みなさま
新年あけましておめでとうございます。RSY事務局です。
本年もよろしくお願い致します。
さて、RSYは8月27日より、8月11日からの大雨で被災した佐賀県武雄市を中心に支援活動を継続しています。
水害発生から約4か月半。季節は夏から秋、そして冬へと移り変わりました。被災された方々は、経済的不安や次の災害を懸念しながらも、毎日の生活の営みは続いていくため、立ち止まることなく家屋修繕や寒さ対策などに追われています。
短期間での2度の水害は、人口流出や、これに伴う高齢化や地域の担い手の減少、生活困窮世帯の増加など、従来課題の進行に大きく拍車をかけたとも言われています。
私たちはこれまでの活動を通じて、住民の方々が、あまりにも過酷な現実を前に、諦めたりくじけそうになったりする心と必死で闘いながらも、日々をひたむきに生きる姿を目の当たりにしてきました。
そんな中、「一般社団法人おもやい」や「佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)」などの地元団体は、今後の生活設計において、自ら選択肢を見出し、選ぶことが難しい方々に対して、「それでもこのまちで生涯を終えたい」という願いを尊重し、一緒に悩み、不安や辛さを分かち合いながら、解決のための方法を懸命に模索し続けています。
また、県外団体受け入れのガイドラインを作成し、家屋保全のみならず、最後の砦ともいえるボランティアとの出会いや、励まし、気遣い合える「ひとの関係性」が絶たれない方法を、最善を尽くして考えて下さいました。
このような幾重にも連なる地元の勇気あるチャレンジや配慮と、全国各地の人々の関わりが、住民の方々の日々の生活を支えています。以下、RSYの10月~11月の活動報告です。
★この取り組みは、日本財団助成金「令和3年8月豪雨」からのご支援を頂き実施しています。
12月の活動も追って配信致します。
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64世帯中、54世帯が被災し、9割が床上浸水の被害を受けた武雄市久津具(くつく)地区。RSYはおもやいを通じて、10月から月1回、この地域に拠点を置く福祉系NPO法人「みつわ」が主催する、『地域共生カフェ・駄菓子屋笑美屋』のサロン活動をお手伝いしています。
みつわは、災害後から、おもやいや県外団体らと連携して、生活物品や炊き出しの提供を継続しており、住民が集い、情報交換やボランティアとの交流の場として、10月からサロン活動を開始。代表のAさんは、このサロンを助走に、来年度以降、災害復興と福祉のまちづくりの地域拠点に発展させていければと前向きな想いを語られています。RSYはこれに共感し、今後も、活動をサポートしていきます。
【10月の活動】
報告者:RSYボランティア/加藤さん・藤井さん
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1.個別訪問
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8月よりおもやいを通じて個別訪問をさせて頂いた要配慮者世帯を再訪問。健康チェックと生活環境の改善を行い、気になることはおもやいスタッフへ報告しました。
また、駄菓子は「レジで半額」に。大人も子ども、じっくり品定めしながら買い物を楽しみ、懐かしのお菓子を手に、笑顔も見られました。他にも、おもやいのコーディネートのもと、引き立てコーヒーの提供や看護チームによる健康チェック、物資配布提供、マッサージコーナーもあり、一つひとつの丁寧な関わりが住民の皆さんの癒しや安心感につながっていると感じました。
★住民の声
・畳屋さん、大工さん、電気屋さん、仏具店さん等々、来客が途絶えず、水害から家を空ける事が出来なかった。今日もこれから人が来るからゆっくりはできない。料理は何とかやっている。でも、みつわのお弁当配布はありがたかった~。(60代・女性)
・土日の休みに人が沢山来るね~。何でかな、熟睡が出来ない、途中で目が覚める。料理もまだする気にはなれない。(60代・女性)=========================================【11月の活動】
報告者:RSYボランティア/加藤さん・菊池さん・RSY浦野
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1.サロンサポート
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●日時:11月28日(日)/12:00~15:00
●場所:久津具公民館
当日は、大人25名、子ども3名が参加しました。恒例の駄菓子屋コーナーは、西九州大学の学生サークル「オカベース」から2名の学生さんがサポート下さいました。
今回、RSYは、水害から3か月が経過してもなお、なかなか解決の目途が立たない食と健康の課題について頭を悩ませていたところ、熊本県御船町の「みふねしあわせ日和~ごはん日和~」の皆さんから、炊き出しのお申し出を頂きました。
御船町はRSYが地域拠点「かたらんな交流館」を通じて、避難所や仮設住宅、子どもの交流、分散した集落のサポートなどに関わらせて頂いた地域です。
温かく、栄養いっぱいのおかずやスープと、御船町が誇る吉無田高原の湧き水から作られたおいしいお米をおにぎりにして、100人分の昼食を提供を頂きました。この活動には、浄土宗テラネット、DRT JAPAN NAGASAKIにもご協力頂きました。また、フードバンク熊本様より、健康茶やみかん、ラーメンやレトルトカレーなどの食品や生活物品の提供も頂きました。
