RSY梅雨前線の影響による水害への対応(8月19日)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
RSYは、令和2年7月豪雨水害で被災した地域に対し、名古屋からできる支援に取り組んでいます。連日の猛暑の中、被災された方々の避難所や被災した在宅等での生活は、現在進行形で続いています。

被災された方々が抱える主な悩みは、「住まい」の問題です。
家の中の泥かきは、ある程度の見通しがついても、今の土地に新しい家を建てるか、あるいは家を補修してとどまるべきか。また、次の災害への恐怖や、自家用車を失って通勤通学、買い物等に支障をきたす日常を考えると、すぐにでも地域外で暮らすべきかなど、心は大きく揺れています。
そんな中、長らく住んだ大好きな故郷への思いや、そこで培ってきた人々との繋がりが絶たれることへの不安や寂しさに加え、食べる、出す、休むなどの基本的な生活機能が整わない環境で疲労が蓄積し、一人ひとりが、簡単に言葉にできない複雑な感情を抱きながら、日々を踏ん張っていらっしゃいます。

RSYは、被災された方々と直接つながる地元の支援者や、離れた場所で暮らすご家族を通じて、それぞれの「生の声」を聴き、被災地内外の方々と共に今できる支援について活動を進めています。以下、報告です。

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8月8日(土)第1回
被災地の現状を知るオンライン報告会

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被災者の現状を知り、名古屋からできる支援を継続的に考えていく機会として今回初めて実施しました。新型コロナ対策のためZOOM開催でしたが、名古屋各区の防災ボランティアさんらを中心に、東京・神奈川・岐阜方面も含め、約35名が参加しました。

最初に、代表理事栗田が、今回の水害で影響を受けた、熊本・福岡・大分・岐阜の被害状況や、ボランティア活動の様子について報告しました。被災地の全体像に触れ、被災範囲の広さや様々な団体による草の根の支援活動の様子などを共有しました。

次に、名古屋在住のNさんをゲストにお招きし、球磨村で被災されたご家族の様子についてお話を伺いました。球磨村の被害の激しさや、離れて暮らす家族の想いに触れ、参加者の中には涙ぐむ方もいらっしゃいました。
以下、要約です。

★Nさんのお話
父とは、水害が起こって数日間連絡が取れませんでした。父は携帯電話を持っていなかったので、人づてで避難所にいることが分かりました。その後、ようやく現地に入ることができましたが、私の宿泊場所から父のいる避難所まで往復2時間もかかります。家は1階の天井間際まで水が来て、粘り気のある重い泥が一杯入っていたため、全壊判定を受けました。既に匂いもきつくなっていましたが、ボランティアの方に泥だしはお願いでき、泥や家財道具は全て外に出されていました。

父から、「飼っていた牛4頭を避難させるために必死で山を登った」という話を聞いた時は、思わず涙が出る思いでした。父は、自宅に併設された牛舎で4頭の肉牛を飼い、自分が食べる分のお米を作って暮らしていましたが、全て失いました。牛ももう飼育できないと、殺処分したそうです。父は今、仮設住宅への入居を考えています。もう農業は諦めているようですし、元の土地には家を建てられないんじゃないかという思いも抱えているようです。手伝いに行っている間は少しぼーっとする様子があり、心配になりました。私の前では明るく振舞っていましたが、それが逆に痛々しくて。新型コロナの感染拡大防止や、自分の名古屋での仕事を考えると、家族としてこれからどう支えて行けばよいか悩みます。

そんな時、名古屋みどり災害ボランティアネットワークの皆さんが、タオルや生活用品などを集めて、実家に送って下さいました。ご近所の方に配ったところ、とても喜ばれました。皆さんのご支援が心強く、とても感謝しています。

※Nさんには、栗田より、被害状況から今後受けられる可能性のある支援制度や、弁護士会等の専用相談窓口の紹介をさせて頂きました。やるべきことの整理や優先順位のイメージができたということで、「今回教えて頂いたことをもとに、早速親戚と相談します」というコメントが寄せられました。
【予告】
第2回「被災地の現状を知るオンライン報告会」
・日時:8月28日(金)16:30~17:30
・ゲスト:木村浩美さん(熊本県訪問看護ステーション連絡協議会代表)
ステーションの被害状況や、利用者さんの生活状況についてお話頂きます。
 ※お申込み方法は、近日中にご案内します。
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8月9日(日)八代市「住まいの相談会」
炊き出し&喫茶運営サポート
~八代市坂本町油谷地区~
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現在、熊本県八代市内では、熊本県建築士会八代支部が主催する「住まいの相談会」が、順次開催されており、 震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)発行の 「水害にあったときに」 をテキストに、地元の建築士の方々が、被災者一人ひとりが抱える住まいの悩みに丁寧に答えています。それに関連して、震つなとしては、 栗田・松山が中心となり、相談会の運営方法や、過去の災害で被災者から寄せられた悩みと、対応事例を紹介するなどのサポートを行っています。

