宇治市・京都南部豪雨水害報告【1報】

みなさま

RSY浦野です。8月13日からの記録的な大雨によって、京都府宇治市が甚大な水害被害を受けました。RSYが事務局を務める「震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)」では、昨日よりスタッフを派遣し、情報収集等を行っています。特に被害が甚大で、支援の手もほとんど入っていない炭山地区を中心に、現地地区長と繋がりのある「日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)」と連携を取りつつ、継続的な支援を行うことを決定しました。震つなスタッフの松田(RSY理事)、松永さん(大分大学生・RSYボランティア)より報告が入りましたので、お知らせします。

▼炭山地区の状況(20日現在)
・これまでの被災状況は、NVNADのブログに詳しいです。
○区長さん・ご家族の話
・19日に水が復旧し、ようやく少しほっとした。各家の被災状況は大体把握している。20人来てくれたら配分はすぐにでもできる。

・(炭山は志津川に沿って下、中、上の3つの集落に分かれているが)集落を結ぶ道路は何か所も寸断されてしまった。誰も来ないので、住民が自ら土砂を避けて開通させた。

・下炭山は窯にたくさん被害があった、中炭山と上炭山は住家の被害がひどい。
・大雨のときは、音が凄まじく何が起きているかわからなかった。朝になってみたら、何もかも流されていた。
・ふだん運転している人でも、今唯一通じている道は細くて土砂崩れもあるので、怖くて外に出ることができないでいる人もいる。○集落の方の話
・自分の家より上手の被害はわからない。自分の家が精いっぱいで見に行ってもいない。▼
▼松田私見
・まず、宇治市内(しかも市街地からわずか十数分)のところに、こんな雰囲気を持つ集落があることに驚きました。疲れた表情を浮かべながらも泥出しの作業をしていたのは比較的若い男性たち。陶芸家が集まっているそうです。今日も被害のなかった窯からは煙が立っていました。
・しかしながら、集落内は何か所にもわたって鋭く削ったように土砂がえぐれており、正直言ってよくぞ人的被害を免れてくれたという状況です。しかも、一週間経ってもほとんど応急処置がされていない箇所もあり、次回の雨が非常に心配です。
・志津川に沿って非常に細長い集落なので、一見して被災住家がわかりにくいですが、川沿いに登っていくとまだ住民の方も全く手を付けていない家屋も含め、土砂の入った家が数十軒の単位で残っています。明日の作業で進められるのはわずかかもしれませんが、ようやく水も出て少しだけ落ち着いたよと仰るみなさんを後押しするような活動になればいいと思います。

▼宇治市全体の被災状況(参考まで)
・山間部の炭山、志津川の被災状況が宇治市内の中で共有されていない問題とともに、宇治市内全体の被害の大きさも案外報道されていないように思います。町部には連日ボランティアが入っていますが、上がってくるニーズに比べてボランティアの数が少なめのようです。

○経過
14日午前3~4時の雨量は78・5ミリ。前日の降り始めからの総雨量は300ミリを超える。

○把握されている浸水箇所(1.2.は市街地、3.4は山間地です)
1.五ケ庄西川原(ごかしょうにしがわら)・五ケ庄北ノ庄(ごかしょうきたのしょう)
・ 弥陀次郎(みだじろう)川(=小さな天井川)が決壊
・ ハザードマップの青い個所と概ね合致
・ 18日(土)夕方の局所豪雨で応急処置をしていた川が再度同じ個所で決壊。再度浸水。
・ 災害ボランティアセンター(VC)から連日ボランティア派遣。一日のニーズは1.2.の地域併せて25件程度。2.車田(くるまだ)・菟道(とどう)

・ 戦(たたかい)川が決壊

・ ハザードマップの青い個所と概ね合致

・ 19(日)初めてVCがローラー的に入り、ニーズがまだまだこれから上がってくるだろうと 
    いう見込。3.炭山(すみやま)・笠取(かさとり)
・ 土砂崩れにより通常使用するルートが途絶。ただし、京滋バイパス笠取インターを戻っ
    てくる形で入れる。
・ VCからの支援はまだ入っていない。4・志津川(しづがわ)
・ 1軒流出、土砂崩れにより、もっとも孤立している地域
■支援金のお願い
現地までの交通費、資器材の運搬等、ボランティア活動実施には経費がかかります。
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郵便振替00920-7-75997
加入者:震災がつなぐ全国ネットワーク
※いずれも通信欄に「近畿水害」とご記入ください。