みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
RSYは昨年8月27日より、8月11日からの大雨で被災した佐賀県武雄市を中心に支援活動を継続しています。
1月~2月は、佐賀県内にも新型コロナウイルスの蔓延防止措置が発令され、現地の活動も縮小・中止が相次ぎました。しかし3月になって活動が再開したため、RSY浦野とボランティア3名で再び武雄市を訪問することができました。
今回は、長野市の皆さん(令和元年台風19号水害被災地)にも同行して頂き、ようやく久津具地区の皆さんとのリアル交流会も実現しました!
私たちは、これまでの活動を通じて、地元とよそ者が一緒に時間を紡ぎ出す「場」を積み重ねることの意義を改めて感じています。たまに行き来する立場だからこそ気づく小さな変化や、普段と違う顔ぶれが加わることで、日々の営みに、ちょっとした特別感を演出できる場面もあります。
地元カウンターパートとしてご協力頂いている、一般社団法人おもやい、NPO法人みつわ(武雄市久津具地区)、被災地支援チーム「OKBASE(オカベース)」の皆さんには、心から感謝申し上げます。このような地元の皆さんとの取り組みが、連続性を損なわない生活のサポートを可能にしてくれているのだと感じました。RSYは4月以降も引き続き、細く長く、この関係性を継続していければと思います。
以下報告です。
※この取り組みは、赤い羽根共同募金「ボラサポ・令和3年8月豪雨」、日本財団「令和3年8月豪雨」の助成金を頂いて実施しています。
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武雄市・久津具地区の皆さんとの交流
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★お弁当配布サポート
NPO法人みつわさんは、1月に続き3月10日も久津具地区64世帯へのお弁当の配布を行いました。RSYはこれに合わせて、桜茶と名古屋名物ういろうセットを春のお楽しみとしてお贈りしました。
セットには、手作りういろうのレシピや、ういろうこぼれ話、お家でできる健康体操など添えて、くすっと笑えるネタや、季節を感じてホッと一息ついて頂ける内容を心掛けました。地元区長さんや民生委員さんをはじめ、地区のボランティアさんの手によって、お弁当と一緒に各戸に届けて頂きました。
★地域共生カフェ運営サポート
1月22日に開催した「くつく・ながのオンライン交流会」を経て、3月20日(日)のカフェで、待ち焦がれていた直接交流を果たすことができました。
当日は、長野市災害ボランティア委員会のWさん、豊野区まちの縁側ぬくぬく亭のSさんをお招きし、これまでの久津具地区との関わりや、2019年水害の様子、現在取り組んでいる集いの場「まちの縁側ぬくぬく亭」の成り立ちや活動の様子を紹介。
「思いついた人が思いついたことをやれるごった煮のような場所」というSさんの言葉の通り、人がつながり、一人ひとりの存在が際立つ工夫が至るところに散りばめられていました。また、ぬくぬく亭で作られた手作り品を参考に、住民の方からは「くつくでも作ってみよう」という提案も。長野名物手作りおやき(野沢菜・あんこ)に舌鼓を打ちながら、お互いの近況を語り合う姿が印象的でした。
交流会の後、区長さんと地区を見下ろせる高台に移動。区長さんは、「この地区は水に浸かると孤立する。64世帯・189人中、高台の公民館やお寺に避難したのは50人だけ。これまで2階にいれば何とかなったからと家にとどまる人が多い。今後の災害の甚大化と高齢化が重なれば、2階にまで水がくる心配や、2階まで上がることができない高齢者も出てくるだろう。とにかく早めの避難行動をどう促すか。これが大きな課題」と切実な想いを話されました。
交流の様子は、地元のケーブルテレビのサイトからご覧いただけます。ぜひ!
