宮城県七ヶ浜町報告【第60報】ご挨拶・七ヶ浜、亘理ゴスペルコンサートの開催

みなさま
いつもお世話になっております。RSY浦野です。
昨年は多くの皆様にRSY、そして七ヶ浜を支えて頂き、本当にありがとうございました。
昨年から七ヶ浜を訪れて下さった沢山の皆様、そしてこの活動をいつも遠くから支えて下さっている皆様に心から感謝致します。遅ればせながら、本年も何卒よろしくお願い致します。
震災から10か月が経ちました。
ボランティアバスが第1陣として現地入りしてから、足湯やイベント、お茶のみ場等を通じて、住民の方から沢山の「声」を聴かせて頂きました。これをもとに、12月には仮設店舗「七の市商店街」と「きずな工房」がオープンし、生き生きとした店主さんの「いらっしゃい!」という声や、お裁縫を通じてモノを生み出す喜びが、少しずつ生活不活発病の予防や、地域活動への参加の機会につながっているようです。
また、民間アパートを仮設住宅として使用している「みなし仮設」や、補修中の家や親類等の家で生活している在宅の皆さんに対しては、定期的な集いの場の開催や、『うるうるお歳暮パック』の配布を通じて、地元民生委員やボランティアさんらと個別訪問し、生活状況をお聞きすることもできました。
他にも、親子支援のためのイベントの開催や地元漁師さんとのコラボ企画など、ボランティアバスや、県内外のNPOや支援グループ、七ヶ浜町内の地域の皆さんらと連携・協力しながら取り組みを進めてきました。
しかしながら、仮設住宅では相変わらず、「何もすることがない・・・」という言葉がよく聞かれます。
生活自体は少しずつ落ち着いたものの、なじみの「人」や「場所」とのつながりは途切れたままです。今いる場所で「所在がない」という状態は、大きな不安と焦り、落胆を生み、何か行動を起こそうという気力を奪います。所在がないと感じた時点で、自分の役割や、行動を起こすための目的・選択肢までも奪われてしまったように感じてしまうのではないでしょうか。被災者の方々が抱える環境は一人ひとり違い、「みんなにとって有効な支援」というものはあり得ません。しかも、このようにまだまだ課題は山積みなのに、震災に対する関心の薄れには拍車がかかり、「忘れられていく不安と孤独感」を増長させています。
そんな中、新年を迎えて間もなく「RSY寒中見舞いプロジェクト」チームが七ヶ浜の皆さんに、2000人もの方々のまごころのこもったメッセージはがきを届けて下さいました。可能なかぎり一人ひとり丁寧に手渡しされたメッセージを、目を潤ませながら見入る方、「早速返事を書いたわ!」と元気よく報告して下さった方々もいました。そこには、確かに相互の関係が成り立っていました。
私たちは、沢山の仲間や応援団と共に、これまでの被災地からの学びを最大限に生かし、いつの時でも被災された方の声に、謙虚な気持ちで耳を傾け続けていきたいと思います。今年は、これまで行ってきた一つひとつの活動を地元の方々と共にさらに深め、一人でも多くの方々を「人」と「地域」に繋ぐ機会を丁寧に作っていくことを大切にしていきます。
そのためには、まだまだ多くの力が必要です。
引き続き皆さんのご支援をよろしくお願い致します。
さて、昨年は年末にかけてイベントや事業が目白押しでした。
まだ報告が挙げられていないものもあるので、順次アップしていきたいと思います。
宮城県七ヶ浜町報告【第60報】七ヶ浜・亘理ゴスペルコンサート
みなさま
お世話になっております。
七ヶ浜きずな館事務局スタッフの大迫です。
12月13日(火)。亘理町と七ヶ浜町で「クリスマス・ゴスペルコンサート」が開かれました。
ゲストは、アメリカ南部のアラバマ州バーミングハム市を拠点に活動するゴスペル合唱団『Thanksgiving Praise and Worship』と名古屋を活動拠点とする『Voices of Vision(VOV)』さんです。以前から防災フェスタ等でお付き合いのあったVOVさんらの「音楽を通じて被災地を元気にしたい!」という趣旨に賛同し、企画・運営のお手伝いをさせて頂きました。
第1公演は、亘理町。亘理ささえあいセンター「ほっと」のからの呼びかけに、仮設住宅の集会場に約20名の方々が集まり、楽しい音楽に心と体をゆだねていらっしゃいました。
第2公演となる七ヶ浜でのコンサートは同日夜の開催でしたが、寒さにも関わらず、会場には約50名の地元のみなさんが参加して下さいました。まずは「もろびとこぞりて」や「サンタが街にやってくる」など、誰もが知っているクリスマスソングから始まりました。大人にも子供にもなじみのある曲だったので、みなさん楽しみながら聴いていました。
コンサート中盤頃からだんだんと聴衆参加型のコンサートになり、最初は歌うことを躊躇していたみなさんでしたが、徐々にノリノリになっていきました。
「やっぱり海の町の人はラテン系だね~」とあるスタッフが言っておりましたが、みなさん本当にノリが良かったです!!
そして、クライマックスでグループリーダーが登場し、会場は大盛り上がりに!!
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みなさん、スタンディングオベーションで飛んで跳ねての大合唱になりました。この日はRSYのスタッフも一聴衆になって楽しんでおりました。
また、コンサートの最後には会場にいらっしゃった「12月生まれの方」にサプライズで、♪Happy Birthdayが!!
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こちらも素敵な歌のプレゼントでした。
住民の皆さんも最初はしっとりと静かに聴いていらっしゃいましたが、最後はみなさん笑顔で、「楽しかった~」と言って帰られて行きました。
「音楽に国境はない」とよく言われますが、今回はその言葉を再度実感しました。また、「音楽」には人を笑顔にする不思議な力、魔法があるということも再確認出来ました。
RSYでも今後、月に一度「みんなを笑顔にする音楽イベント」を企画していきたいと思います。
寒さが凍みる夜でしたが、心が温かくなるコンサートでした。