宮城県七ヶ浜町報告【第225報】3.11メモリアル企画「七ヶ浜 UMI-TSUNAGU 2016」

皆様
いつもお世話になっております。
RSY七ヶ浜事務局 郷古です。

3月13日(日)に七ヶ浜町中央公民館にて3.11メモリアル企画「七ヶ浜 UMI-TSUNAGU 2016」が開催されました。

この企画の主催は、町ではなく「七ヶ浜住民による実行委員会」です。
七ヶ浜町では3月11日に追悼式を行いましたが、
『追悼の気持ちが一番だが、それと同じくらい「起こったことや経験を語り継いで行く」、「様々な出会いから生まれたきずなを大切にする」ということも大事である』
という意見から、住民による実行委員会を立ち上げてオリジナルの3.11メモリアル企画を行う事になりました。
この企画自体は2012年から継続的に行われていましたが、年を重ねるごとに実行委員会への七ヶ浜住民の参加が増えています。今回の企画の打ち合わせは20回を超えています!!!

なにをしたいか?なにを伝えたいのか?ワークショップを行った会議の風景

『自分ができることで恩返しを・・・』
朝10時からのイベントオープンで来場者を出迎えたのが七ヶ浜の漁師であり、ぼっけ倶楽部七友会の代表の鈴木直也さん。
「お世話になったボランティアさんたちに今が旬の七ヶ浜のわかめをたべてもらいたい。ここまでこれたのも本当に皆さんのおかげだと思っている。」というお心から、わかめしゃぶしゃぶコーナーを開いてくれました。ボランティアさんをはじめ、たくさんの町民の皆さんも生ワカメを一緒に食べていました。
漁師からの感謝のわかめしゃぶしゃぶ 

又、今回地元の中学生も企画内にボランティアスタッフとしても参加してくれました。「七ヶ浜のためにできることをやらせてもらいたい」と自分たちが作った防災学習の説明をしてくれました。来場者からの質問にも丁寧な受け答えをしていました。
来場者からの質問へも丁寧に答える中学生


『避難所で食べたカレーはとても心に残っている。一堂集まってみんなで食べたい』
との実行委員会での話から300食以上のカレーを実行委員会メンバーで作りました。
七ヶ浜の漁師さんから茎ワカメや愛知県安城市の皆さんから漬物の差し入れもあり、食の交流の時間も良い時間を過ごせました。参加者同士、思い出話をしたり、始めて会った方々も「カレー美味しいですね」という何気ない会話から七ヶ浜の話になって盛り上がっていました。
愛知県安城市からの漬物を提供しくれた石川さん(右)と七ヶ浜の茎ワカメを提供してくれた渡辺さん(左) 賑わう会場

その後は各種メディアに作成風景から取り上げて頂いた「あの日の僕 七ヶ浜3.11」という防災紙芝居を行いました。町民の声から文章を作成し、事実起こったことを書きとめました。又、題字や紙芝居の色塗りを手伝ってくれたのは七ヶ浜の中学生です。
読み合わせ練習も当日までに何回も重ね、「ここはもう少しおばあちゃんの声っぽく、ゆっくりよもう」、「ここは避難民を誘導する場面だから、当時の事を思い出しながら緊張感が分かるように読もう」などひとつひとつのセリフに心を込めて、読み手に伝わるようにと励みました。
本番も満員、大盛況で、
町内外から「私たちの地区・町でもやっていただけないか」と声が相次ぎました。
読み手の一人であった渡辺さんは「読み手のオファーがあったときは戸惑ったが、自分の経験談も紙芝居の中に入っている。津波から逃げたこと、避難所の事、仮設住宅での暮らし、そして今・・・全てを振り返る機会にもなった。やってみて、作ってみて良かった」と話してくれました。
紙芝居は大勢で見れるようにプロジェクターに映し出した 

 

この企画を通じて思ったことは
1:【七ヶ浜町民の気持ちの土台は「感謝」だということ】
今までメモリアル企画運営補助を行ってきましたが、今年はほとんど町民有志の実行員会で企画内容を精査しています。
「今まで手伝ってもらう立場だったが、皆さんには参加者になってもらいたい。感謝の気持ちを形にして、皆さんとの交流を深めたい」というのが企画がスタートした時に話された言葉です。
企画名である「UMI-TSUNAGU」は『海/生む/あなたとわたしを繋いで』という意味で、実行委員会メンバーで考えた名前です。想いを形にするために実行委員会メンバー各々が動いて、その名の通りの良い企画になりました。

来場者内訳は町民200名、ボランティア200名、実行委員メンバー50名の合計450名を超える

2:【参加者同士で再会を喜ぶ場面が多く見られた。5年経ったなおも繋がり続けていること】
「あぁ~!久しぶり!元気にしてた??また会えたねー!嬉しいね!」
そういった再会を喜ぶ声が至るところで上がっていました。それは住民同士、ボランティア同士、住民とボランティア間、様々あります。
「確かに大変なことが起きて。辛いことも多かったが、悪い事ばかりではない。いろんな人たちと繋がって、楽しい。」という言葉も話してくれました。なんというありがたい、そして力強い言葉なのかと思います。

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来年度の開催はまた実行委員会メンバーの中で、話し合いを行い、決めていく予定です。