RSY事務局です。
西伊豆町災害ボランティア本部は28日を持って閉鎖され、地元社協が通常のボラセン対応の中で活動を引き継ぐこととなりました。
現在、山口・島根でも被害の拡大が見られますが、西伊豆町の住民の方々には、これから、復旧作業の疲れや失ったものへの喪失感の増大、次の大雨への不安などから体調不良や気持ちの落ち込みが心配されます。
過去の災害でも、発災後数か月たって、家が湿っている、カビが生えてきた、悪臭がする、なんだか調子が悪いなどの訴えが出たケースもありました。
今後は地元社協や地縁組織を中心に、きめの細かい対応が継続されるとのことですが、引き続き経過を見守りつつ、西伊豆町を応援して行きます。
以下、震つな事務局長・松山の報告です。
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第7報(7/25:木)以降の近況を報告します(2日分のため長文)
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7/26(金)
県内各地からボランティアバスが到着。地元の中学生や高校生も
活動に加わり、これまで一番多い440人が参加。
ボランティア本部では、活動完了後のお宅にも訪問。ニーズの取り
こぼしがないよう、再度のローラーをかけています。
現状規模のボランティア本部は28日(日)までと方針が決まり、
町の広報放送などでも何度も伝えられていました。
一番被害の大きかった安良里(あらり)地区では、社協職員を中心
に一軒一軒お声掛けしながら、ニーズ確認をしています。
床上や床下浸水したお宅以外にも、建物周囲の泥等の撤去を依頼
されるケースも少なくなってきています。
安良里地区は本部から車で10分以上かかる地域のため、サテライト
を置いて運営しています。そこの運営の采配にJPF佐藤さんが活躍
してくれており、かつて気仙沼で培った経験をフルに発揮してくれ
ていました。同時にRSY高木さんも同じ安良里地区にて、ローラーを
する社協職員と一緒に廻り、被災された方々と話す時間を多く持つ
ことで、言い出しにくいニーズの聞き出しを担当していました。
ニーズ確認に行く本部スタッフは、社会福祉協議会職員や地域包括
支援センターの職員なので、どこに一人暮らしの方がいるのか、
見落とされやすい方がどこにいるのか、という事前情報を既に持っ
ている上に、お互い顔が見えているので、私たちのような外部支援
者が伺って恐縮させるよりも効果が高いと思いました。
同時に、地域の助け合いや消防団の活動などが活発なことから、
誰にも接しない被災者はいない状況なので、高齢者だけに気を取ら
れることなく、現役世代が中心のお宅にも注意しながら訪問するよ
うにしていきました。
被災から1週間。その後に大雨が降らなかったこともあり、活動自体は
とても捗っていますが、住民の方々の疲れが心配材料です。
これに関して、ボランティア本部ではオリエンテーション時に
「依頼者の手を休ませられるように、お話することも重要な役割」と
解説をしたうえで、土砂だけを相手にするのではなく、そこには「人」
が必ず居ることを伝え、泥かきボラセンにならないよう配慮していま
した。
県内社協の応援職員の中に、静岡の訓練を経験している方が数名おり
その方からの発案で、地元社協の方々が気づかない点をフォローして
いる形になっており、訓練をきっかけにした連携が進んでいることが
確認できました。
私(松山)は、本部から一番遠い(車で15分以上)サテライトである
宇久須地区のニーズ確認に行きました。安良里地区と違い、被害が
点在していることから、ローラーが十分ではなかったようでした。
被害のあったお宅を訪問したところ、
「安良里に比べれば大したことないから大丈夫」という声を多く聞い
たことから、被害の大きかった地域の気を遣っていることが想像でき
ました。
床下浸水したお宅でも「仕事の合間にボチボチやるからいいですよ」
とは言っていたものの、床下の確認も不十分だったようで、床板を
外し床下の状態を目視確認することを勧めると、ようやく「それじゃ、
やってもらおうか」と言ってもことができ、実際に畳を上げてみると
うっすらではありますが、湿った泥が堆積している状況でした。
ボランティアで対応できる範囲は限られていますが、大工さんが入る
までの間に、泥撤去~乾燥~消毒 などの工程があり、そのままに
