RSY・令和3年8月豪雨水害への対応について(第12報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
RSYは8月27日より、8月11日からの大雨で被災した佐賀県武雄市を中心に支援活動を継続しています。

私たちは、毎月武雄市の久津具地区で開催されている、地域共生カフェ(NPO法人みつわ主催)と、あったかごはんプロジェクト(一般社団法人「おもやい」と連携)を通じて、住民の皆さんとの交流の機会を持たせて頂いています。しかし、残念ながら1月はコロナ蔓延に伴い、両方開催中止となりました。

このような状況下でも、お互いのつながりを感じられる方法はないかと考え、久津具と長野と名古屋の3拠点をつなぐ、オンライン企画を行いました。

また、カフェのお手伝いができない代わりに、みつわさんが地区の方へ行う配食支援のタイミングに合わせて、名古屋から「節分セット」をお届けしました。

以下、RSYの1月の活動報告です。

※この度の取り組みは、赤い羽根共同募金「ボラサポ・令和3年8月豪雨」の助成金を頂いて実施しています。

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地域共生カフェ支援
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1月21日(金)に、NPO法人みつわさんが、久津具地区64世帯にお弁当の配食支援を行いました。翌日に予定していた地域共生カフェが、コロナのため中止となり、RSYから毎月送っていたボランティア派遣も見送りとなりました。しかし、転んでもただでは起きないのがRSYボランティア。6人が知恵を絞り「コロナ・災害退散」を願って、節分セットをお贈りすることにしました。

久津具の皆さんの健康を願ったメッセージに、節分豆が栄養価の高い防災食になることや、節分の歌、名古屋の節分文化などを添えて、少しでもホッと季節を感じて頂ければと考えました。当日は、区長さんや民生委員さんをはじめ、地区のボランティアさんの手によって、各戸に届けて頂きました。

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長野市ボランティア委員会との交流
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2019年、武雄市で水害があったすぐ後に、台風19号の襲来で千曲川が決壊し、

長野県も大きな被害に遭いました。RSYは長野市豊野区の自主避難所のサポー
トや「およりなしてあったか食堂(炊き出し支援)」などを通じて、長野市ボ
ランティア委員会や豊野区の皆さんとの交流が深まりました。今回、武雄市が
2度目の被害に遭ったことを受け、長野の皆さんから支援のお申し出を頂き、
RSYがおもやいや、NPO法人みつわさんへの、仲介役を担わせて頂いていま
す。

★ねこ半纏プロジェクト
「少しでも温かい冬を迎えて欲しい」と、長野の11人のボランティアさんが、ひと針ひと針想いを込めて制作して下さいました。久津具地区全64世帯に、2着ずつ贈りたいということで、寝る間も惜しんで作業に当たって下さっています。そこで1月19日(水)、オンラインにて、おもやいの鈴木代表と、みつわの荒川代表から、長野の作り手さんたちへ、武雄の被害状況や、ねこ半纏を受け取った住民の方の様子をご報告頂きました。

久津具の皆さんからは「とても暖かい」「毎日着てる」「本当に嬉しい!」と大好評だったようで、長野の作り手さんたちも喜びの声を直接聞き、ホッとされた様子です。代表のKさんからは、「現地には行けない私たちにもできることを考え、やらせてもらえたことが嬉しかった。みんな自分の好きなことを通じて、人の役にも立てるということを実感でき、モチベーションもアップしたと思う」とコメントを頂きました。ねこ半纏が、今後も久津具と長野をつなぐ架け橋となってくれれればと思います。

★くつく・ながのオンライン交流会
1月22日(土)、今抱える地域の「気になること」を共有し、次の災害への備えと地域の居場所づくりに向けて、できることを考える場として、久津具・長野・名古屋をつなぐオンライン交流会を開催しました。

当日は、武雄から、荒川さん、鈴木さんをはじめ、久津具地区自治会役員の皆さん総勢7名、長野からは豊野区の「まちの縁側ぬくぬく亭」から2名(他、オブザーバー参加多数)、RSYより浦野が参加しました。

