RSY・令和3年8月豪雨水害への対応について(15・16報)

お世話になります。RSY事務局です。

令和元年・3年の水害で2度の被災を経験した佐賀県武雄市。RSYは、地元で活動する一般社団法人おもやい、NPO法人みつわ、被災地支援チーム「OKABASE(オカベース)」さんと協働し、要配慮者の見守りや、復興期の居場所づくりのお手伝いを通じて、様々な交流を続けてきました。

私たちは今年度、NPO法人みつわが拠点を置く、久津具地区で取り組む、住民の集いの場「地域共生カフェ」の防災ワークショップの企画・運営に重点的に関わっています。4月は、令和元年台風19号で被災した、長野市豊野区や長野市災害ボランティア委員会の皆さんとの交流、5月は、手作り防災頭巾ワークショップ、そして7月・10月で、災害時の食をテーマにしたワークショップを行いました。

災害時に、心身の健康を維持するための「食」はとても重要なテーマ。ライフラインの寸断、キッチン等の被災、移動手段が確保できず買い物に行けない、身体が疲れすぎて料理を作る気力・体力が沸かない、炭水化物や塩分過多のメニューで口内炎が増えたり、便秘・下痢・食欲不振や急激な体重増加につながった、など、様々な健康被害が問題となっています。

また、防災グッズとして市販されている非常食はとても便利ですが、値段が高い、普段食べ慣れないものなのでいざという時本当に安心できるものなのか不安、などの声も少なくありませんでした。

そこで、巷で話題の「パッククッキング」に注目し、普段からお家で長期保存でき、使いまわせる乾物や缶詰、乾麺などを使い、栄養価が高く温かい非常食の作り方を学びました。7月は、RSYボランティアのTさんが講師となり、ノウハウを伝授。

10月は、この体験をもとに、地域の方々に自由にメニューを考えて頂いたところ、なんと12種類ものアイデアが飛び出しました。目の前に並んだ食材を見ながら、メニューを相談して、あれよあれよという間にクッキングスタート!

その中から、特に美味しかった上位3つを、久津区オリジナルレシピとして、今後地域の方々に紹介していこうということになりました。

1.ひじきミックスごはん

(材料)お米、ひじきミックス(乾物)、つゆの素、ほんだし、水

2.ごちゃごちゃスープ

(材料)人参、玉ねぎ、ジャガイモ、乾燥きくらげ、鶏がらスープの素

3.トマトスパゲッティ

(材料)野菜ジュース、乾燥パスタ、鶏がらスープ、コンソメの素、大豆ミックス

 

参加された方からは、

「前に教えてもらって家でやったけど、食材によって煮る・蒸す時間を変えた方がいいかも」「7月に教えてもらったことを、今度は自分たちでメニューから考えて、実際に作るところまでできたから、とっても楽しかった」「何度か練習して、他の人にも教えてあげたい」など、思い思いの感想が寄せられました。

一方で、8月、9月は、台風や大雨の影響で、何度も警戒情報が発令された武雄市。その度に周囲と声をかけあい、早めの避難行動に取り組んだ方がいた方もいましたが、自宅にとどまり、不安な気持ちで事の成り行きを見ていた方も少なくありませんでした。

このような状況を受け、久津具地区では、民生委員のUさんを中心に、「個人ボックス」の準備も進められています。

名前の書いた専用ボックスに、避難所で必ず自分が必要になるグッズを入れ、水害警戒期間中は、地域避難所(公民館)に置かせてもらうという取り組みです。ボックスはコンパクトな上、椅子やテーブルにも活用でき、住民の方からも大きな関心が寄せられていました

住民の方々が自身の被災経験と向き合い、その学びを、具体的な形として地域に残そうというこの動きは、本当に尊いものだと感じます。

私たちも引き続き、武雄の皆さんから学ぶ姿勢を忘れず、交流・応援を続けていきたいと思います。