能登半島地震【第20報】

皆様
栗田です。お疲れ様です。15日から再度現地(穴水町)入りした浦野から活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.4.16現在)
○本日の活動
■家の安全相談について
・家屋の調査依頼について、前回訪問できなかった分を4月26日縲鰀27日の間で実施されることが決定。
・すでに調査が済んでいる分については、お年寄りでも理解できる調査結果の解説書を添付して返却して頂くようにした。
・現在、町が毎週土日にかけて、家の相談・調査を実施しており、その後のボラセンへの問い合わせには町を紹介。
・今後は調査結果を個別に返却していきながら、声かけ・見守りを行っていきたい。
■避難所の訪問について
・本日地域ボランティアの方3名と浦野でキャッスル真名井(入居者30名程度)、グループホーム聖頌園(入居者6名程度)の2箇所となった避難所を1時間程度で訪問。
【被災された方の声・様子】
(グループホーム聖頌園:入居者6名程度)
・「日中は特に何にもすることがないので、こうして座ってテレビを見ている。家にいた時は、布団を干したり、おかってやったり、衣替えをしたりとやることが一杯で結構忙しくしていた。特に、今の季節には山へ行って、ぜんまい、わらび、よもぎなんかの山菜を取りにいっていた。自然と一緒に生きていた。でも今はいけないし、取ってきても自分で料理もできない。」
・ボランティアさんが一人ひとり手を握りながら、言葉かけを行っている。「ありがとう」という言葉と共に握り返す手の強さは、「もう少しここにいて欲しい」という気持ちの表れであるような気がした。
(キャッスル真名井:入居者30名程度)


・3日に1度のペースで人口透析を受けている男性。訪問時、日中一人で布団に入り、テレビをみていらっしゃった。「体調でもわるいんかね?」とボランティアさんが尋ねるも「やることがないでこうしておるだけ。」と答える。枕の汚れや体調管理について気になったため、県から派遣されている常駐の看護協会の方に尋ねるも、「普段は自己管理できているかたなので、行動については個人に任せてある。でも、家とここでの生活を比べると、明らかに個人の行動範囲が狭まり、運動量が少なくなっていると思うので、筋力低下を予防する軽い運動などが必要だと思う。」とのことだった。
・一人暮らしの女性の3人部屋。一人の体調が回復し、家に戻ることになった。「あの人を頼りにしていたのに、いなくなってしまうのはさびしい」と同部屋の方がお話されていた。日にちが経つにつれて、家に戻られる方も増え、空き部屋もぽつぽつと目立つ。戻りたくても帰る家がない自分、これからの仮設生活の不安、取り残されていくという寂しさ、様々な気持ちが渦巻いていている様子だった。
・この避難所では定期的に送迎車が出されているようで、本日は女性6名が買い物にいくために出かけていった。身体的には足腰もしっかりしている方がほとんど。一方で、透析を受けている方、目の悪い方、耳の遠い方などは外出できずに一人で部屋にいるか、部屋からあまり動かないという状況が続いている様子。
○浦野の感想
・現在地元のボランティアによって実施されている訪問活動は週3回。しかし、できれば毎日訪問ができるような体制が整うのが望ましい。入居されている方は、ボランティアの訪問をとても心待ちにしている。また、ご本人たちも、自分で気分転換をしようとしても、どうやっていいかわからないという状況もある。
・ボランティア側には「あまり頻繁にいったり、長居すると返って迷惑になるんじゃないか」という気兼ねも出てきているようだが、被災された方々の中には、その壁を越えた深い係わり合いを望んでいる方もおられるように感じた。ボランティアの中でも、このような被災された方の気持ちの捉え方の共有が必要だと思う。
■ボランティア連絡協議会「能登半島地震緊急会議」の実施
・4月17日(火)13:30縲鰀15:00、ボラ連加盟団体37のうち、約20団体が集まり、今後の被災者支援活動について、どのような活動を行うことができるのかを共に考えていく意見交換の場を作ることとなった。
○テーマは「今被災された方が抱える問題」
1.心細さ、不安、心のよりどこがない
2.健康の維持ができない(運動不足)
3.気持ちが楽しめるもの、元気になれることがない
4.今後の仮設住宅での生活の不安
について、自分たちが同じ地域に住む住民同士「困った時はお互い様」という視点に立って、支えを必要とする方の小さな声に耳を傾けながら、どのような応援ができるのかを考えていく。
○今後ボラ連の意見もふまえつつ、実施できそうな具体的な活動
・少年少女合唱団による避難所の慰問(明日日程調整)→元気・お楽しみイベント
→これに合わせて、地元ボランティアの協力を得ながら、軽い運動やお茶を飲みながら気軽に話ができるような場のセッティングも整えていきたい。
・仮設への引越しお手伝い
→仮設での新たな生活を始めるためにあると便利なもの(つめきり・耳かき・缶きり・裁縫道具・文具セットなど)の町内への収集の呼びかけと配布
・応援メッセージのお届け
→穴水高校170名がボランティア活動をしたいと申し出あり。メッセージカードを作成してもらい、地元ボランティアの同行のもと、個別訪問にて届ける企画の提案を検討中。
その他については、明日の会合の中身次第で実施可能なものを随時検討していく予定。
■在宅の方の様子
・民生委員よる一人暮らし高齢者222名に対するニーズ調査を実施。
・民生や町内関係者と日ごろから折り合いが悪く、「ボランティア以外立ち入り禁止」と書いた札を家の前に貼っている方がいる。毎日ボランティアセンターに何かしらの依頼の電話をしてきている様子。中にはボランティアでは対応できないニーズ(被害を受けた蔵の中の貴重品の取り出しなど)もあるが、1日1回その方の顔を見にいく、ということに意味があると捉えて、なるべく同じボランティアが訪問に行ける
ような体制を整えたい。
・被害のひどかった大町・川島町以外でも被害を受けている地区の見回り活動の実施の必要性あり。現在電話でのニーズ依頼はかなり少なくなっているため、応援に入っているブロック社協がこの部分をカバーしてもらえるよう明日はたらきかける予定。