みなさま
平成28年熊本地震において、RSYは御船町を中心に活動を継続しています。
この間、台風16号が九州地方を通過し、熊本県への被害も懸念されましたが、今のところ大きな被害には至っていないとのことでひとまずホッとしています。
しかし一方で、鹿児島、宮崎、大分県などで被害が出ており、RSYは、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)や震災がつなぐ全国ネットワークを経由して、各方面から情報収集しています。とにかく、これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりです。
さて、御船町には、RSYと繋がりを持って下さったボランティア団体・個人の皆さんが、随時支援に駆けつけて下さっています。仮設住宅の皆さんとの昼食会やお茶会、復興まつりへのお手伝い、全壊家屋からの貴重品の取り出しなど、活動内容も様々です。
また、御船事務所「かたらんな交流館」や、集会場・談話室で使う備品の寄付など、後方支援にご協力くださる企業さんもあります。多くの皆さんに支えられ、御船町の活動も6ヶ月目を迎えることができました。
今も、避難所となっているスポーツセンターでは、約90名が避難所生活を送っています。
また、応急仮設住宅は21箇所・437世帯、みなし仮設住宅は241世帯が入居予定で、応急仮設住宅への全世帯入居完了までには、あと2ヶ月程度かかる見込みです。(現在までに建設・入居が完了している応急仮設住宅は15箇所)
RSYは当初の活動期間を延長し、年内中は専従スタッフを継続して配置することと致しました。
引き続き、皆様のご支援をよろしくお願い致します。
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▼9/17 陶器市&RSYカフェを開催しました
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▼9/17 陶器市&RSYカフェを開催しました
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大分大学から8名の学生がボランティアに駆けつけてくれました。震災直後、避難所で足湯や子どもの遊び相手になってくれた学生が、今も継続して足を運んでくれています。当日は、陶器市の売り子さんや、路上での呼び込み、カフェでの来客対応など大活躍。住民の皆さんとの交流を深めました。
今回は戸別訪問もかねて、現在建設・入居している15箇所の応急仮設住宅全てにチラシを配布しました。応急仮設住宅や交流館近くの住民の方々、果ては山都町や熊本市内からも足を運んでくださり、合わせて約60名が来館しました。
カフェスペースはさながら、避難所の同窓会のようで、当時のメンバーが顔を合わせながら、思い出話や、最近の暮らしぶりなどの話題に花を咲かせていました。また、飲食店の方や在宅で避難されている方の中には、「柄が揃った食器があるのが嬉しい」と、数十枚も購入下さいました。どれも1つ10円~50円程度で販売しているので、買い物でストレス発散にもなったようです。
山間の地区からは遠いため、移動手段が無く買いに来られない方もいらっしゃいます。10月から11月にかけて、巡回型の陶器市の開催も勧めていきます。
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▼池田活版印刷所の引越し手伝いをしました
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▼池田活版印刷所の引越し手伝いをしました
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今も現役の印刷所として営業している「池田活版印刷所」は、明治23年(1890年)創業。今年で125年目を迎えます。現在も昔ながらの組版の技法で印刷注文を受けつけています。建物は伝統工法の木造建築で、歴史的にもとても価値があります。その古風で味わい深い佇まいは、御船川に多くの船が着岸し、沢山の酒蔵があり賑わっていたというかつての町の風情を感じさせます。
今回の地震で倒壊は免れたものの、今後も事業を継続することを見据え、建物の修復工事をすることになりました。これまでも、多くのボランティアさんが、地震で棚が倒れ、散乱した中から鉛でできた何万文字という活字を、整理して元の棚に戻すという精密な作業を、お手伝いしてきました。RSYもささやかながらご支援しています。
こんな日頃の繋がりから、気楽に頼みごとができる関係ができたのか、印刷所からスタッフへ「活字の箱が10キロもあって持てないので移動させるのを手伝って欲しい」というヘルプの電話が入り、力持ちスタッフ浦中がお手伝いに行きました。中西・浦中共に、オリジナルの名刺も作ったとのこと。事業が再開したら、ぜひここでスタッフ全員の名刺を作りたいと思います。皆さんもどうぞ!
