バリアとバリアフリー

災害時要援護者支援ボランティア養成講座に参加して、当事者の方と一緒にワークショップをすすめていく中で車椅子で外に出かけその先でどんな問題があるか、改めて配慮がなされていないことを感じました。新しめの交番を見つけて中に入ろうと思ったけど玄関前の階段に驚いたこと、インターホンがあるかと探したけどなかった。ホテルでは、コーヒーショップの入り口に階段が…。銀行のATMでは、いかに配慮がなされていないか。ATMにたどり着くまでの段差、液晶画面の高さの問題で車椅子からは見えづらいこと、「いらっしゃいませ、ありがとうございました」は自動音声が流れるが、実際に自分がどのボタンを押したのかわからない、カードを入れる場所は高くて遠い…。

RSYが5年目に突入しました!

先日3月8日は、RSYがNPOの認定を受けてからちょうど4年の記念日でした。
思い起こせば4年前、栗田が同朋大学をやめ、一念発起してNPOの専従スタッフになるという決意をしてから、立ち止まる間もなく走り続けてきた4年間でした。
この4年間で、災害ボランティアに対する社会的な認知や役割の重要性、災害時要援護者対策、地域防災活動の活性化など、大きな動きが「防災」の分野で見られてきました。各地で災害が相次ぎ、「自分たちで何とかしなければ」と本気で取り組もうとする方々が着実に増えてきているのだと感じます。
栗田も、内閣府・文部科学省などから検討委員会のメンバーにお声がけを頂くようになり、皆さんと共に歩んできたネットワークの中で、整理された課題や提言を少しでも民間の声として、制度やしくみに反映すべく、切磋琢磨しながら立ち向かっております。
清野は、事務所の守衛役として来訪者やボランティアさんへの対応、事務作業全般、栗田や私への笑いの提供(重要!)など、持ち前の気配りと心配りで全体の活動のサポート役となっています。
今年度から新たなスタッフとして迎えた椿(通称:マダム)は、被災地への派遣スタッフとして全国を飛び歩いたり、震災がつなぐ全国ネットワークの事務局として、その他RSY事務局のサポート役として、本当に大きな力を発揮してくれました。とても尊敬できるスタッフにめぐまれたことをありがたく思います。
アルバイトで大学生の松元くんは、主にHPや事務所パソコンの管理など、ITに弱い事務局スタッフにとっては、今やなくてはならない人となっております。最近は、うっすらひげなんか生やしてくる日もあったりで、「大人になったのね・・・」と一抹の寂しさも感じております。
また、RSY理事・評議員の皆様、「震災から学ぶボランティアネットの会」の時代から、いつも活動を見守り、支えてくださっているボランティアスタッフの皆様、本法人の活動趣旨にご賛同頂いた新会員の皆様にも、心から感謝申し上げます。
今年度は、HPの充実化をはかったり、RSY主催講座の実施など、まだまだ不十分ではありますが、ボランティア・会員の皆様にも活動に参加していただけるような環境の整備を進めてまいりました。
また、機関紙「あるある」は、編集リーダーの山田光さんをはじめ、編集委員会のボランティアスタッフの皆さんのご尽力により、相変わらず好評のご感想を頂いております。現在は新しいメンバーも加わり、さらなる充実が期待できることと思います。(でも編集委員は随時募集。ぜひご参加下さいね)
来年度は5周年ということで、一発パァ縲怩チと派手にパーティーでも打とうかな、と思案中です。浦野と清野は今から「てじな縲怩ノゃ!」を特訓中ですのでお楽しみにしていてください。(見たくない人はあしからず)
そんなわけで、今回は浦野ひとり感慨にふけってしまいましたが、周りはそんな暇も無く今日も各地を飛んでいます。でもきっと、それぞれの節目を感じていることでしょう。5年目も、「ひとりひとりの暮らしと命」を大切に、スタッフ一同前進してまいりますので、皆様のご指導・見守り・ご協力のほどをよろしくお願い致します。

災害時要援護者支援ボランティア養成講座が終了しました!

