【報告】石川県小松市「中海お茶っこサロン」(2022年8月水害・第10報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは昨年度より、2022年8月3日からの大雨で被災した石川県小松市中海町・中ノ峠町の皆様と交流を続けてまいりました。

水害当初、地元の女性たちと共に始めた「あったかごはん食堂」が、北陸学院大学や被災地NGO恊働センターとの協働を経て地域サロンに発展。女性たちから「被災している、していないに関わらず集える場を地域の人たちが求めていることがわかったから、これからは自分たちで運営できるようになりたい!」という声が聞かれました。そこで、11月15日~16日にかけてRSY第10陣としてRSYスタッフ・ボランティアを派遣し、サロン中のカフェや足湯、健康相談のお手伝いをしました。

また他にも、活動を通じて訪問を重ねていた3世帯へのお宅への個別訪問や、山間部の中ノ峠地区の復興状況の視察、住民の方からお話を伺いました。

以下、RSYスタッフ・稲垣、ボランティアの椿さん、RSY看護チームの藤井さんからの報告です。

1 中海お茶っこサロン
サロンは中海公民館で11月16日の午前10時30分から午後1時まで開催し、24名の方がおみえになり賑わいました。

あたたかい飲み物を提供するカフェ、ほっと一息つける足湯、血圧を測ったり健康不安についての相談コーナー、そしてフリースペースを設置しました。

カフェでは、事前に準備していた手作りのホールケーキを食べやすい大きさにカットしてカップケーキがいっぱいできました。これを淹れたてのコーヒーと一緒に提供です。

足湯コーナーは
ほっと一息、あたたかーい~ きもちいい~

健康相談では
あれっ?血圧高いー! どうしましょう…サロンの会話の中で、血圧の話題となり血圧計で測定、誰が高いとか低いとかで盛り上がっていました。

自分で測定ができる様に自動血圧計を設置して、冬季となっても水分摂取が大事であることをピーアールする目的でポスターを提示しました。

そしてフリースペースで井戸端会議
息子がねぇ…うちの旦那が…卵が高くてねぇ・・
など話題もいろいろ。
和やかでまったりした時間を過ごしました。

★住民の声
〇70歳代:女性
74 歳になっても 仕事に行っとう、2時から8時 週1回だったのが2回になった、体にこたえる。鹿児島の 息子が招待してくれて、孫と二人で遊びに行って贅沢させてもらった。 孫が小学校に上がるのでお祝いにパッチワークをプレゼントしたから肩が凝ってる。 おっちゃんのお食事は準備して持って行ったり世話はしとうよ。
こうなん(サロン)するなら午前にやって、午後は仕事に行かなんからなぁ。

〇70歳代 女性
両足に静脈瘤の手術をしたから、時々自分で足湯をするの。ここまで(ふくらはぎ)湯を入れとるよ。腰も痛い、圧迫骨折したから…。
2 個別訪問

以前から何度か訪問を重ねていた3世帯のお宅を訪問しました。
最初のお宅は、出かける直前であったため、挨拶程度の声かけになってしまいましたが顔色も良く、動作も軽やかで安心しました。

次のお宅は「おー、あの時の。元気にしとる、運動に週1回通っている」と受け入れてくださり、スッキリと片付けされた玄関に大輪の菊の鉢が複数置かれ、お顔も動作も以前お会いした時と変わりがなく元気でした。

最後のお宅は、浸水後片づけた離れで暮らし、小屋には農具が置かれ、畑仕事をされていて「ボランティアさんにお世話になって、きれいにしたけど、息子夫婦がここまで浸かる所は住めんと言って、隣町に住んどる。建てて間がないのにね。」と水害によって暮らしが大きく変わったことが伝わってきました。

<ボランティアの感想:中海地区>
梯川の中海小学校の辺りは重機が入り、河川工事が進んでいました。中海町を歩いても新しくなっている部分・水害のままの部分が混在していて、被災した方の中でも環境も気持ちも落ち着いた方、環境の変化が大きく気持ちの整理がつかない方と、それぞれの復興の道のりに違いがあることを感じました。

サロンでは水害に関する話はほとんど出ません。しかし個別にお話を聞いていくとそれぞれの想いや暮らしの様相は様々。今回皆さんとの関わりを通じて「いつまでも昨年の水害を意識したままではいられない」という想いは感じつつも、まだ水害の話題を気兼ねなく吐露できる機会は今後も大事ではないかと感じました。

健康相談では、血圧測定や相談だけでなく健康上で気を付けて欲しい事を即席の小さなポスターで提示をしてみました。今後も災害の経過時期や状況を考慮しながら健康に興味を持って頂けるようアピールしていければと思います。

3 中ノ峠地区
中ノ峠地区の中を川沿いに走る一本しかない道は、通行止めとなっていました。
徒歩で地区に入ると、大規模な工事が進められ、何軒か訪問しましたが不在でお会いできませんでした。

あとでわかりましたが、工事の騒音があるので工事が始まると皆さんどこかへ出かけるそうです。氾濫した川沿いに奥へ進むと最初は電気工事、

その奥は護岸工事が行われていました。

崩れた山の斜面も復旧工事が進みました。

※奥の法面が土砂が崩れていた。

いつもお世話になっている地区の入口にある物産店を訪ねました。
被災直後は水源がこわれ名物の岩魚の提供できず困っていましたが、今は被災前と同じように店が開けられるようになったと喜んでいました。

冬の対策を進めているけど工事の通行規制で不自由している。工事が終われば安心に暮らせることを信じてると笑顔で話してくれました。

<ボランティアの感想:中ノ峠地区>
ほぼ半年ぶりに訪れた中ノ峠地区は復興工事が進んでいることを肌で感じました。物産展を切り盛りしている地元の方お二人にしかお会いできませんでしたが、二人とも明るく前を向いて生活する姿を見て安心しました。中海地区と同じように中ノ峠地区も今後、携わりたいと思いました。