新潟県中越沖地震[第45報]

皆さま

清野です。刈羽村で活動している加納さんと浦野・松田からの9/22?24の活動報告を配信いたします。[2007.9.24現在]

■ボラセンの活動
9/22(金)
・午前中は仮設住宅の集会場でNPO法人リハレクアカデミーが健康教室を行った。高齢者向けの体操や手遊びゲームなどをした。参加者は5人。参加してみたが、メニューがとてもよく、来た人全員が楽しんで参加していた。
また、午前中は同じ集会場でヒヨ子の会という子育てお母さんの会もあった。お年よりはテーブルでレクを楽しみ、小さな子ども達はその周りで走ったり、ボランティアと遊んだりしておりとても雰囲気が良かった。
・ローラー作戦で、数世帯を廻るも、不在でお会い出来ないお宅が多かった。
・昨日、A地区の区長さんのお宅へ行き、10月のはじめにA地区でせともの市を行うことが決まった。本日はそのチラシ作りなどを行った。今後は、A地区にこだわらず、他の地区でもやっていけたらと思う。
・30名以上の登録ボランティアの方々に社協便りを配るための作業を行った。まずは、社協の活動を知っていただき、今後、その方々の力を借りてボランティアセンターの取り組みを一緒に行っていきたい。

・ゲートボール場仮設住宅のほうの談話室の利用がとても少ない。集会場等ではお茶会をはじめ様々なイベントがあり、住民が集まってくる雰囲気作りが出来ているが、談話室はまだまだといった印象を受ける。また、ゲートボール場仮設住宅には足の悪い方が多く、集会場でイベントがあると誘っても「そこまで行かれない」と言って断られる方が多い。今後の利用について。工夫が必要。

■寄り添いプロジェクト
<9/22松田報告>
本日は、A地区の区長さんに3日(せともの市)のチラシを作成、お届けした後、屋根のブルーシートを直してほしいという電話があったおばあちゃん宅に出向き、いつもお願いしているという瓦屋さんに連絡をつけました。この方は、会長さんも直接は顔を知らない方で、ボランティアをお願いする常連さんでもないようでしたが、「ボランテア45?2317」と書
かれたメモが電話脇においてあったのが印象的でした。
まだまだ、これからボランティアに何かしてもらいたいという人が増えるのかもしれません。
最後のミーティングまでいられなかったので全体の様子は直接見聞きした範囲でしか把握できていませんが、
・買い物ツアーに参加する人数はわずかずつ増えている。
・集会場に集まってくる人の顔ぶれは決まってきている。
ことを報告しておきます。

<9/23浦野報告>
○仮設住宅の訪問(個人ボランティアの看護師さんの個別訪問に同行)
・発災直後から活動していた看護士さんが、今も個人ボランティアとして毎週末に仮設を訪問されている。入居されている方とも信頼関係を築いており、みなさんが頼りにしている姿が印象的であった。
○集会場での神戸大学・大阪大学による足湯ボランティアに参加
・事前のチラシでの広報の効果もあり、「初めて集会場に来た」という方も何名かいらっしゃった。足湯は避難所の時から活動を続けているので、どんなことをやるのかイメージがあり、みなさんも足を運びやすかったようだ。
・毎週のお茶会やイベントの案内なども合わせて行い、今後も気軽に立ち寄って頂くようお話をした。
○A地区・区長さん宅を訪問
・10月3日の瀬戸物市についてのごあいさつをした。22日の集落の会合で、町内会長にチラシの配布を依頼して下さったとのこと。
・今後も信頼関係づくりも含めて、訪問した際は、なるべく顔を出せればと思う。

<9/24 浦野報告>
○仮設住宅「友の会」お茶会&足湯ボランティアへの参加
・毎週月・水・木の9:30?11:30に行われている恒例のお茶会に参加。今まで顔を合わせたことのある仮設の住民の方のお宅まで行き、お誘いの声かけを行う。
・「友の会」のボランティアさん3名、仮設の方約10名が参加。お茶会に関わる友の会のメンバーの顔ぶれも、だんだん増えていっているように見える。スケジュール立てやメンバー確保の調整を自分達で行っているようで、とても自立した
グループである様子。今のところ9月一杯のスケジュールしか決まっていないとのことだが、「10月以降も無理のない、週3回のこのペースでなら続けて行きたいわね。」とお話されていた。
・お茶会参加者の顔ぶれは固定化してきてはいるが、おなじみの人が近所の友達を連れてきてくれたりするので、少しずつ認知度が高まり、足を運ぶ人は増えてきていると思う。きっとここでの時間が楽しいものであるという表れなのだろうと思う。
・反面、「お茶会=お年よりのたまり場」という雰囲気が大きいため、中年層の方が入りずらいとの声も。しかし、足湯企画と合同で行うことで、2日間を通じて、若い母親やサラリーマンも気楽に参加できたようだった。

■寄り添いメモより
・仮設に入ってから、体調を崩した時に看護師ボランティアの方が気づいて病院まで連れて行ってくれた。もし、あの時自分の気持ちに負けて入院してしまっていたら、もう何にもやりたくないという気持ちになっていたと思う。そうなるこ
とが分かっていたので、点滴だけで帰ってきた。でも、とっても体調がよくなって本当にありがたかった。
・自分はこの歳まで仕事一筋できたが、今回地震にあって、沢山の人たちと出会ったことで元気や優しさをもらって、沢山のことを学んだ。この地震を体験せずに人生を過ごしていかなくてよかったと思っている。
・最近仮設に帰るのが楽しみになってきた。夕涼みをしていれば、お隣の子どもが外で遊んでいるので、一緒に遊んだりして楽しく過ごせている。

■浦野所感
・ニーズがますます個別化・潜在化している。そこに対応するための基盤となるのは、「信頼関係」であるとつくづく思う。ボランティアの○○さんになら頼める・言える、などのケースも少なからずある。その根本にあるのは、「たった一人のために動ける」ボランティアの自由性で、そばで話を聞いてくれる、自分のペースを尊重してもらえるという安心と信頼感だと思う。

この関係性が基盤にあれば、たとえ100%自分の要望が叶わなかったとしても(実際の声の中にはボランティアで対応できない内容も多いので)、「自分のために動いてくれた人がいる」「話を聞いてくれる人がいる」という事実が、Aさんのように、新たな力や考えを生む場合もあるのではないかと思う。

地元のサポートは、中越復興市民会議より、週3回スタッフが派遣され、仮設訪問などの丁寧な活動を展開されており、10月14日には川口町温泉ツアーを組み、バス旅行も企画され、着々とつながりが深まりつつあると思う。

逆に、いつも側にいられず、遠く離れた場所にいる私達でも、A地区との小さな関わりを丁寧に重ね続けてきたことで、ようやく具体的な取り組みとして、瀬戸物市を開催することになった。このような企画を介して、少しでも私達の存在を
地域に知ってもらい、気楽に会話を交わせるようになって初めて寄り添いプロジェクトの活動が始まるのではないかと思う。

また、地域の中に潜在している「誰かのために人肌ぬぐか!」という思いを持つ人を見つけて、その人が動けるきっかけを作っていくことも、重要な役割であると思っている。

皆様方のさらなるご協力をよろしくお願いいたします。
★災害ボランティア活動支援募金★
郵便振替口座:00920-7-75997
加入者名:震災がつなぐ全国ネットワーク
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