先日、かねてから皆様にもご案内しておりました養成講座が無事終了しました。
この講座には、約45名の方が参加し、名古屋市より修了証書を授与されました。
今回の取り組みは、運営スタッフとして、視覚・聴覚・精神・身体障害のある当事者の方々にもグループワークを担当していただきました。
このような講座は名古屋市でも前例が無く、私自身もどうなるか、正直なところ不安で一杯でした。でも短い準備期間だったにも関わらず、こちらの意図するところを一生懸命に理解して下さろうとした、事者スタッフのみなさん、ファシリテーター(健常者)の皆さんにめぐまれて、何とか3日間を終了することができたと感謝の気持ちで一杯です。
そもそも、今回の参加者の皆さんは、障害のある方々と接する機会のほとんどない、地域の民生委員さんや自治会関係の方々が多かったため、どのように状況を受け止めるのか予測ができないところでした。現に講座1日目には、当事者の方に対して、「あなたの意見は聞いてないんだよ」と発言された参加者の方もいたようです。多かれ少なかれ、グループワークを進めるにあたり、このようなズレは出てくるであろうと考えていました。
また、その状況を当事者スタッフの方がどのように受け止めようとされるのか、そして両者の考えをどのようにすり合わせて、お互いが歩み寄っていくのか、本当に歩みよれるのか?これに関してはやってみなければ分からないところでした。
以前、避難所での食事の話をしていた際に、アレルギーのある人への対応の話題になりました。その人が出した結論は、「アレルギーは一人ひとり違うものなので、自分で備えてもらうしかない。地域でサポートするなんて、絶対無理だ!」というものでした。
「絶対無理」という言葉。なんでそんな言葉でそんなに簡単にこの課題を放棄できるのか。何を根拠に「絶対」なんていえるのか?どれだけ時間を割いて、当事者も含めて、どれだけの人たちに意見を聞きながら、その問題に向かいあっていったのか?簡単にはいかないことは最初から分かっているのです。だからこそ、誰もが手をつけずに今までおざなりになってきたのだから。
この現状を変えなければならいと本気で思うならば、人任せではなく、自分にできることは何かを一人ひとりが真剣に考える必要があると思います。私はその人に、『「絶対」なんて事柄はありえない」と言いました。そんな簡単に、そんな言葉出すもんじゃないよ、と。でもこれは、少し前の自分自身にも向けた言葉だったと思います。「絶対無理」といった時点で、もうその課題は自分の手を離れてしまうのです。
しかし、そうは言いつつも、本当にそんな歩み寄りができるものなのか・・・というとことは、講座を始める前までは非常に不安でした。もしさらにお互いの距離が遠くなってしまったらどうしよう、と。
しかし、ある当事者スタッフの方から頂いた感想のメールを拝見し、時間を共にするなかで、参加者の方々もスタッフの皆さんも、お互いに気付くことがあり、少しずつそのズレが解消されて距離が縮まっていったのだという過程が分かり、地域の皆さんの持っている力ってやっぱりすごい!と驚きました。
この力を信じて、私たちはこれからもこの課題にきちんと向かい合っていきたいと思っています。今回はようやくスタートラインに立ったというところですから、これからは、きちんとした形(実践に)になるように、今回得ることのできた、心強い仲間と一緒に、取り組んでいけたらと思います。
今回は私自身、この講座を通じて、素晴らしい方々との出会いを頂きました。
当事者の方がそこにいなければ伝えられないこと、周りが気付けないことが沢山あります。とっても難しい課題ですが、お互いに足りない部分を補いあいながら、できるところから地道にやっていきたいです。とにかく考えているだけじゃなく、失敗を怖がらずに、今は実践を重ねるのみ、その時期だと思っています。