「私たちが受けた恩を少しでも皆さんにお返しできれば」というリーダーのMさんの想いに答えるように、地域の方からは「ボリューム満点でおいしい!」「遠くからわざわざ来てもらってありがとう」「御船町の恐竜博物館に行ったばっかりだよ!」などのコメントがきかれ、つかの間の交流を楽しまれました。沢山の人の手を介して作られた、真心一杯の手の食事は、住民の方々の心と身体を温めてくれたようでした。災害の種類は違えど、被災することの辛さや、これまでの苦労にお互い想いを寄せながら、ねぎらいの言葉をかけ合う姿に、被災地と被災地がつながる意義を改めて感じました。当日会場に来られなかった方には、個別訪問にてお届けすることができまし
た。
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2.あったかごはんプロジェクト準備会
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サロンや個別訪問を通じて住民の皆さんとお話する中で、食環境がなかなか整わない課題の背景が垣間見えてきました。
キッチンの修繕が進まず物理的な調理環境が整っていない、料理を作るという気力が沸かない、食事を作ったりみんなで食卓を囲んで楽しむ機会や余裕を自ら作れない、経済面の負担により食事にお金がかけられない、もともと孤食・・など、事情は様々なようです。
RSYも皆様からのご協力で食料品の提供をさせて頂いておりますが、単なるものの提供だけでなく、食事の場を介して、作る・食べる楽しみを思い起こし、人との関わりを感じながら、暮らしの感覚を取り戻すお手伝いができないかと、「あったかごはんプロジェクト」を実施することになりました。オカベースのKさん、Tさん、おもやいボランティアのRさんたちとの共同企画として、12月に実施することとなりました。
★住民の声
・棚も来て、布団もきて、徐々にやっと落ち着いてきました。建具も入って、扉も閉まるようになったので、久しぶりに1階の畳の部屋に寝られてよかった。これまで2階で娘とひとつの布団で二人で寝ていたのでようやくゆっくり寝られます。でもこれからどんどん寒くなるからね。暖房器具を買うのも大きな出費になるからどうしようかと思っていました。それに最近、食が細くなって、体重も45㎏を切ってしまったの。最初はやりたいこともあったけど、今回いろんなものが水害で流されたから、もう欲しいと思うものはなくなっちゃったな。前はお裁縫もやってたんだけど、ミシンもなくなっちゃったし、お正月用に新しく買ったもちつき機も。でもいつまでも後ろを向いちゃだめなんだ。前を向いて頑張るしかない。(80代・女性)
・大工さんに修繕に入ってもらっていますが、作業は部屋ごとに少しずつ進んでいくので、私たちは家の中を転々している状況です。1階は断熱性もまだ低いから寒くて。これから雪も降るし、暖房器具が無いと耐えられないだろうな。でもやっとキッチン回りが整理されて、料理が作れるようになりました。でも、夫と一緒に早寝早起きして、体調には気を付けていたのに、夫が病気が発覚して心配で夜眠れないの。私は前回の水害でも被災したの。家の修繕をしている間、私たちはアパートに一時滞在してたんだけど、狭くて閉鎖的な空間だし、知り合いも近くにいないから寂しくてね。今回はそれが嫌で、不便だけど自宅にとどまる選択をしました。やぱり地域のつながりって、何より大切だと思います。(70代・女性)
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3.くつく・ながのオンライン交流会
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2019年に千曲川の決壊で被災した長野市。この災害でご縁を頂いた『長野市災害ボランティア委員会』の皆さんに武雄市の状況を報告したところ、「とても他人事とは思えない。武雄の皆さんと恩交わしがしたい」と申し出て下さいました。当日は、みつわ代表Aさんと、委員会の9名、RSYより2名が参加し、現状報告と、長野での復興のまちづくりに関する取り組みについて意見交換しました。
その結果、被災した農地を再生した「ベジじばファーム」から新鮮野菜のお届け、寒い冬を温かく乗り越えるための「手作り猫はんてん」の制作、RSYも立ち上げのお手伝いをした長野市豊野区の地域拠点「まちの縁側ぬくぬく亭」との交流、1月のサロンへの参加が決まり、今後の継続的な関係づくりへの足掛かりとなりました。
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4.作業系活動のサポート
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おもやいには、現在も作業系ニーズが寄せられています。今回、RSYボランティアのKさんが、コミサポひろしまの皆さんと一緒に、壊れた石垣の積み直し作業を手伝わせて頂きました。いずれも行政の制度では対応しきれない案件ばかり。制度の隙間を埋める取り組みに果敢に挑む、地元団体の想いを垣間見たようでした。
ムのために活用致します。<銀行振込>
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