★Cable One
久津具区地域共生カフェ 水害被災地を縁に交流
放送日 : 2022/03/23
<ながの・Sさん、Wさんの感想>
◆Sさんより
六角川の内水氾濫で2回被災した久津具地区を訪ねた。ネギ焼き交流した高齢女性の「2回も被災し何もする気が起きなくても、お腹は減る。食べて寝れば朝になる。人と話して、泣いて、笑っていれば明日に、明後日になる。そうして過ぎればいい。」と語る姿が印象に残っている。
自分が被災した時、泥片付け、情報把握、各種申請など、毎日を追われるように過ごした。間に合わない、取り残されると感じ、そうしなければ落ち着いていられなかった。無理に自分をあきらめさせて処分したものも多く、今になって少しの痛みがある。ゆっくり決めてもいいものは処分を急がず、話す、食べる、寝る、泣く、愚痴を言う等の時間をもっと取れば良かったと思う。
彼女が「でも私は元気だよ。」と言えるのは、自分のペースを知り、自分で考えて、自分で決めてきたからかもしれない。地域でも後悔の言葉を今になって耳にする。今更ではなく、今こそじっくり耳を傾けたいと思った。
◆Wさんより
令和元年台風19号で長野市は60年に1度と言われるほど、記録的な大雨で甚大な被害を受けました。千曲川の堤防が決壊し、6地区が被害を受けました。今回、佐賀県武雄市の2年続けて被害を受けたことをNPO法人レスキューストックヤードの浦野さんを通して知りました。今回の笑びすさんでの交流会の場で、2年続けて被害を受けて復興状況等をお聞きしました。
「2年続けて被害は受けないだろう」
「きれいになったばかりなのに」
「またか」
「また、被害を受けるかも」
長野でも、「長野は山があるから台風なんて来ないだろう」とみんながおもっていました。「これからは、何が起こるかわからない。被害を受けるかもしれないと思って準備はしたい」と高齢の方が最後に話してくれました。交流会に来てくださった皆さん、とても明るく優しかったです。長野のことも心配してくださいました。交流の場を作っていただき、ありがとうございました。
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あったかごはんプロジェクト
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あったかごはんプロジェクトは、おもやいとオカベースさんとの協働プロジェクトとして、昨年12月からスタートしました。
水害によって心身の健康状態や生活機能、活力の低下がみられている世帯の方々と、一緒に食事を作り、一緒に食べることを通じて、その方が本来持つ持つ暮らしへの意欲や、人と関わる場を通じた楽しみや喜びを創出し、活力回復の機会につなげることを目的としています。
今回は、自宅が被災しながらも、水害直後から、地域の世話役的存在として頑張り続けてきたひとり暮らしのEさんと、ねぎ焼き・たこ焼きを作りました。「家に人が来たら、100%の力でおもてなししたいの。でもまだ修繕は全部終わっていないし、沢山の人が来たら恥ずかしいから」ということで、おもやいさんの拠点の台所をお借りしました。
メニューを相談して買い物に行くと、「みんなで買い物するのがこんなに楽しいなんて。調味料や材料のことを、あーでもない、こーでもないって言いながら会話するのがすごく楽しい。」と一言。その後も、オカベースの学生さんたちに、ねぎ焼きの作り方を伝授したり、常に目配り・気配りを働かせていました。「昔うちは人が大勢集まる家だった。お客さん用のお膳なんかもあって。亡くなった主人も気が利くところが好きと言ってくれてたの。」と思い出話に花が咲きました。
水害で一時元気をなくしていたEさんも、周囲の継続的な関わりによって、体調や表情の回復が見られています。水害当初、Eさん宅に毎日通い、信頼関係を築いてきたRSY看護ボラは、「随分顔色や体格がよくなって安心した。周囲のために頑張る自分が、きっと自分自身を支えてきたのだと思う」と話しました。
つかの間の交流でしたが、別れ際に、「本当に楽しかった。ありがとう。」と、Eさんの心からの笑顔を見ることができました。水害の辛い記憶が、様々な人達との関わりの中で、少しでも楽しい記憶に置き換えられたらと願っています。
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RSYボランティアの感想
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◆Kさん
3ケ月ぶりにカフェにいらした方のお顔の表情が明るくなんかが吹っ切れた様に思いました。長野の方との交流会も皆さん和気あいあいと熱心に話しを聴いていらした様に思いました。おやきも美味しい、隣の人にも、持ち帰りの人が何人かいらっしゃいました。これからは、カフェが久津具地区だけではなく地域の拠り所になって行くと良いなと思いました。気になっていた方の訪問も皆さんの顔がふっくら、顔色もよくお元気そうでしたので少しずつ被災前に戻って落ち着かれた感じがしました。
◆Tさん
今回、時間を作って何件か心配なお宅を看護ボラのFさんと一緒に回りました。被災直後は、畳も上げたままでの生活でしたのでそれから思うと室内も落ち着いた様子でした。被災の困難というよりは、高齢者の日常の生活の中での困難を感じるものでした。おもやいさんからも心配なお宅には足を運んでいただいているので、皆さんの様子は把握されているようですが、久しぶりにお会いすると顔色だとか、前よりはふっくらしたなど小さな変化に気がつくところがあり、人が変わり、様子を見るというのは大切だなと思いました。
今回の支援で看護師チームの関りは、本当に勉強になりました。看護師さんのような目線はなくてもたまにお邪魔して様子を見せていただくことや日常のつぶやきなどを伺うことならできるので、看護師さんと一緒に二人組で回るシフトも考えてもいいと思いました。多くのボランティアが被災後の生活を垣間見ることは、自分の地域でのものの見方が変わるし、いざ被災した時にこの経験が生かせると思います。また、訪問した時に記入している訪問シート(?)などは、地元で高齢者の訪問時などに応用できるものだと思いました。今回も学びの多い支援でした。
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