はますます盛り上がりをみせてきました。
花火の時間が近づくにつれて、空模様があやしくなってきました。
しかし、ぽたっと少し降ったものの気になるほどでもなく客足が減ることはありませんでした。
さあ、お待ちかねの花火です。
「今年の花火は盛大にやろう」と例年よりも力が入っているそう。
どんな花火大会になるのか、わくわくどきどきが止まりません。
打ち上げ場所は、ペンションみらいが建っていた場所。
おまつり会場からさほど離れていない場所で約700発打ち上げられました。
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とても近くだったので、空に花火が昇っていく音や光がしっかり見え、まるで降ってくるかのように私たちの頭上で「ドーン」と輝いていました。
花火のキラキラや火の粉が消えるまでの時間は皆余韻に浸っているようで、
終始「すごいね」「おっきいね」「きれいだね」と歓声が止むことはありませんでした。
私と一緒に見ていた子どもは、
花火が頭上すぎて、また大きすぎて「こわい」と言っていましたが、手で目を覆いながらも隙間からちらっと見るように最後までしっかり見ていました。
花火大会の途中や帰りに「キラキラ光ってるよ!」「すっごいきれいだったね!」とずっと嬉しそうにしていました。
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毎年行われている菖蒲田浜のおまつりでしたが、
今年は震災の影響で開催できないんじゃないかと誰もが諦めていたそうです。
しかし、県内外の多くの方に支援いただけることになり、支援者の多さと思いに背中を押され、「よし、やろう」と区長さんをはじめ実行委員の方たちが立ち上がりこの日に至りました。
菖蒲田浜の今に囲まれながら、
日中の暑さも、日頃の切なさも吹き飛ばすような一日。
時折見せる遠い目は、以前の菖蒲田浜を思い出していたのでしょうか。
本日、9月11日。
14:46にそれぞれの思いがまたこの七ヶ浜町に込められました。
最後に、レスキューストックヤードスタッフと長期ボランティアのおまつりショットです。
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