久津具の役員の皆さんは、2年前に続きほとんどの方が被災されています。しかし直後は、自宅の被災や家族の安全の心配があるにも関わらず、ポンプ場の対応など地区のために奔走し続けました。「今地域の中で気になることは?」という質問に対しては、

「高齢化が進み、若い力が確保できず地区の文化行事や(災害対応を含めた)様々な役割の担い手がいない」
「一人暮らしや寝たきりの方々をどう避難させればいいのか」

「2年立て続けの被災で大きなリフォームを強いられた。建物は修復しても、メンタルがやられたのが一番大変だった。ボランティアさんが大きな支えとなった」

「一昨年の水害ではポンプがあるからと安心していたが被災した。わずか1年半で同じ地域の同じ人たちがまた被災。直後は人と話すことも辛かったが、同じ思いの人がいるはずと気づき、動かなきゃ!と思った。こういう時、普段からお互いのコミュニケーションが取れる場があることが大事だと思うが、そのような場をどうやって作ったらよいか分からない。でもこれがいざという時に、相談したり、声を掛け合ったり、頼れる先にきっとなるはず。でもサロンは敷居が高いと思っている人もいるから工夫が必要かも知れない」

など、様々な意見が出ました。
これを受けて、鈴木さんからは、おもやいで取り組んでいるサロンの防災研修や、簡易トイレや食料などを箱に詰めた防災グッズなどをご紹介頂きました。

また、長野の皆さんからは、水害後にできた地区の寄合所「まちの縁側ぬくぬく亭」の成り立ちや、活動の様子などをご紹介頂きました。特に、Sさんの「ぬくぬく亭はあらゆる垣根を越えて、みんなが自由に集まれる場所。そこから繰り広げられる雑談の中から、自然とやりたいことが生まれ、それを実現している感じ。地域はごった煮がいい。煮込めばその人の味が出る。そんな地域活動を目指したい」という言葉が印象的でした。また、支援が必要な人を把握するための防災マップづくりなどにも取り組んでいるという一方で、防災リュックなどは個々で揃えるに止まっているので、おもやいの防災グッズを参考にしたいとおっしゃられていました。

いずれもすぐに答えの出るものではないですが、こんな風に、お互いに思っていることを言い合って、たまに外の風も取り入れることが、次のアイデアや行動への糸口をつかむきっかけになるかも知れません。そのためにも、このような「場」を、今後も継続的に作っていくことの意義を感じました。

また、避難行動要支援者の避難誘導や、地域の担い手不足など、久津具の課題は、私たちの地域の課題でもあります。悩みや混沌とした思いも含め、被災地からの発信が、「自分の地域はどうするのか?」という問いを考え、分かち合うきっかけを作ってくれるようにも思います。

久津具地区はこれだけの被害に遭いながらも、地区を出ようという方は1世帯もありませんでした。それほどの愛着と共に、ある種の覚悟も感じます。「みんなで助かる地域づくり」への一歩を、どうすれば踏み出せるのか。
荒川代表は、「今後もこんな風に雑談を通じてみんなができることを考えていければ。ぬくぬく亭を参考にして、地域共生カフェがそんな場づくりの役割を担っていきたい。また、団体としても地区の方にも使って頂けるよう、拠点に備蓄品を用意したいと思っている。」とお話されました。
鈴木代表は、「2度も大きな被災に遭われた人たちが、久津具をはじめ、こうやって今でも踏ん張っている姿は大きな希望なのではなかろうかと思う。今後、どこかで同じような被害が起こるか分からないが、武雄や大町の人たちがここまで頑張ってきたんだよ、という姿をこれからどうやって見せられるのかを、地区の皆さんと一緒に考えていきたい。その中で、少しでも安心できる地域づくりに一緒に取り組めればと思う」とお話されました。
RSYも地元の皆さんと共に悩み、チャレンジしていければと思います。
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