石川県小松市、福井県南越前町へのRSYの支援について(第1報)

RSY事務局です。
昨日、8月11日(木・祝)、7日(日)に続き、小松市災害ボランティアセンターからの要請を受け、常務理事・浦野、事務局スタッフ・秀島を現地派遣し資器材の提供等を行いました。
また、その足で福井県南越前町災害ボランティアセンターにも立ち寄り、地元社協、県社協、支援PのYさんらと共に、今後必要な支援について意見交換しました。以下、浦野からの報告です。
※なお、スタッフについては、ワクチン3回摂取、当面2週間の健康状態良好、抗原検査陰性を確認した上で派遣しております。
1.石川県小松市の状況
市災害VCから要望のあった、ダクトファンやサーキュレーター、栄養ドリンクや、N95マスク等の生活物品をお届けしました(資材は震つな協力)。大まかな泥は片づけられつつあり、床下の泥かきや、家屋の乾燥・消毒・カビ対策のフェーズに入ってきています。水害発生から1週間以上が経ち、住民や社協職員、ボランティアスタッフの方々にも、疲労の色が見られ、週末から来週にかけての雨に不安を感じる声も多数ありました。しかし、地区の中に在宅避難者の支援拠点ができるなど、住民同士の主体的な助け合いの姿も見られています。
(被害状況)
・被災家屋は、床上262世帯、床下655世帯(8月10日・県発表)
・断水箇所は依然として61戸(山間部)、給水車対応
・避難所は小松市内のホテル避難者7名を除き、県内全て閉所
(小松市災害ボランティアセンター)
・10日までの約200件のニーズに対し、1,013名のボランティアが対応
・1日平均300人~400人が活動(11日は428名)
・運営は地元ボラで回されており、近隣社協や市、こまつ災害ボランティア連絡会からの応援も入っていて、落ち着いた雰囲気で、きめ細かい対応が展開されている。
(被害大きかった中海地区の様子)
・災害ボランティアセンターからの派遣に加え、消防団も家屋や側溝のが泥かき、災害廃棄物の撤去などを行っており、前回訪問時から道路の泥やがれきは随分減り、床板を上げて乾燥させている世帯が増えた印象。災害廃棄物の道路上の山積も見られず、きれい。
・乾いた泥が細かな砂となって舞い、目の炎症や吸い込みによる体調不良が心配される。
・床上浸水の一部は漏電の危険があるということで停電中の箇所あり。一部2階で生活している方もいるが、通電してない場合は親戚縁者区宅で生活を継続している模様。
・電気・ガス・水道等のライフラインは基本的に使用可。
・地区の中心にある公民館が復旧し、「救護所」という看板を掲げ、地区住民(各種団体、住民ボラ)が中心となり、食料・冷たい飲料水・生活物品(洗剤、タオル、軍手など)の配給、住民・ボランティアの休憩スペース、ひとり暮らし高齢者の見守り、相談等を行っている。実質的な在宅避難者の支援拠点として機能。女性が多く、「何をすればよいか分からないが、まずは来てみてやれることをしている」とのこと。他地域でも学ぶべき取り組みと感銘。
・アルファ化米、タオル、飲料水、カップ麺類などは奥の部屋にストックされており、各所から支援も届いている様子。
・地区独自で、やきそばやピザ、かき氷など、キッチンカーによる炊き出しも受け入れており、温食・冷食の提供が行われている。
(住民の声)
生まれてからずっとこの地区に住んでいるけど、こんな経験は初めて。ものの10分で水がきた。つくづく水を甘く見てはいけと思った。昨年のちょうど今頃夫が亡くなり、今は一人暮らし。もし生きていたらこんな時頼れたのにと思うと悲しい。あの日は気づいたら前の川(梯川)が溢れて、道路に水が流れてきた。怖くなったので近隣市にいる息子に電話し、迎えに来てもらった。10:30頃、すでに膝丈まで水が来ていて、家の前まで車が止められず、水の中を息子に手を引かれながら車まで歩いた。怖かった。ずぶ濡れで着替えもなくガタガタ震えていた。通行止めも多く道も混んでいて、ようやく息子の家にたどり着いたのは20:00頃だった。
自宅に戻ると玄関のすぐ下まで水の跡があり、床下は泥だらけ。息子が片づけに来てくれていているので、災害ボランティアセンターには頼んでいない。私よりもっと大変な被害にあっている方がすぐ近くにいると思うと申し訳なく、自分は頑張らなくてはと思う。知っている方ばかりがひどい被害にあい、お宅の前を通ることすら、申し訳ない気持ちになってしまう。公民館に行くのは、コロナの感染を心配した息子から「人が一杯いると危険」と止められていたが、ひとりでいるのが心細く、少しでも気分転換になればと思い、さっき思い切っていってみた。地区の方が何人か声をかけてくれてとても嬉しかった。温かいやきそばやピザも頂き、ありがたかった。今、こうして声をかけてくれただけでも、本当に嬉しくて涙が出て来る。(80代・女性)
うちは床下浸水だった。ライフラインは普通に使えるし、床上の物は特に被害もないので、今のところ困ることはない。床下の泥も気になったので、ボランティアさんに確認してもらった。でも対岸の床上浸水のお宅の一部は、夜電気がついていないところもある。2階で生活している人もいる。(50代・女性)
床上の泥や家財道具等の廃棄は随分進んだ。これからは、床下や側溝の泥の撤去が中心になりそう。床下の断熱材の撤去も大変。来週から雨がふることもあり、側溝のつまりを心配する声も聞かれている。とにかく目の前の泥をまず片づけることに精一杯で、その後の細かい作業が続くことまでは、皆さんも僕らも頭が回っていない状況。住民の方々にはアルファ米なども提供されているようだが、水も電気も復旧している家屋が多いため、サトウのごはんのような、味付けなどの加工のない普通の食事の方がありがたいと言っていた。住民の疲労もかなり大きく、買い物や1回の食事の用意も大変そう。(地元ボランティア)
これらの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
2.福井県南越前町の状況
県のボラバス100名を含め、1日500名近いボランティアの受け入れに奔走。近隣社協職員等合わせ、総勢40名程度でセンターを運営。RSYからは、水害にあったときにチラシ・冊子、床下消毒チラシ、栄養ドリンク、水、N95マスク、タオル等をお届けしました。現地によれば、床下の泥撤去ニーズが今後増える見込みだが、資材不足が心配とのこと。断水エリアの生活状況も心配されていました。
3.RSYの対応について
★南越前町災害VCへボランティア活動資器材を発送しました!
本日、現地からの要請を受け、6名のボランティアさんと共に、一輪車やスコップ等のトラックへの積み込みを終え、昼過ぎに現地に出発しました。4トントラック一杯分の資器材は、本日16時頃には、現地に到着予定です。昨夜のよびかけにも関わらず、二つ返事でお答え頂いた頼もしいボランティアの皆様。いつも助けて頂き、本当に感謝しています。ありがとうございました!
★今後の生活再建に向けたサポートを検討中
大まかな泥かきの目途が着くと、その後は数か月にわたり細かい作業が続きます。また、今後も心配される台風や大雨で心は休まらず、心身の疲れもさらに大きくなることが予想されます。
安心して一息つける居場所の継続や、各種支援制度、家屋修繕、健康やお金等に関する具体的な相談・助言機能も必要となることが見込まれます。RSYは過去の経験と、ネットワークの協力を得ながら、被災された方々のペースに応じたお手伝いを必要に応じてタイムリーにお届けできるよう、地元キーパーソンらと連絡をとりつつ、今後の対応を検討していきます。
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