RSYは、2016年熊本地震の際の支援で出会った、御船町のMさんと、NPO法人ソナエトコ、傾聴ネットキーステーションさんにご協力頂き、相談会に来られた方々が、毎日の復旧作業で疲れた心と身体を休め、ホッと一息つける場づくりをサポートさせて頂きました。

▶食事の提供
御船町のMさんをはじめ4名が八代に駆けつけて下さり、Mさんと繋がりのある農家さんや個人の方々が提供下さった食材で、「野菜たっぷり・焼きサラダカレー」とモロヘイヤと牛蒡を練り込んだ素麺を使った「かき玉汁」を提供下さいました。周辺は、お店などがほとんど被災しているため、食事の提供はとても喜ばれたそうです。「地震の時は色んな方にご支援頂いた。コロナで県外の方が来られない今こそ、その想いを受け止めて、私たちができることをやらせて頂く時だ」(Mさん談)と、心強いお言葉を頂きました。

▶住民の声
ソナエトコや傾聴ネットの皆さんは、「あまりの被害のひどさに愕然と」しながらも、 住民の声を報告下さいました。今回訪れた油谷地区は、球磨川の支流の川沿いの地域で、水面から10メートル以上の浸水被害に遭っています。また、今回相談会に来られた約25名の住民の方のうち、9割が全壊判定を受けておられます。道路や鉄道が寸断されたため、しばらく手つかずだった地域でした。団体代表者の「津波の被災地のようだった」という言葉が印象的でした。
・とにかく泥かきが大変。一輪車に泥を載せるけど、粘土質の泥で重くて捨てるのが大変でした。ボランティアさん8人ぐらいに手伝いにきてもらったけど、1週間ぐらいかかった。3日目にはカビが生えて大変。においが辛くてとてもいられない状態でした。今は家財道具も残っていません。 高齢者の親と3人で暮らしていますが、仮設住宅は入居期限が限られているので、退去後また新しい場所で新しい人間関係を作るのは大変だと思い、市街地に古いマンションを買いました。(年齢不明・男性)

・台風19号はひざまでしか浸からなかったので、今回もその程度だろうと思っていたら、2階まで水が追っかけてきました。どんどん水嵩が増して、体も浮き、2階の天井までのわずかの隙間に顔を出して耐えていました。その後、主人は天井を突き破って何とか屋根裏に上りましたが、私は力が無くて上がれなかった。でもその時、「ご先祖様!」と祈ったら、偶然にも仏壇が流れてきて、それにつかまって踏ん張ったら上ることができました。屋根裏に上がったのはいいけど、今度は寒くて寒くて。外にも出られずしばらく不安な時間を過ごしました。最終的には自衛隊に助けてもらいました。その後、公民館に避難しましたが、主人は心臓が悪いので避難所で迷惑かけられないと思い、かかりつけ医に行くも満床。今は別の病院で入院生活を送っています。
(70代・女性)

・今、避難所から直接学校に通っています。川沿いで被災したので、家には何もありません。JRも寸断されているし、店も病院も郵便局も被災して全部使えなくなったので、ここに来ても意味はないかも知れないけど、やっぱりこの集落が好きで。昔遊んだ公園や、お世話になった地域の人とか、想い出が一杯あるところなんで、ここにいると落ち着くんです。(高校生・男性)

・昔ながらの大工さんに作ってもらった家なので、何とか残して修繕したいのだけど可能かしら?ここは風景もいいし、暮らしやすいのでできれば戻ってきたい。でも、生活するための機能が全部ストップしちゃったし、主人からは「せっかく再建しても、こんな気象状況じゃまた水に浸るかも知れない。それなら集落を出た方がいいんじゃないか」と言われて悩んでいます。(年齢不明・女性)

▶おたがいさまパックの提供
今回の相談会に来場された約25名の方々に、「おたがいさまパック」をお渡ししました。今回は、エコバッグに石鹸や不織布マスク、ラップ、タオル、除菌シート、バスタオル型ウェットタオルを詰め、メッセージを添えました。「交通の便の悪い場所なんで、買い物は週に1回まとめてするの。大きなバッグがあるととても助かるわ」と喜んで受け取って頂きました。

※引き続き「おたがいさまパック」に入れる物品を募集します。詳しくはチラシをご覧頂き、ぜひご協力下さい。離れたところにいても、被災地を想い、気持ちを届ける活動の一つとしてご参加頂ければと思います。

おたがいさまパックチラシ_vol1

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募金へのご協力をお願い致します。
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※皆様から寄せられた寄付金は、被災地の情報発信や被災者生活支援プログラムの実施等に大切に使わせて頂きます。

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