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▼仮設住宅入居者説明会
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▼仮設住宅入居者説明会
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9月15日滝川応急仮設住宅、9月22日南木倉仮設住宅の入居者説明会で、仮設住宅の住まい方の説明についてお話しました。また、あったか味噌汁プロジェクトで集った、お椀&お箸セットを配布しました。
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▼仮設住宅談話室に備品を提供しました
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▼仮設住宅談話室に備品を提供しました
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談話室・集会場は、全部で11箇所に建つ予定ですが、順番に建設されている関係で、今稼動しているのは2箇所。この度、新たに5箇所がオープンすることになりました。長机・座卓・パイプ椅子はRSYから寄贈し、調理道具や裁縫・工具セットは、生活協同組合連合会アイチョイス様からご寄贈頂いています。既に稼動している2箇所では、サロンや昼食会などが開催されていて、備品も活躍中。
私たちはこれまでの被災地で、「○○がしたい!」とせっかく声が上がっても、道具の調達に時間がかかりすぎて、住民のやる気がそがれてしまう場面を沢山みてきました。今回は皆さんのご協力で、タイミングを逃さずこのような支援を行うことができ、町役場や住民の方々にもとても喜んで頂いています。
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▼住民の声
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▼住民の声
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・こないだお椀ばもろたよね?大事につかっとります。いつもご苦労様です。まだ御船には来られると?やっと涼しくなってきたばってん、気を付けて回ってね。(かたらんな交流館のチラシを見て)ここはたまに通るけん、今度寄らせてもらうね。(80代女性)
・仮設に来てからぐっすり眠れるよ。避難所では夜中に何度も起きよったもん。隣も避難所で一緒だった知ってる人ばかりだから、安心して生活できるよ。(スタッフの)顔見れて安心したよ!(80代男性)
・台風はこちらに来なくて良かったけど、鹿児島や四国にいる知り
・やっと談話室が使えるとね?仮設は昼間暇してる高齢者ばかりで
・さっきもらったお椀とお箸、可愛いのが入ってて子供たちが喜ん
・陶器市みんな楽しみにしとるよ。ほんとに10円でいいの?この
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▼コラム:Yさんのエピソード
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▼コラム:Yさんのエピソード
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Yさんは、瓦礫の中から見つけ出されたお位牌をじっと見つめながら、「妻のが一番に出てきたですたい。泥もほとんど付かんで」とつぶやきました。
今年10月に3回忌を迎えようとしている奥様のお位牌が、5ヶ月ぶりにようやく取り出せたのです。Yさんは80歳を過ぎ、障がいのある息子さんと二人暮らし。今回の地震で自宅は全壊しました。2箇所の避難所で4ヶ月あまりの避難生活を送った後、1ヶ月程前にようやく仮設住宅に入居。その間、毎日のように全壊した自宅付近を訪れては、掃除をしたり、畑仕事に精を出していました。
私たちとYさんとの出会いは、私たちがまだ御船町に来たばかりの4月。集落の被害状況を確認しようと、地域を巡回していた時、「俺らのことよりも、Y さん親子が心配で。様子を見に行ってやって欲しい」というご近所の方からの要望で公民館を訪れ、Yさん親子に出会いました。
家の損傷度合いを考えるとお二人が無傷で外に出られたことが奇跡と言ってよいぐらいでした。Yさんは「妻が守ってくれたんだと思う。でも、逃げるのに精一杯で、位牌も何一つ取り出せなくて・・・」その時につぶやいた言葉が心にずっと残っていました。毎朝お仏壇をお参りすることを日課に、生活が営まれていたであろう姿が目に浮かびました。
建築の専門家の方など何人かの方に見て頂いたものの、「危険性が高く難しい」という回答。程なくして公費解体が決まりましたが、Yさんからは、いつ作業が始まるのか目処は立っていないという話を聞きました。そこで、益城町にベースを置き、プロボノを活かしつつ、倒壊家屋からの貴重品取り出し等の支援を行っている「DRT JAPAN」のKさんに相談したところ、翌日に重機を持って駆けつけて下さいました。安全性を確認しながら一番効率的な取り出し方法を考え、1時間あまりで全ての位牌と金庫が取り出されました
Yさんは、奇跡的にほとんど痛みの無かった奥様とYさんの娘さん、両親の位牌と仏様を手にしながら、「よかった・・本当にありがとうございました」と、目に涙を一杯ためてお礼の言葉を口にされました。
私はこの時、ネットワークの持つ力をかみしめました。今回の熊本地震では、ニーズは見つけても自分たちに技術がなく、ブルーシート張りや貴重品の取り出し、宅地の再生など、手が出せない事例が多々あって、歯がゆい思いをしています。
でも、Kさんの団体のように特殊技能を持った専門職の方々が積極的に被災地に関わって下さることで、解決の範囲は確実に広がるということを教えて頂きました。だからこそ、平時にこのようなことを話し合える機会と繋がりが大きな意味を持つことを改めて感じました。(浦野)
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▼活動支援金募集
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皆様からお預かりした大切な寄付金は、上記のように、避難所・応急仮設住宅の環境改善、孤立・孤独死の防止のためのサロンや食事会、足湯ボランティアの開催、ボランティアバスの運行など、復興の町づくりに繋がる活動に役立っています。
<クレジットカード決済>
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特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ ぼうさいたろう」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。