能登半島地震【第19報】

皆様
栗田です。お疲れ様です。穴水町で活動を行っている吉田護さん(京都大学防災研究
所社会防災研究部門)より活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたしま
す。本日から浦野が現地入りしました。(2007.4.14現在)
■行政との連携
地元が主体となって動いた?元中学校教師を中心とする町内廻り,?民生委員による
一人暮らし高齢者被害状況調査,?「家のことについて専門家に聞きませんか」につ
いての報告書をまとめ,役場に提出した.住民の生の声が満載されているので、今後
もこうした連携を大切にして、決めの細かい対応を図っていきたい。
■現場の諸問題
□民生委員による報告会にてあがった,お墓が多数倒れているという件だが,地元の
業者が既に廻り,急ぐところは解決済み.他に目立つお墓に関する声は上がっていな
い.また,そのような声が出たら,町の業者を通じてやっていきたいとのこと.
□山中ゴミ処分場に電気屋が多数の製品(傷もの)をもってきた模様.地震による損傷
かどうかの判別が難しく,所長さんは怪しんでいる様子.地震以外の欠陥製品に関し
ては,受け入れたくないとおっしゃっていた.
□かなりの被災状況にも関わらず,遠方のため支援が手薄となっていた地域に対し
て,VCのちらしを配布した.門前と非常に近い地域で,車で30分以上の地域.基本的
には蔵の被害が大きい.
□避難所の声(地元ボラ連による避難所廻り)
避難所から仮設住宅の移動の際のボランティアの依頼があがってきた.
→ミーティングで話しあった結果,20日に仮設住宅の申し込みの締め切りを迎えるた
め,その後に避難所に関しては事前にどれくらいのニーズがあるのかを調査すること
で同意.仮設住宅前後はニーズが増加することが予想され,事前にボランティアの数
を調整したいところ.(北陸電力からトラック3台を,運転手を含め,仮設住宅移動時
に派遣するというボランティア受付も既にあり).
・仮設住宅への移動は4月末になる見通し.
・45戸同時に入居予定.
□毎日家にお話相手に来てほしいという方がおられ,VCに連絡が来る.民生委員さん
との協議の結果,民生委員さんが基本的に毎日訪れるということだが,もし駄目な日
があればVCに依頼するとのこと.
□14日は土曜日ということもあり,家の片付け依頼が多かった.ボランティアの数で
は需給を満たしていた模様.
□商品の被災の証明書が欲しいが,役場の税務課に行ったけれども発行してくれな
かった,つき返されたとVCに電気屋の方が来られる.こんな証明書も発行しれくれな
いのかとかなりお怒りの様子だった.VCで役場の災害対策本部に連絡をとり,結果と
して作成してくれたが,役場も初めての対応だったらしく,混乱が生じていた.その
来られた電気屋の方も最後は機嫌を取り直して帰られたが,役場で発行する罹災証明
書が家に関することだけで,商品等の被害の証明とは無関係と言われたことに相当ご
立腹だった.
□住宅診断に関しては、結局56件もの申し込みがあった。3日間で対応できたのは34
件で、22件が後日実施ということになった。一方で、毎週末に役場が同様のサービス
を実施することになり、受付をしたが診断を実施していない家庭に関しては,電話で
問い合わせを行い,行政側が行っている診断かVC側で行っている診断かを選択しても
らうようにすることにした.


■吉田さんの所感
文章作成やADSLの設定などに追われ,住民側の意見を間接的にしか聞き取れなかった
ことが悔やまれるが,穴水町全体を通してここ数日は落ち着いた様子だった.4月17
日に行われるボランティア連絡協議会の会議でいかに町民のボランティアをVCに巻き
込むかが今後の最も重要な課題.さらに今月末の仮設住宅前後におけるVCの活動も今
後の課題.浦野さんに引き継ぎたいと思います.