すると異臭や不衛生につながることなどを説明すると納得される
ケースが多くありました。
ボランティア本部収束2日前になってこの手のニーズがいくつか上が
ってきている現状があり、実際に日曜日までにニーズに対しての活動
の完了ができるのか微妙な感じを受けました。また、このことに関し
ては、総務班のリーダである西伊豆町社協の次長さんにお伝えし、
ボラセン閉鎖後のニーズ受付や活動の体制について配慮していただけ
るように話しました。
また、金曜日に440人という大勢のボランティアが参加されたことから、
この土日にはさらに多くのボランティアが来るだろうとの想定のもと、
地元社会福祉協議会を中心に受け入れ準備を整えていました。
7/27(土)
震つな加盟団体でもあるIVUSA(国際ボランティア学生協会)が約50人
以上の体制で参加。翌日(日曜)にはさらに15人が加わり、総勢80人
体制で参加してくれることになりました。また、浜松市社協や災害
ボランティア関係の方々も朝3時出発で参加してくれていました。
しかし、その他の大口団体の参加がなく、当初の想定を大きく割り込む
263人(想定は500人)の参加にとどまりました。既に上がっている
ニーズそのものに対しての必要ボランティア数は満たせているものの、
前日から入り始めた駆け込みニーズへの対応が十分できず、活動現場で
人数を調整するなどして活動を進めていました。
この週の月曜日にボランティア数が一気に減ったことから、facebookや
ブログなどで、平日の参加者募集を呼びかけたところ、翌火曜日からは
300人近い方々が連日参加してくれるようになりました。このままの流れ
で行くと週末の土日は500人規模と思っていましたが、結果は半分。
ボランティア本部の閉鎖を広報したことから、ニーズが増える一方、
ボランティアに参加する側が復旧の見通しがたったと判断する方も多く
居たようです。改めて広報の難しさを実感しました。
住民の方々向けには、ボランティア本部終了後も社会福祉協議会で対応
できることの周知を改めてしていました。土砂の撤去など大掛かりな作
業が終わった後でも細かいニーズが想定されるため、それに対応できる
ような体制について、社協側でも検討をしていました。
===7/26-27の住民の声=====================
・床下浸水だったけど、仕事もあるからボチボチ片づけるよ(50代男性)
→畳は上げましたか? 思わぬ所に泥などが溜まっている場合がありますよ
え?そうなの? じゃあ、お願いしようかなぁ。実は遠慮してたんだぁ。
→翌日ボランティアが畳み上げを行い、泥の撤去を行ないました
・床上浸水で床上のものは大方片付いたから大丈夫です。(30代女性)
→床下の状況は見ましたか? 泥が入って放置すると不衛生ですし、
家が傷む原因にもなることがありますよ。(ローラースタッフ)
食堂やってて休めないから、ボランティアさんの活動に立ち会えなくて
頼めずにいたんです。お願いしてもいいんですね。お願いします。
→翌日ボランティアが畳み上げをしたところ、大量の土砂が床下に
残っており、土日の2日間で土砂を撤去することになりました。
どちらのお宅も、他の被害の大きかった地域に気を遣い、また仕事の
関係上、ニーズとして声を上げずにいたようでした。話をするうちに
「それならお願いしたい」と思ってくださり、被災状況などの話を
しながら、状況をお聞きすることの大切さを改めて感じました。
・あの日(18日)、葬儀が入っていたんだけど、火葬場が使えなくて延期
してもらったんだ。今日は息子が富士宮から帰って来てくれたから、
3人で側溝の泥出ししてる。ボランティアにたくさん来てもらって、
ようやくめどがついたけど、3人だけだったらどうなってたことか。
うち(お寺)の本堂空いてるから宿泊にも使ってもらいたいよ。(60代男性住職)
・夏休みで帰省したら、家が大変なことになってた。自宅に被害が
なければ、ボランティアに参加しようとも思ってたけど、思いのほか
自宅周辺の側溝に泥が入ってしまって・・・。ボランティアはありがたい(20代男性)
・合併する前(旧賀茂村)は行政の動きもよかった。合併してからは役場と
ここの区長とどっちも言うことが違って、動きも遅くなった。昔のまま
がよかったなぁ、と思う。(50代女性)
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